キャラこぼれ話&あとがき
この話の主要キャラは、有毒植物から名前を考えています。
リコリス・ラジアータ
名前は姓名とも彼岸花の学名。「リコリス」はギリシャ神話の海の女神の名前だそうです。
彼岸花の異名は死人花、地獄花、幽霊花、剃刀花など散々ですが、とてもきれいな花だと思います。わりといろんな色がありますが、私は断然赤い彼岸花が好きです。
ちなみに花言葉は「情熱、独立、再会、あきらめ、想うはあなた一人」など。合っているようなそうでもないような。
外見的特徴として泣きぼくろがあるんですが、皆さん覚えていらっしゃいますか? 一人称の文章って主人公の容姿の描写がすごく難しいんですね…。わりとグラマーな美人を想定して書いていたはずですが、あんまりそれっぽくなりませんでした。
ヴォルフガング・アイゼンフート
アイゼンフートはトリカブトのことです。ヴォルフの目の青紫はこの花の色から。
トリカブトは「継母の毒」と呼ばれたこともあるそうで、古代ローマで夫の連れ子を毒殺するのに多用されたとか。怖い。そこから継母(志願の女性)に毒を盛られるエピソードが出来ました。
ヤンデレに。でもヒーローとしてできるだけ広く受け入れられるレベルで。という葛藤が難しかったキャラでした。あと正直、良い所でリコリスを助けに来すぎだと思いました(笑)この人多分、常時リコリスがいる方に注意を払っていますね。
シェイド
ベラドンナの英名「deadly nightshade」より。名前自体は「陰」の意。
熟したベラドンナの実は猛毒を含んでいますが、甘いと言われています。そこから甘い言葉で女性を誘っては食い散らかす男、という想定で出来たキャラです。女ったらしなんですよ。この設定皆さん覚えていらっしゃいますか?(二回目)
途中から陰が薄れてただのシスコンになった気がしますが、けっこう好評いただいたキャラです。私としても書きやすかったです。
リリアム・バレー 愛称リリィ
リコリスと名前が微妙にかぶってるせいで何度間違えたことか。間違いを指摘してくださった方々ほんっっとうにありがとうございました。顔から火が出る思いでしたが懲りずに間違え続けました……。読み返しても気付けない罠。キャラの名前は似せない、と学びました。
リリアム、リリィは百合のことですが、リリーオブバレー=谷間の百合=スズランがイメージです。スズランってすごく可愛い花なのに毒を持っているというのがインパクト大。
実は一番初めの構想ではリリィはリコリスの手を振り払い、地下のギフトの元に……というラストでした。リリィもギフトも掘り下げていくうちにちょっと性格が変わってしまい、結局今の形で落ち着きました。
本編終了後はバリバリ強くなってくれそうです。
アルタード・ブルグマンシア 愛称アルト
ブルグマンシアはキダチチョウセンアサガオ属の学名から。アルタードは同属ダチュラ(Datura)のなんとなく逆さ読みです。キダチチョウセンアサガオの花言葉は「愛嬌、偽りの魅力」など。
嫌われて当たり前のキャラでしょうが、わりと楽しく書かせていただきました。
ゲーム攻略キャラである以上、ゲームの中ではリリィがアルトと恋に落ちるルートもあるわけで。ヤンデレじゃなくてハッピーなエンドが存在するわけで。それについてわりとまじめに悩んだ私は「催眠術的な魔法でアルトを洗脳して飼い慣らせば、(少なくともリリィは)幸せになれるんじゃないかな」と思いました。流石にひどいと思ったので作中では言及しませんでした。
ルイシャン
名前は沈丁花の中国名。
彼に真面目なヤンデレを期待した方、すみませんでした。微妙にギャグ要員でした。
アルトのコンセプトが「有害なバカ」なら、ルイシャンのコンセプトは「無害な変態」です。ただ完全に無害、ではありませんよね。肖像権の侵害になるのかな。彼が誰をモデルにお人形さんを作っているのか、リコリスはそれどころじゃなかったのでツッコミを入れてくれませんでした。
オリアのせいで影薄いね、って妹に言われました(笑)。確かに…単体で出てたらもっとインパクトあったはず。わりとしたたかな性格を、もう少し描きたかったなという気もします。
オリア
このキャラだけは植物とか毒とか関係のない名前です。適当につけました。
物語全体の謎(?)に関するオチ要員でした。正直このオチどうなんでしょうね? わかりにくかった! とか何だこのオチは! とかご意見いただけたら真摯に受け止めます。
つまりオリアは現代日本に転生して自分の趣味満載なリリィを主人公にしたヤンデレ乙女ゲーを作る……のかもしれないねという。その際にはキャッチコピーに過去視もどきで知り得たヴォルフの台詞「いっそ君を殺してしまいたい」を使っちゃうわけで。リコリスさんはもっと怒っていいんじゃないでしょうか。
でもリコリスが怒ってオリアがゲーム制作を取りやめてしまったら未来(というか過去というか)が変わってしまうから……ああ面倒臭い。
ギフト
名前はドイツ語で「毒」の意味。英語では「天賦の才」の意味。
実は彼の監視役ヘムロック氏は遠方へ嫁いだギフトの姉の子孫で……なんて設定があったのですが、作中に出せなかったからにはなかったも同然ですね。はい。
おまけ
ナーシサス・ランクラーツ叔父様
ナーシサスは、ナルキッソスの英語読みです。
スイセンのことですが、むしろ「自己愛」を意識してつけました。
なんとか完結させることが出来ました。間違いなく、読んで、時に評価を、感想をくださった皆様のおかげです。一話更新するたびに「こんなの人様の目に晒して大丈夫か」とビクブルしていましたが、今は思い切って投稿して本当に良かったと思っています。
この『小説家になろう』『小説を読もう』というサイト、とても素敵ですね。皆様の反応が目に見えるというか。一喜一憂しましたが、そのおかげで飽きることなくこの話を書き終えたなと思います。
以降はぼちぼち番外編を書いていく予定です。本編と同じページに更新すれば一番わかり易いのかな。それともそこはいじらず番外編用のページを作るべきなのか。ちょっといろんな方のやり方を見て勉強させていただきます。
お応えできるか未知数ですが、よろしければ「こんな番外編が読みたい」などのご希望もお伝え下さい。好きキャラとか好きなシーンとかもしあったら教えていただけると、パソコンの向こうで私が小躍りします。
それでは。