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第1話

教室前で大きく深呼吸。

「よし!」

そして笑顔の練習も完璧♪

今日から、わたしは星花女子学園高等部、2年1組の担任です。女子高校に赴任するのは初めてだけど、きっと問題なく過ごせるわよね。評判だけは耳にした事があったけれど、悪い噂なんて聞いたことがない。きっと素敵な子たちばかりなんだわ。うふふ、楽しみね♪


「今日からこのクラスの担任になる、悠木小町(ゆうきこまち)といいます。担当教科は英語です♪ 楽しくお勉強しましょうね! ……さて、じゃあさっそく出席番号順に自己紹介を始めましょうか」


名簿も出席表もあるし、私も早く覚えないと。


「先生! 私、先生のこともっと知りたいです!」

その声に、教室がザワザワし始める。あらまあ、みんなからしたらわたしなんておばさんだし、何を知りたいことがあるのかしら。

「いいですよ、何か質問ありますか?」

若いわね。肌も髪も綺麗でピチピチで……わたしもちゃんとケアしてるつもりなんだけどな……はあ。歳ね。

「ズバリ、好きな女性のタイプはどんな方ですの?」

今度はシーンと静まり、いっせいに注目されるのが分かる。

好きな、女性? いったいどういうことかしら?

「そこは男性ではないの? それに先生、息子がいるの。残念ながら、恋愛なんてもう縁は無いですよ〜」

この歳で恋愛なんて、出会いが無いし。

「えっ! 先生結婚してるの!?」

今度は他の子が。ええと、一人ひとり顔と名前を一致させたいんだけど……。

「息子さんいくつですかー?」

「趣味はー?」

「きょうだいとかいるんですかー!」

あらあらこんなに質問されるなんて思わなかったわ。元気があっていいわね〜。

「えーっと、旦那さんとは離婚したのよ。息子は4歳よ。趣味は、映画を見たり料理をしたり……植物園を歩くのも好きかな。それから、きょうだいだっけ? 妹がいるの」

そんな事を聞いてどうするの? 趣味は鉄板だけれど。みんなどんどん目をキラキラさせちゃって。可愛いわ。

「質問はいいんだけど、1つずつにしてね? 先生混乱しちゃうから」

これで、みんなのこと少しは覚えられるかな?

「好きなお菓子とかありますかー?」

お菓子……うぅ、考え出したらお腹が空いちゃう。

「先生ダイエット中なのー。食べるの大好きなんだけどね。好き嫌いも無いし、お菓子は何でも好きよ。我慢してるけどね」

チョコレートと飴以外のお菓子なんて、随分食べてない気がする。たまには食べたい、けど、いやいや、太っちゃうからダメなのよ!

「何カップですかー?」

「ええっ? 先生、ちゃんと測ったことないんだよね〜」

年頃だから気にしてるのかな? 私も高校生くらいの頃は、いろいろ試したりしてたかも。懐かしいなぁ。

「初恋はいつだったんですかー?」

初恋、か……。

「高校2年生の時だったかしらね〜。確か隣のクラスの先生を好きになったの。先生と生徒なんて、有り得ないよね。結構歳上だったけど、好きだったな〜」

片想いで、臆病な私には何もできなくて。でもずっと、目を離せなかった。結局その先生は別の学校に行ってしまって、会うことも出来なくなって。懐かしいなぁ。

「じゃーあー、もし今告白されたら、恋愛対象として意識しますか? 」

もし、ねぇ……。

今更この歳で恋をしてドキドキするっていうのも変だけど。一緒にいて安心出来て、のんびり出来て、甘えられて……そんな相手にまた出会えたら、素敵ね。


「うーん、もしされたら……意識するんじゃないかな。楽しいしドキドキするし、恋っていいわよね〜……さあ、もう無い? そろそろいろいろ説明もしなくちゃ。みんなの事も少しずつ、これから教えてね〜」


わたしのことはたくさん知ってもらえたんじゃないかな? 仲良くしてくれるかしら。みんな可愛くて積極的で、ちゃんとお話を聞いてくれてる。問題無さそうね。これからが楽しみ♪

こちらも3弾同様のーんびり更新していこうと思います!

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