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06 デート・アリサ・アキバ


「ちょ、ちょっとー〜待ってよ、アリサさん!? アリサさん?」

アリサに引っ張られる情けない晃也。


「なによ? ほら行くわよ! 晃也クン、でーと。どこ行きたいの? 行くとこなんか何処でもいいわ、言ってみ?」

フッ軽で、コミュ強なアリサさんはそう僕に言う。


「ど、どこでも……ですか」

逆に困る……リア充経験が圧倒的に不足しているこの僕に女の子をリードする自信なんてない。


どこに行けばアリサさんを楽しませられるだろうか必死に考える。カフェか?いいやそんなとこリア充のアリサさんは行きなれてるハズだし……。


(ええい!!アリサさんは陽キャでどうせ彼氏がいてこんなマッチングアプリを使ってるビッチなリア充(※晃也の偏見))


(……だけどオタクの『onpuni』さんでもあるんだ……あそこに……あそこに連れてっちゃえ!!)


晃也は一生分の勇気を振り絞り、マッチングアプリで出会った『onpuni』である彼女。『久野アリサ』にこう提案する。

「アリサさん!! えっと、えっとその……」

アリサさんが僕の腕に触れている事を視界に入れて再確認すると鼓動の高鳴りが更に増幅し胸が痛いくらいに加速する__痛いくらいだ。


「ん? きまった?」

ニッコリ笑ってアリサさんが僕の呼び声でこちらを振り向く。

僕が逃げないように、まだ僕の腕を握っているアリサさんにこの鼓動の音が腕から伝わりアリサさんにバレないか心配になる僕。


「そ、その!! 『秋葉原』に行きませんか!! ここ東京だし……アリサさんも『プニプニティ』好きだと思うし……その、嫌だったらいいんですけど……」

モジモジしながら僕は必死に振り絞った勇気でアリサさんをヲタクの聖地である『秋葉原』にアリサを誘う。



「はー? アキバぁー!?」

アリサさんの声のトーンが1段階上がり、多いな声を出した。



「ひっ……」

やっぱりダメだったか……だよね陽キャのアリサさんはアキバになんか用無いもんな……


本当にこのアリサさんがプニプニティを好きかも分からないしね。



そう、居るのだ全国的に有名な『プニプニティ』を自分のファッションとして、本当の心で好きでは無いのに身につける輩が。


__仮に目の前のアリサさんが偽の『プニプニティ』の偽の陽キャファッションファンだと分かってしまったら僕は激しくアリサさんを軽蔑す事になる。


と、無限脳内ひとり会議を開催してしまった僕はアリサさんのリアクションに対し答えを返さなかった為アリサさんが絶賛うわの空中の僕に声をかけ続けてくれる。


……__ボーーーっ。


「おーーい」「おーい? 晃也クン?」


上の空な僕の顔の前でブンブンと手を振り続けるアリサ。


それに、僕はやっと気ずいてハッ! っと声を上げる。


「うああ、ご、ごめんなさい 色々考えてて」


「もー、何よ? テンション上がりまくってたのに無視して」


「え?」

アリサさんからテンションが上がると言う言葉が出てきたので僕は困惑する。


「ま、中野とかでも良かったけどね私は? まーでもアンタとならアキバめちゃくちゃ面白そうね!! アキバ!! 最高」


なるほど、さっきのリアクションは僕の提案が的を得すぎてて興奮のあまりアリサさんは「はー?」と言う1件地雷を踏んだかのようなリアクションをしたのか。


オタクは逆もしかりで、興奮しすぎるといい事柄でも「はー?」を多用してしまう、久野アリサ……やはり本物のオタクかも。


特に根拠の無い根拠で久野アリサをオタクかもと断定する晃也。


やっぱりこの人が、『onpuni』さんだ……


そして、目の前の陽キャ女子、アリサから逃げてばっかりだった晃也だったがアリサとのアキバデートの為に再び勇気を出しこう言った。


「アリサさん!!行こう!! アキバへ!!!」


「ふん、面白くなりそうね。ちゃんと私をリードしなさいよ? オ・タ・クくん」


「そう言うアリサさんも本当はオタクなんでしょ?」


「ふふ、バレちゃった? ナイショにしてよね? 晃也クン」


__オタク男子晃也と陽キャ女子その真反対の2人はオタクの聖地アキバへとその足を進めていく。




金曜日までに更新する予定です!!

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