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05 ゴセンエン


(何を言ってるんだ……気づいてただと?)

アリサさんが衝撃的な発言をする。



――ぼくのアプリ上でのユーザーネームである『sikasika』を認めた所アリサさんは知ってるとそう僕に告げる。


「あええ、なんで知ってるんですか!?」


「だって、アンタアプリでいってたじゃん学校名とプニプニティが好きだってそんなの、うちの大学でアンタしか居ないっしょ」


「ゲ、……ヤバ。 知ってたんですか……あれ、でも僕大学でプニティ好きなんて言ってましたっけ……」


「み、見えちゃったのよ……アンタのカバンに刺さってたプニティのプリムちゃんが」


(ひゃ、おおおお恥ずかしい…__ああ大学に行く前にアニメショップになんかよるんじゃ無かった……だが、限定版のプリムちゃんのタペストリーだったんだ悔いはない……おふぅ)


「え、ばバレてましたかやだなアリサさん。鋭いあはは」

完全に引きつった愛想笑いで僕はそう答えた。


___そしてアリサが積極的に再び口を開く。



「んで? デートはどーすンの? 『sikasika』さん?」

『Onpuni』さんである久野アリサがアプリのユーザーネームで僕の事を呼ぶ。


「あ……えっとその」

女の子からのデートという単語に緊張のあまりソワソワする僕。


「私は構わないけど? 5000円払っちゃったしアンタが相手でも別にいいわ」


ヤバい――___ヤバいヤバい。


心臓が張り裂けそうだ痛くてたまらないこんなに至近距離で女の子とスムーズに話すのは初めてかもしれないしかも僕が目の前でデートする? と誘われている女の子はあの『久野アリサ』どうする僕……心根。本心の答えは……勿論YESだ。


――しかし、深く考えるとアリサさんを前にして、場持ちするのか? どこに行くのか? どうしよう……死にそう。助けてくれヲタクの『onpuni』さん……あ、『onpuni』さんの正体はアリサさんなのか……うぅどうしよう。


「早く答えて? アンタが嫌なら私 もう、帰るけど」

オドオドして、返答を後にする僕に対してアリサさんの機嫌がどんどん悪くなりこう言う。


当然だ……こんなコミュ貧の僕とデートしたいわけないよな……僕もう、ダメだ。


__晃也の心がポキリと折れ、メンタルがダメになる。


そうすると晃也のスーパー根暗タイムが発動し、アリサを追い詰める。


「どうせ……僕といても楽しくないですよ……帰ります……アリサさんの5000円無駄にしてすいません……5000円お支払いしますので今日のところはこれで、では」

もうこれ以上この陽キャ女子と居るのは無理だと判断した晃也はアリサに5000円を手渡し逃げようとしてしまう、逃げていんだ。逃げよう。逃げるしかない逃げろ逃げろと心で呟き駅のホームへと走っていく晃也。


__そして、後ろから掛けてくるアリサが、晃也の手をバシッと掴みこう言う。


『アンタ、バカでしょ!? 何テンション下がってんの? こんな根暗のキモヲタから貰ったシワシワの5000円なんか要らないわよ』


「ご、ごめんなさい」

アリサさんの方を見れずに地面を見てアリサさんに謝る__最低だな僕。



「はぁ、これだからヲタクくんは……でもアンタさアプリ使ってでも女の子と遊びたかったんでしょ?」


「ま、まあ」


「その勇気私は認めるわ、ここまで来たならデートしちゃお!!」


「へ、」


アリサさんが僕の5000円を綺麗な彼女の顔元に掲げこう続ける。


『アンタが私に渡したこの5000円♪ これをどう使おうともう私の物よね? じゃ、コレ一緒に使うわよ ほら、行くわよ晃也クン』


「ちょ、ちょっとアリサさん!? う、うわあああ」


「せっかくなら楽しむわよー!! ごー!!」






陽キャ女子アリサに引っ張られ陰キャ男子の鹿目晃也はアリサと東京の町へデートへと繰り出した。

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