一章 9話 セフィ姉を紹介
用語説明w
セフィリア:長く美しい金髪の竜人の女子。容姿端麗、学科、実技とも常に学年一位だが、パーティには恵まれていない。ラーズとフィーナは学園入学前からの知り合いで、セフィ姉と呼んでいる
今日は休日!
僕とフィーナはセフィ姉に会いに出かける
「セフィリア先輩と…」
「一人でダンジョンに潜っていた、あの…」
そして、ブツブツ言っている二人はミィとヤマト
セフィ姉に会いたいと言うので、一緒に行くのだ
セフィ姉は下級生の間でも有名人
超絶美人で、成績も学年で一番、騎士としての実力は中等部でありながら高等部の先輩を押さえて学園で一番と噂されている
ファンクラブもできていると噂されているが、惑星ウル大国、龍神皇国の貴族のご令嬢であるため、告白する勇気ある生徒はいない
「あ、セフィ姉ー!」
フィーナが手を挙げる
「フィーナ、ラーズ。あら、お友達?」
セフィ姉が輝く金髪を揺らす
か、か、かわいぃぃーー!
きき、きれいすぎるだろ!
「おぉ…」
「な、凄いだろ?」
僕は呆けているヤマトに言う
「ああ、凄いな」
「何の話?」
ミィが口を挟む
「いや、セフィ姉が凄い美人だって言ったんだけど、ヤマトが信じなくてさ」
「だって、あそこまでとは思うかよ」
「入学式の時に、セフィリア先輩の戦っている映像を見たじゃない」
「一人でモンスターぶっ飛ばしているのに見入ってて、顔なんて見てなかったんだよ」
そんな話をしていると…
「ラーズ、ミィ姉、ヤマト、何しているの?」
フィーナに呼ばれた
「こんにちは。初めまして、よね?」
セフィ姉が微笑みながら挨拶
「こ、こ、こ、こんにちは! ミィといいます、フィーナとは同じクラスで…」
「ミィ、鶏みたいだよ?」
「ちょっ、うっさい!」
ミィが真っ赤になって僕を睨む
「ふふっ、フィーナから話を聞いているわ。フィーナは年下だから、クラスに馴染めるか心配してたの。仲良くしてあげてね」
「は、は、ひゃい! もちろんです!」
声が裏返るミィ
緊張しすぎじゃない?
「あ、あの! ヤマトっていいます。俺も同じクラスで…」
「ヤマト君ね。セフィリアです、よろしく」
「はい! 俺、セフィリアさんのダンジョンでの戦いを見て、いつかあんな風になりたいって…!」
「さっきまで、セフィリアさんが美人だとか話してたくせに…」
ミィが言う
「ばっ、それは違くて…、いや、違わないんだけど、そうじゃなくて…!」
ヤマトが真っ赤になって言い訳
「ふふっ、ありがとう。どちらの言葉も嬉しいわ」
「…!」「…!」「…!」
その余裕の対応っぷりに、僕とミィとヤマトは言葉を失う
「…何やってるの、三人とも」
そして、フィーナが首を傾げる
お子ちゃまには分かんねーんだよ、セフィ姉の大人な魅力がよ
僕たちは、学園から港町へと向かう
今日は街で遊ぶのだ
セフィ姉がご飯をご馳走してくれる
初等部からお小遣いが渡されるが、中等部になるともらえる金額が増え、更にダンジョンで得た資金も手に入る
セフィ姉ほどダンジョン攻略を進めていれば、モンスターの素材もいいものが手に入るため、その分、資金に余裕ができる
「そういうわけだから、遠慮しないで食べてね」
「はい!」
僕たちはお昼を食べた後、近くの喫茶店でパフェを食べさせてもらう
「おいしー!」
甘いものはおいしい
これは真理だ
「そう、よかった」
セフィ姉が微笑む
「あの、セフィリアさん」
ミィがセフィ姉を見る
「何かしら?」
「どうして、セフィリアさんはパーティを組んでいないんですか?」
ミィが尋ねる
確かに、セフィ姉は一人でダンジョンに潜っていた
それはとても危険な行為であり、一人で潜るメリットなど普通は無い
「…それはね、私がいると和が乱れちゃうからなの」
セフィ姉がため息をつく
「どうして?」
フィーナが聞く
「…私は、パーティを組むなら連携や個人の鍛錬が必要だと思っているの。その積み重ねの結果、ダンジョンでのピンチを乗り越え、ゆくゆくは騎士としての実力に繋がっていくと思うから」
「うん、確かに…」
「でも、私が一生懸命になりすぎちゃって、もうついていけないって言われちゃって…。それの繰り返しで、結局はソロに落ち着いたってわけ」
「でも、一人じゃ危なくない?」
「危険はあるけど、気を遣わないで好きなように動けるっていう良さもあるわ」
「セフィ姉についていける人、なかなかいなさそうだもんね」
「そうね。どこかに、私とパーティを組んでくれる人がいるといいんだけどね…」
セフィ姉がちょっと寂しそうに言う
「僕が大きくなったら、セフィ姉と組むよ」
僕は、ついセフィ姉に言う
「本当? ラーズも、ついていけないってならない?」
「ならないよ。僕はずっと一緒にいるからね」
「ふふっ、ありがとうラーズ。それじゃあ、早く強くなってね」
「うん!」
セフィ姉は僕の憧れ
僕はセフィ姉みたいになりたい
セフィ姉と一緒に戦いたい
セフィ姉を守りたい
そのために騎士になるんだ!
その後、港町で少しだけ遊んでから帰ることになった
「フィーナ、明るくなったわね」
「そう? ミィと仲良くなったおかげかも。よかったよ」
楽しそうに話しているフィーナを眺めながら、セフィ姉と話す
「ラーズ、あれ食べたい」
フィーナが駄菓子屋を指す
「食べればいいじゃん」
「買ってよ」
「…」
騎士学園に来る前、母さんに頼まれてフィーナと買い物に行ったりしていた
その時に、おつりでフィーナと駄菓子を買うのが楽しみだった
俺は駄菓子屋でドギツイ色のゼリーを買ってフィーナに渡す
「フィーナ、僕にばっかり買ってって言ってくるんだ」
「ふふっ、いいじゃない。慕われているってことよ」
セフィ姉がどこか安心したように微笑む
「そうなのかな?」
「フィーナ、あの子の国にいた時と比べて凄く明るくなってる。今の生活が楽しいんじゃないかしら」
「それならいいけど…」
和気あいあいと港町を楽しみ、僕たちは寮に戻って来た
「少し遅くなっちゃったわね。寄り道しないで帰るのよ?」
「うん、分かったよ」
セフィ姉の言う通り、辺りが暗くなってきている
分かれ道を左に行けば僕たち初等部の寮だ
「セフィリアさん、ごちそうさまでした」
「ありがとうございました」
ミィとヤマトがセフィ姉にお礼を言う
「いいのよ、これからもよろしく。それと、フィーナのことを見てあげてね」
「ええ、もちろん」
ミィが頷く
「俺も見ますよ」
ヤマトが言う
「ありがとう。それじゃあ、気を付けて帰ってね」
そう言って、セフィ姉は手を挙げて帰っていった
「僕たちも帰ろう」
僕たちは初等部の寮へと歩き出す
手前にあった女子寮には、すぐに着いた
「それじゃあね、ヤマト、ラーズ」
「ああ、ミィとフィーナもちゃんと帰れよ」
「帰るよ。もう少ししたら門限だし」
フィーナが言う
初等部の寮の門限は午後6時だ
それが過ぎたらペナルティがある
フィーナとミィが女子寮の前で振り返り、僕たちに手を振る
僕たちは手を振り返すと、男子寮へと向かった
時間的にはまだ三十分以上あるから余裕なはずだ
ドカッ
「…わっ、何だよ!?」
細道を進んでいると、ヤマトが突然立ち止まる
その背中に顔から突っ込んでしまった
「おい、ラーズ。あれって…」
ヤマトが指をさす
その先には、巨大な人影が見えていた
セフィ姉 序章 1話 上級生の戦い




