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1-3.婚約破棄、そして…

「ありがとう、フィオナ…!」


フィオナの返答に、クラウスも端正な顔を緩ませる。会場内の雰囲気がほっと和みかけた、次の瞬間。


「フィオナ、実は君に、是非とも紹介したい男がいるんだ」


「えっ?」


正妃候補という重圧から解放され、すっかり浮かれていたフィオナであったが、クラウスからの予期せぬ言葉に慌てて顔を上げる。


クラウスが右手を上げると、傍らに、一人の精悍な青年が歩み寄った。


「私が最も信頼する部下、シリスだ。…フィオナ、君には彼と結婚して、私たちと共にこの国を支えてほしい」


「…はっ…?」


い、今、なんて?けっ…こん…?


突拍子もない提案に、フィオナの思考は再び、停止してしまった。会場からも再びざわめきが起きる。


「最後の試験ではサリアに首位を譲ったとはいえ、君が優秀な魔法使いであることに変わりはない。シリスは私の右腕として働いてくれていて、君が不安に思っている国政分野の知識も、補ってくれるだろう」


「い、いえ、私はもう、政治には…」


そう言いかけたフィオナは、クラウスの目を見て口を噤む。


フィオナを真っ直ぐ射すくめるような、強い瞳。


――あの時と同じだ。2年前に婚約を申し込まれた時も、このクラウスの視線に身体を絡めとられたかのように、フィオナは何も言えなくなってしまった。


「…決まりだな」


フィオナの沈黙を肯定と受け取ったのか、クラウスが満足げに頷き――



「お待ちください」



突如としてホールに響き渡った、第三の声。


会場の全員が振り返る中、ゆっくりと歩いてきたのは。


「エリオス様…!」


漆黒の髪に、ラピスラズリの瞳の青年。年の頃はクラウスと同じくらいだろう。


エリオスはフィオナと並ぶと、安心させるように小さく微笑む。


そして壇上のクラウスを見据え、フィオナを守るように前に立った。


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