14話
わたしたちの下で大口を開けて笑っている大八木を、ぼんやりとする視界で捉える。
ああ、今ので六回も使っちゃったのか。通りで意識が消えそうなわけだ。
わたしは途絶えそうな意識の中、月夜ちゃんと影千代君の背中を押し、この建物の外へと飛ばす。
「がんばって、二人とも」
そして失大八木に飲み込まれるような感覚の中深い深い眠りにつく。
***
「大塚、あなたやったわね」
女が言った。
「何のことでしょうか?」
大塚が言った。
「おっさんがこんなことを考えていたとわな」
若い男が言った。
「大塚、やりおってからに」
年寄りが言った。
「おっさん、このままじゃあんたここから追放されちゃうぜ」
「四人委員会から追放されるようなことをした覚えはないな」
「政府とは別の独立したここではあなたの力など有って無いようなものなのよ」
「わしら一人一人に権力の差などないが、あの時ばかりはわしに従って欲しかったものじゃ」
「僕は今回の件に一切関係など有りませんが」
大塚は一切表情を変えることなく、淡々と言う。
「白を切るつもりかしら? まあ、みっともない」
「ねぇさんもいちいち突っ掛かって、おっさんに気でもあるのか?」
「五月蝿いわね、年上にはもう少し敬意というものを払ったらどうかしら」
女は顔を赤らめるでも焦るでもなく、ただ嫌悪に満ちた表情で言う。
「残念ながらあんたらの実年齢を知らないもんでね」
「おぬしら、くだらない言い争いはよさんか」
年寄りの一言に若い男と女は口を噤む。
「大塚よ、この事態を即時に収拾をつけることが出来ぬのじゃったら、わしらはおぬしをここから追放する準備は出来とる」
「そうですか」
大塚は一泊ほど時間を空け言葉を口にする。
「ならば、僕のギフトを一時的に返していただきたい」
「ん? 何をする気じゃ」
「おっさん、もしも自分で大八木を殺るってんならそりゃ駄目だぜ」
「安心してください、ただ、火の消えかかった蝋燭に火をつけなおすだけですよ」
大塚は立ち上がり言った。
「良いじゃろう、今回に限りおぬしのギフトを返却しよう」
「ちょ、長老。それでは大塚がなにをするか分かりませんわ」
「いいんじゃよ」
女はその言葉を、唇を噛んで受け止めた。
というわけで、14話でした。
そしてまた投稿を忘れてました。
立て続けに投稿を期間を守れずに申し訳ありません。
これからは気をつけます(二度目)……とか言っても忘れそうなので、程よくサボりながら投稿していきます。




