表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

第1話 勇者と四天王は仲が良い

この作品は今日中に全て投稿し終わる予定です。

「現われたね四天王アルスト!!」


「ふっ。そちらも相変わらず脳天気そうな顔をしているな勇者ミコト」


向かい合う2人。

ミコトという名の女子は全身(頭以外)に鎧を着ていて、周りには様々な格好をした女性が集まっている。

そして対するアルスト、つまり俺は黒い服に紫のマントをなびかせていて、周りには多量のアンデッドが。非常に悪そうな雰囲気は出ているが、低身長なことと童顔な事で可愛さによって全てが相殺されている。俺1人の見た目の所為で全てが台無しだ。

暫く見つめ合う俺たちだが、


「……え?ボクそんな脳天気そうな顔をしてるかな?」


勇者ミコトは首をかしげて尋ねてくる。真剣な雰囲気は完全になくなった。


「ああ。こんな真面目な雰囲気で始まろうとしているときに頬に食べかすが付いてるあたり、かなり脳天気に見えるぞ」


「うぇ!?た、食べかす付いてた!?」


俺に指摘され、ミコトは慌てた様子で顔を触る。口の周りを擦るたびにボロボロと何かが落ちていった。相当口の周りにつけてたんだな。

その事実を知って1番驚くのはミコトなわけで、


「ちょっとぉ!皆言ってよ!アルストの前で恥ずかしいことしちゃったじゃん!」


と、周りのモノたちに文句を言う。それを聞いた周りの女性達。つまり、ミコトのパーティーメンバーたちは、


「いや、そういうの良くやってるし」

「気にしていないのかなぁと思いまして」

「……逆にびっくり」


なんて言うことを口々に。日頃からこのレベルのことはやっているようだった。勇者がこんなので良いのかと不安になるな。


「お、教えてよぉ。大事な会議の時とかに私、口の周り汚したりしてたって事!?」


「そうですね。この前の会議の時は白いおひげができてて、会議室はとても和んでいましたよ」


「そ、そんなぁ」


がっくりと肩を落とすミコト。

俺はそれに近づいて、肩にポンと手を置く。それから、俺は優しい目を向け


「大丈夫だ。自分でやってる分、まだ抑えられているところはあるだろう。俺なんて……俺なんて、他の四天王とか魔王様とかに強制的に口の周りを汚されるんだからな。それに比べればマシだろ」


俺は遠い目をして慰める。

数日前の会議でもそうだった。「お姉ちゃんが食べさせてあげるね」なんて行って、生クリームがたっぷり乗せられたコーヒーを飲ませられて、口の周りに生クリームをつけられた。……何が「汚しちゃうなんてアルストはまだまだお子ちゃまでちゅねぇ」だ!汚したのはお前だろ!と言ってやりたいところだった。

俺のそんな辛い思いを察したのか、ミコトは同情した目を向けてきて、


「あっ。うん。そうだね。……とりあえず今度からは気をつけることにするよ」


「ああ。そうしろ。……俺と違って気をつければどうにかなる事なんだから」


お互い肩をたたき合った。こうしてまた四天王アルストと勇者ミコトの友情は深まるのであった。

……さてこんな事をしているから分かるとは思うが、俺たちは顔なじみでそこそこ仲も良い。お互い敵対する勢力には所属しているが、それぞれ共感しているところがあるので個人的に停戦するようにしている。勿論バレないように、会ってしまったときは適当にその辺を荒らしてあたかも激戦を繰り広げましたみたいな演出はするけどな。

で、そんな俺たちだが、会う頻度はそこそこ高い。俺はぶつからないように調整しているのだが、ミコト達が俺の所に来ることがあるのだ。何が理由かと言えば


「……で?またミコトが男に間違えられたって言う愚痴か?」


「そうなんだよ!隣の国の人と連携を取ろうっていうことで一緒に会議したんだけど!また男だって間違えられてさ!もうボクたちとの国ではボクのことを女だって言うのは広めてるはずなのに、向こうは確認すらせずに男だって決めたんだよ!許せないよね!!……って、違う違う。今回はボクの愚痴が目的じゃないんだよ」


ミコトは首を振って愚痴を終わらせる。

普段は良く、ミコトが男に間違えられることに対しての愚痴を聞いたりしているのだ。ミコトは正真正銘身も心も女なのだが、顔がちょっと中性的な顔と格好良いモノを好む傾向の所為で男に間違われやすいのだ。

因みに、俺たちが仲良くなったきっかけは俺が一目でミコトを女だと見抜いたことだったりする。


「ミコトの愚痴が本題じゃないのか?とういうことは、何か問題でも起きたか?」


俺は事情を尋ねる。ミコトの愚痴以外であまり俺の所には来ないからな。ごく希に人間と魔族双方で協力しないとマズいなんて言う事態が起きたときに来たことはあったが。


「今日はその……ボクじゃなくて、ユーフが相談事があるみたいでさ。ボクたちも相談内容は聞いてみたんだけどどうすれば良いか分からなくて、アルストにも相談したいなって思ったの」


今回は相談事らしい。自分たちでは良い案が浮かばないから、全く違う視点から考えてもらいたいということだろうな。

それで、ユーフというのが今回の相談主らしいが、


「なるほど。……ユーフは聖女の小娘だったか?」


「「「小娘!?」」」


俺の言葉に全員驚愕する。見た目の所為で俺が小娘というのが非情に合わないんだろうな。下手をするとガキが粋がって背伸びしているようにしか見えないかもしれない。


「あ、あの、小娘かどうかは別として、私はユーフです」


そう言って1歩前に出てくるのが、神官服を着たまさに聖女といった見た目の少女。ユーフ。

聖女の勇者パーティーにおける役割は、バフと回復だ。戦闘前にパーティーメンバーを強化し、戦闘中や戦闘後に傷ついた仲間を回復する。それが主な戦い方、というより役割だな。

因みに俺はアンデッドを操るのだが、聖女は天敵だったりする。アンデッドを浄化する魔法を使えるのだから。


「では、相談事を聞こうか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ