ヘタッピラッキー!
二話目
僕は叶 幸運 いい名前でしょ! みんなからはラッキーって呼ばれてる
本当にラッキーかって聞かれたら、僕は間違いなくこう答える
世界一ラッキーだ!
僕は体が小さくて、その上ボールを取るのも打つのも下手くそだった
けど、仲間には恵まれた!
みんな上手だし優しいし、父さんも母さんも応援してくれた
最後の大会は初戦で負けちゃったけど、とても楽しかった!
最後に少し僕も試合に出ることができた
僕は思いっきりバットを振った
バットに当たった! 打球は大きく大きく伸びていって・・・着地して低い音を立てた
「ボーーーーン」
ホームランだ! ホームランだ! 奇跡のホームランだ!
喜びが全身を巡って、興奮が体を熱くする!
全身に仲間や保護者さんたちからの歓声を浴びながら一周した
あの時の僕は世界の誰よりも幸せものだった だから自身を持って言えるんだ
僕は世界一ラッキーだってね!
時は流れて僕も中学生、この学校には野球部がなかった
でも大丈夫! ないなら作ればいいんだ!
今、眼の前にはとても大きくて、野球がうまい人がいるんだ!味方になってくれたらいいな・・・
ラッキーくんは誰よりも純粋 僕が求めている真っ直ぐな心を持った少年です