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身体が構成されたのだろうと当たりを付けて、右手を顔の前へ翳してみる。
自身の記憶にある手の大きさより、若干小さく感じるのだがどういう訳だろうか?
「ちと、失敗してしもぅたかのぅ~?ま、五・六年の誤差は赦せ・・・」
そう宣う神。
実年齢27だが、見た目だけで10台後半によく観られた過去が俺にはある。
それに拍車が掛かった様である。
つまり、見た目は10台前半の容姿になっているとみて良いだろう。
「ハァー・・・下手したら行った先の世界で学校へ行かされる嵌めになる気が・・・」
ハッキリ言おう。
へこむ。かなりへこむ。
気分としては、地下600メートルまで潜った位にへこむ。
「そこは大丈夫じゃ!
お主の身分証となる所属結社の指環も此処にあるでな!」
そう神は述べながら、俺の掌に指環を乗せてくる。
受け取った指環を確かめ、俺自身の物であるのを確認する。