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大団円  作者: みすみいく
1/2

起因

 リント伯爵が勢力を失って、シェネリンデが次の時代へ移ってゆく。

 クリストファにリント伯爵家を託して本来の形を取り戻させるべく息子を派遣するアウルだったが…。

 この冬リント伯爵が体調を崩し、貴族院からの引退も、囁かれていた。


 「諸君の奮闘の甲斐あって、事態は終息の局面を迎えたようだ。最終的な判断と手段は処置と共に経過を見て後、決定する」


 「以降は経済面の対応に主力を注ぐ。国単位の経済的な独立を確保すべく、先ずは、国家プロジェクトに移行した事業の補足と、拡大に力を注いで貰いたい」


 「国費援助対象企業の選抜の為のコンペティションの立ち上げと、選考基準の作成を、ハンス。君に託す」


 「選考委員会を立ち上げて、即座に行動に移すように」


 「承知致しました。次回、選考委員の選定が出来次第、会議を招集致します」


 会議室を後にして、アウルの執務室へ向けて2人で歩いていた。


 反対勢力の急先鋒だったリント伯爵が病に倒れた事によって、国内は落ち着いていた。


 「…最終的には、クリスを使う」


 「アウル?!下手をしたら、あの子を失いますよ」


 「あれは私のものでは無い。オルデンブルクの継子だ」


 「貴方が傷付くのは論外ですか?!」


 言うと、政治家の顔が崩れて、唇をへの字に曲げて俺を睨む。


 図星を指されて、以前のように感情を抑えきれ無くなった。


 「…お前は、意地が悪い」


 …困った。

 泣かれると手に余る。

 

 「…可愛すぎ」

 抱き寄せようと延べた手を、邪険に払って、逃れようとする癖に、溢れる感情を持て余して、涙を零し続けて居る。


 「貴方を泣かせないようにしないと…俺、仕事が手につかなくなって、困ります」


 言うと背けた顔がぽうっと赤く染まる。


 これも困るなぁ…。

 捕らえて唇に触れる。


 アウルは、頤に触れられるのが好きで、舌先でざらりと舐めると、途端に躰から力が抜ける。


 「…お前は…ずるい」


 濡れて色付いた唇で言われると、止まらなくなった。


 お読み頂きありがとう御座いました。

 今回もまた、危ういアウルが前面に出てますが、これはこれで仕方ないと思し召して下さいませ。

 次で一応の終わりを迎えます。

 ありがとう御座いました!

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