第1部 設定資料
【登場人物】
リーフ
推定十七歳。魔剣を求めて旅をする剣士だが、腕っぷしはそんなに強くない。しかし、底なしとも思える体力と如何なる敵にも怯まない精神力で相手を叩き潰す。〈害覚〉という特異な感覚を持ち、自分に害する意思を有するものを識別することができる。
景月と呼ばれる神獣の血を引いており、ギルとの戦いで皮膚を硬質な結晶に変化させる異能に目覚めた。
孤児だった頃に景月族を信仰する宗教に保護され次期後継者を生む娘として育てられる。孤児となった経緯は不明で、本人もそれ以前の記憶がないどころか十歳くらいまで自我がなかった。そのため、人格を無視した教育と役割を与えられ籠の鳥として生活していた。
とある偶然で潜入していた改革派の殺し屋と出会い、改革派に招き入れられると共に暗殺技術を殺し屋から教わる。その後、弾圧によって改革派は拘束され順次処刑、隙をついて逃走したリーフは残ったメンバーを助けるために、最大の敵を倒すだけの力として魔剣を求めた。
◆ ◆ ◆
リン(リリルット・チャーコウル)
十六歳。リドバルド王国のチャーコウル公爵家の四女であり、外地派遣師団の狙撃手。見た目では測れない程の怪力の持ち主であり、屈強な男を拳一発で昇天させることができる。また、走るモンスターの脳天を正確に撃ち抜く射撃技術ももつ。
怪力は真太という狼の神獣から由来し、日に日に強くなっている。
軍需産業が家業であったため、幼いころから銃器に慣れ親しんでいた。また、母親筋のメーラン家がモンスターの養殖を行っていたことから、モンスターに対する恐怖心が非常に薄かった。加えて、他者に対する共感性の希薄さと諦めの悪さが上手く噛み合い、若くしてモンスター狩りの名手となった。
自分よりも強い奴のところになら嫁に行ってやると豪語し、最精鋭が集う外地派遣師団に押しかけて狙撃手としてモンスターと戦いを繰り広げる。しかし、死亡率が極めて高い職場で出会いがあるわけもなく、休暇中に別荘で腐っていたところを偶然リーフと出会う。
◆ ◇ ◆
ギル(ギルスムニル・ヴレイヴル・レイジェアト)
両手剣の形をした、使い手の身体を乗っ取る憑依霊型魔剣。口も頭もあまりよくないが戦術眼と実力だけは本物で、最強の魔剣を自称している。
契約の代償として使い手の寿命を要求し、捧げた寿命と等価と判断した分だけ力を貸す。寿命を追加で渡すことで契約を延長することにも応じるが、延長した契約者は理由がどうあれ軽蔑の対象になる。騎士のように、信念を貫く性格の人間が好き。
どんなモンスターの硬い皮膚や骨でも容易く切り裂く鋭利さと、神獣の神性を破壊する雷を併せ持つ。その強さで数々のモンスターを倒してきたが、同じだけの数の人間を権力闘争で屠ってきたこともあり人間というものに諦観を抱いている。
特定の神獣を毛嫌いしている節がある。
◇ ◇ ◆
イーハン(イルハールス・エリオン・ライカ)
槍の形をした騒動霊型魔剣。緻密に物を動かすことができる以外、取り柄のないごく普通の魔剣。
ギリスアンの聖都で、教皇のみが使える抜け道の管理を任されていた。
【用語解説】
・モンスター
通常の動物と一線を画する生態をもつ生物。物理攻撃への異常な耐性を持ち、血肉は食用に適さない。ヒトに対して攻撃的な性質を持っていることが多い。
・外地
モンスターが多数生息する地域。領地を継続的に維持することが困難であるため、国が新興することは滅多にない。
・神獣
かつてヒトと共存していた肉体を持つ精霊で、神性を用いて超常の現象を起こすことができる。獣に似た姿とヒトに似た姿を有する。千年前の戦争から交流が途絶し、半獣以外のヒトは正しく存在を知覚できなくなった。
・半獣
神獣とヒトとの間の子供。基本的にヒト寄りの存在で、神性はあまり行使できない。魔戦士、半妖など、様々な呼び名がある。
・魔剣
死んだ神獣の魂が何らかの要因により、鉱石に定着したもの。自我が強いものは神獣や半獣と意思疎通が可能。使い手の身体を媒介にする憑依霊型、物質を動かせる騒動霊型、魂を侵す死霊型に区分される。
銃が開発されるまでは、モンスターに対抗可能な唯一の個人兵装だった。




