表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
“それ” は劣化チートおじさん  作者: バンブー
幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/185

第6話 転生したら難易度ハードだったよ

 俺はトラックに轢かれ死んだが、天国みたいな所に行った。


 そこで天使に、魔法の適正があるという理由で勇者になってほしいと言われる。


 そして、異世界に来た。





 そう、俺は産まれたのだ。

 赤ん坊としてな。

 体は子供、頭脳は大人とはまさにこのことだ。何てことはどうでも良い。

 こんなの聞いてないぞ!

 これでは何も出来ないじゃないか!

 確かに転生って意味ではあってるが「あー」か「うー」か「おぎゃああああ」しか発声できないので天使にクレームを入れることも出来ない。

 この世界にいる恐怖の魔王なる者を倒さないといけないのだが、ハイハイでは向かうことすら叶わないだろ。

 仕方ないと、身体が成長するの待つしかなかったのだが、災難はこれからだった。


 どうやら、転生した俺は娼婦から産まれたようで、望まずして産まれてしまった子供ものようだった。

 父親の顔も分からず、母親である娼婦も仕方なくと言わんばかりの表情で育てられたが、途中で俺は売りに出された。

 どうやらこの世界には人身売買もあるようで、最後に娼婦に言われた言葉は覚えてる。


・「ほんと……いなくなって清々した」


 …… 

 小耳に挟んだ話だと、俺は貴族の飼っているペットの餌にすると安値で取り引きされたようだ。


「また捨てられたのか……」


 俺はトコトン親に縁がない。

 いや、もう捨てた女のことは忘れることにした方が良いかもしれない。

 と言うのも視界がボヤけて声だけが聞こえるような状況だった。

 赤ん坊ってあんな感じだったんだなって改めて経験したよ。

 寧ろちゃんと生かしてくれたことは感謝すべきなのかもしれない。

 そして、その感謝は忘れるという形で返すべきなのだろう。

 そして泣けるほどの名前ももらった訳だしな……


「おい、()()()! テメェいつまで寝てやがるんだ!」


 元母が付けた()()()()を叫ぶおっさんの声が響き渡る。

 いつの間にか地下牢の檻が開かれていたらしい。俺の寝床である石造りの牢屋の中へ入ってきた、監修の小太りなおっさんがモップを投げ込んできた。


「イット! 誰に飯を食わせてもらってるのか分かってるよな! 城主様が魔物(コレクション)達の餌になるお前を寛大なご処置で救って頂き、この地下牢の雑務を任せたんだぞ! お前の飯代も……」


 ここに入れられてから3、4年ほど聞かされてきた説教が始まった。

 思わず溜め息が溢れてしまう。


「違うよ。その魔物が、オレを食べることを止めてくれたんだ。捨てるのも勿体ないからと言って魔物の人達に育てられて――」


 言わなくても良かったのだが、この子供相手にどうでも良い栄誉や何やらを垂れ流すおっさんに俺自身が呆れ始めてきたのだ。

 案の定、刃向かった俺の頭に木製のバケツが飛んでくる。


「能書きはいい! 奴隷風情が生意気な口をきくな!」


 舌を打ち鳴らし、監修が檻から出ると暗い通路へと歩いて行く。


「今日も牢屋全ての掃除が終わるまで飯は抜きだからな!」


 監修のおっさんは鍵束投げ入れ、地下牢の出入り口の向こうへと行ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ