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「それだけかの?」
他に要求があるのか聞いてくる神。
聞かれて黙考すること暫し。
結局思い付いたのは、仕事で使っていた魔具一式しか思い付かなかったのだ。
それを伝えると・・・
「ふむ・・・それは、創るよりもお主がいた世界から持ってきた方が早いのぅ・・・どれ・・・」
と、言うが早いか手を胸の高さへと翳す。
するとどういった仕組みかは、全く分からなかったが、俺が使っていた魔具一式がソコに存在していたのだった。
魔具なのだが、一つは長さ40㎝、直径5㎝程の装飾の全く無い黒色の棒である。
これは、魔力を込めると極薄い魔力で出来た刃を形成する代物である。
薄さは1ナノ程で真横から、刃を見ると辛うじて線として捉えられる位薄い。
より簡単に言えば、至極薄い実体化した魔力の刃を作り上げるだけの能力しかないのだ。
それだけだが、至極薄い刃が故に切断能力だけみれば、既存の剣や刀を遥かに凌ぐであろう。