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08 コノシュンカン スキニナル


好きなアニメグッズを漁る自分の隣できゃっきゃと可愛い黄色い声が聞こえて来る。


普段は1人でこう言った物をじっくり物色しているので何だか不思議な気分だ。


「あは! 見てこれカフェ限定のプニティグッズじゃない?」


「あ、あはは……そ、そうだねほんとだ」


「ねぇ? 楽しくないの?」


「え? そ、そんな……楽しいよ」


「そう言ってる割にアナタ全然楽しそうじゃないじゃない」


ギクッ__……


緊張している晃也のその様子がアリサへとバレてしまう。


原因はその顔色だろう。


「__うっぷ!!」


「きゃっ!! ちょっと大丈夫!? 晃也クン!!」









――__ジャァァァアアア……。



「情けない……」



女の子が隣にいながら自分の好きなアニメのグッズを漁ると言う非現実な幸福感に飲まれ緊張の絶頂に達した僕は思わず吐きそうになってしまい……そしてアリサさんに気を使われトイレに駆け込んだのであった……。


ひとしきり落ち着いた後で手と顔を洗い大きく息を吸って外で待つアリサさんの元へと帰ろうとした。


__気まずい、だがしかし今すぐ帰らないと彼女を何分も待たせることになってしまう。


よし、行こう。そう心の中で呟きトイレのドアを開け外に出た晃也。


__ガチャ……


「あれ? アリサさん? ……」


ここで待ってるから行ってきなさいと言ってくれた彼女がどこにも居ない。


あはは……そうだよなこんなめんどくさくてキモイ僕に愛想をつかして帰ってしまったんだと晃也はそう思った。


帰ろう……帰って寝て明日の為に1人勉強をしてクソみたいな暗い暗いあの日常に戻ればいいんだ、あそこが僕の居場所なんだとそんな事を思い帰ろうとした矢先、彼女の声が響く。



「おーーい!! 晃也クン ハァハァ…… みっけた、何処に行こうとしてんのよ……」


「あ、アリサさん……あれ、帰ったんじゃ……」


「はぁ?? なに言ってんのよ……アンタ、はぁ……かえるわけないでしょ? 今日はデートなんだから!!」


眩しい……こんな太陽みたいにまぶしい人に僕、焼かれそうだ。


「ほら? こうすればアンタもその気になってくれるっしょ?」


ギュッ。


「へ? なっ!!! ちょ、……あ、アリサさん??」


アリサさんが僕の手を握ってきた。

俗に言う恋人繋だどうしよう、より緊張してくる手汗と心臓のバクバクが止まらない口から心臓がとび出そうだ……割とガチで。




「ふふ、顔真っ赤ね 可愛い」


「……ぷしゅー」


そんな事を言われて僕は完全にノックアウト……アリサさん好きだ。


__と脳に刻みつけてしまった。


絶対僕が好きになってはいけない人をすきになってしまったのである__。

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