鼻
私には導きの光があるのか
足元ばかりを見つめ
唾を吐き出す
落ちているのか 落としたものか
待ち人がいるかなど気にもせず
休む足ヘさらなる怠惰を与え
欲しがり病む心へ諍いを施し
私には導きの光があるのか
問う度に陶酔し
影と手を繋ごうと可哀想ぶる
堕ちたのか 堕とされたのか
分厚い足裏の皮膚は
図々しく 可愛く腫れ上がり
鳴く
このひ弱な背中を見てよ
汚れた尻を
ママも嫌だと匙を投げた
そうだ ――鳴けよ
私には導きの光が見ない
オスでもないわ
自ら光らない
私には光がない
みすぼらしい自尊心とこの肉
心
目
指
足
生きていくには充分な
私がいる
私には導きの光があるのか
私には私だけ
つまらない語れるだけの物語もない
面白味もない
摘めば暴れる我が儘で怖くて怖くて
弱虫な
私だけ