1駅目 冒険の始まり0
『デントレイン』は神が昔 人間に与えた乗り物だ。
デントレインは 電車のような見た目だが 全く違う。動力は電気じゃなくて神の力だ。普通の線路じゃなくて光の線路を走る。大地 海 空 この星の全てを走ることができる。
とてもレアな乗り物なので 簡単に手に入らなかった。神に力を認められなければならなかったから。
しかし長い年月がたったことで 今では デントレインを手に入れて旅をする者が増えた。
世界を旅して 戦い 秘宝を探す。彼らは『デントラー』と呼ばれている!
ここは ジュッチー村。
ジャルベルという名前の6歳の少年が住んでいた。
ジャルベルは赤ん坊の頃 山に捨てられていたところを村長が見つけて育てることになった。
村長はジャルベルを 時に厳しく時に優しく育てたのに ケンカっ早くていたずらが大好きなやんちゃ坊主になってしまった。
たとえばこの前...。
庭掃除をする村人。
「この季節は枯れ葉が多くて掃除が大変だ。ん? なんか焦げ臭いぞ」
振り向くと枯れ葉に火が!
村人
「うわー 家に燃え移るー! 水ー‼︎」
ジャルベル
「だっはっはっはっ」
村人
「またお前のしわざか! ジャルベル‼︎」
村の祭りの日は...。
村人
「あれ? 料理がない! 野犬が盗んだな」
気づいた村人は
「いや あれを見ろ 野犬じゃない」
口のまわりにソースがついているジャルベル
「へへーん。味はまあまあってとこだな」
村人
「ジャルベル お前ー‼︎」
それに 毎日のように村人とケンカをしている。しかもジャルベルはケンカがとても強かった。
村長は怒った。
「ジャルベル! また人に膝カックンしてケガさせたな」
だが 村長が叱っても 全く効果なし。
悪さをした罰として おやつ抜きの日々が続いたある日のこと。
ジャルベル
「つまんねぇな。お! あれはリンゴの木か」
山においしそうなリンゴが沢山実っている。
ジャルベル
「ジジイ! オレ、リンゴ食いに行ってくる。お前のくれる菓子なんかこれからもずっといらねぇよ」
村長はジャルベルの服をつかんだ。
村長
「待て、ジャルベル! 山に行っちゃいかん。絶対に」
ジャルベル
「はなせよ!」
村長
「よく聞くんじゃ。山奥にはな デントラーが潜んでいるんじゃ。デントラーはものすごく強うて なんでも手にしたがる恐ろしいんじゃぞ。リンゴなんて拾っておると襲われるぞ」
ジャルベル
「まわりの奴らはみんな童話の話だって言ってるぜ」
村長
「本当にいるんじゃ。とにかく! 山に行っちゃいかん」
ジャルベル
「わかったわかった」
ジャルベルは家の中に入って行った。
だが 問題児であるジャルベルがここであきらめるはずがない。
夜。こっそりと家を飛び出して山へ走った!
ジャルベル
「デントラーだぁ? ちっとも怖くねぇな。いたところでぶっ倒してやる」
山に到着。木に登ってリンゴをちぎって たらふく食べた。
ジャルベル
「あー、うまかった。ほら見ろ、デントラーなんていないじゃねぇか」
山を下りようとした時 突然あたり一面眩しい光が!
謎の声が聞こえた。
???
『聞こえますか、ジャルベル』
ジャルベル
「誰だ!」
???
『あなたはデントラーに選ばれました』
ジャルベル
「なんだって?」
???
『あなたに問います。新たな時代を生み出しますか?』
ジャルベル
「変なヤツだな」
そしてジャルベルは言った。
ジャルベル
「おう! 生み出してやるぜ‼︎ オレは平坦な日常なんてまっぴらだ‼︎」
???
『そう答えてくれると信じていました。どのみち今後 平坦な日常は無くなります。それを救うか 救わないかの問いでした』
ジャルベル
「何だよ! で オレにどうしろって? 好き勝手に暴れていいのか?」
???
『その時が来るまで眠りにつくのです』
ジャルベル
「眠り⁉︎ その時っていつだよ⁉︎」
眩しい光が消えて ジャルベルは長い眠りについた。
目が覚めると知らない場所にいた。だが 乗り物の中にいることはわかった。電車? ジェット機? いや違う!
ジャルベル
「はぁ⁉︎ どうなってんだ⁉︎」
なんとジャルベルは16歳になっていた! あの日から10年もの年月がたったのだった!
知らない奴
「お! 目が覚めたか?」
車内には人間が何人かいた。もちろん全員誰だか知らない。
ジャルベルは聞いた。
ジャルベル
「お前ら誰だよ?」
なまりの喋り方で話す1人は
「オレはメカブロー メヨ!」
その横にいる1人は
「オレはテラソモスだ!」
運転席のドアが開いて1人飛び出してきた。
「運転手のチューボーや! ほんで このデントレインの名前は『ドラグーン号』や‼︎」
ジャルベルはデントレインの中で目が覚めたのだった!