22話
わたしは駆け出し、大八木の背後に瞬間移動してそのとき、数日前に布団の中でしていた会話を思い出す。
「月夜ちゃん」
「はい?」
「わたしは月夜ちゃんにとって何かな?」
「おねぇさんです」
どうしてそんなことを聞くんだろう? と、そんな疑問が今にも聞こえてきそうなくらいに不思議そうな顔をわたしに向けた。
「影千代君は?」
「いつも一緒にいる人です」
なんか随分と月夜ちゃんの中で、影千代君がよく分からない立ち位置にいるような気がする。これを聞いちゃうと少し影千代君に優しくしてあげたほうがいいような気がしてきて仕方が無い。結局普段と変わらない扱いであることは想像するに易いけど。
「じゃあ月夜ちゃんはわたしが守らないとね」
「わたしが彩を守ります」
「普通はおねぇさんが守るものじゃない?」
「わたしのほうが強いです」
「分からないよ? 意外とわたしのほうが強いかも」
「そんなことないですよ」
「じゃあそういうことにして置いてあげる」
「むぅ」
「ああ、月夜ちゃん可愛い。可愛いよぉ」
むくれた月夜ちゃんの頭を抱き、撫で撫ですりすりしてあげる。
ああ、可愛い。
「や、止めてください」
「止めないよー」
「もう、寝ます」
「照れちゃって、可愛いなぁ」
半分眠っていたとはいえ、随分と酷い有様だったわたしの姿をふと思い出した。そのせいかな?
怖いはずなのに笑っているのは。
というわけで、22話でした。
至らぬ点が多々あるとは思いますが、少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。




