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04 マッチ


「騒がないの……聞こえるでしょ!! 近くに大学の生徒が居たらどーすんの!! ここ東京!! 大学近いの! アンタわかってる?」

アリサが晃也の口を抑え強引に力技で晃也をだまらせる。


「ふご、……ふご、ふごご」


「おーけー? 全く」


「ぷッはぁ……おっ、OKです。しずかにします……」

落ち着きを取り戻し小声になる晃也。


「んで、なんでアンタがここに居んのよ」


「ふ、ふぅ……死ぬかと思った……」

(え、まじどういうこと!? そんな……アリサさんが『onpuni』さんな訳が無いって……だって……『onpuni』さんはヲタクでアリサさんは……陽キャも陽キャしかもその頂点に君臨する大学の囲われ女子だぞ!?)



「何よその目……」

アリサさんが俺を激しく睨みつける。


「ひっ、ひいぃごめんなさい……」

僕が謝るとさらにアリサさんの機嫌が悪くなったように感じる。


__彼女の視線が痛い。


「なによ、いざ、そんなに怯えられて謝られるとこっちも傷つくんですけど」

二の腕に右手を宛てがい、怯える僕を見て少し悲しげな表情をアリサさんは浮かべる、これは……ほんとに傷ついてる?


コミュ力貧弱な僕は陽キャの頂点に立つアリサさんに怯えオーバーなリアクションを彼女へ対し取ってしまった事を自覚し、彼女を傷付けないように次へと続く言葉を頭の中で探す……が。何も出てこない。


そしてそれは言葉の形になっていない吃音となってアリサの耳へと届いてしまう。


「あ、あのえっと……こんなとき、ど。どんな言葉をかければいいのか……す、すいません」

はぁ……やってしまった。まじコミュ貧……。

こんなんじゃ一生彼女出来ないよ、青春する気ある?ねーよな。と自分で自分を責め立てる僕。


今こうして、謎にアリサさんと会話してる事自体僕には無理ゲーだ、だってあっちは会話レベルMAX僕なんかチュートリアルさえ終えてないカスレベの1、いや2ぐらいあるかな……いや、やっぱり自信ないレベル1でいいや。


動物で例えるなら……虎とネズミ……はぁ、今すぐにでも逃げ出したい。


てか、5000円払ってやっとこさ掴んだ、僕のデート相手『onpuni』さんはどこ?、ここ?


てか、これ? ……いや絶対違う……『onpuni』さんはどっかに居るはずに違いないアリサさんに会ったのは偶然で、アリサさんがバチバチのデートの格好をしてるのは相手は僕じゃなくて他にいるはず……よし、とりあえずレベル1の僕でも頑張ってアリサさんへと質問する事にした。


「え、ええとか、可愛いですねその服」

やべ!! コミュ貧発動!!! しまったああああ。


服が可愛すぎてつい……褒めてしまった。


「え? あぁ、これ? でしょ可愛いでしょお気になんだ」

やばい眩しいにも程がある。

僕なんかを前にして弾ける笑顔を向けるアリサさん。

メイドのような派手な白色の私服であるワンピースをフリフリとゆらし、僕を誘惑する(してない)


香水の匂いもこの間とは違い、更にいい匂いがした。


「フヒ……え、ええ ヤバいっす」

自然と僕の口角が上がり、ヲタク特有のキモ笑いをしながら返答をする。


「んで、アンタが本当に()()()()()アプリの『sikasika』なの?」


(あ、やべ俺のユーザーネームしってる確定だ、あ終わったこの子アリサさんが『onpuni』さんだわコレ……どしよ)


「はわ!! えっ、えっとそ、ソソソす」

スーパー慌てふためく僕、非現実的展開すぎてなんか頭がぼーっとしてくる。


「そっか……よね? 私薄々気づいてたわ!!」


「へ……」

(何言ってるんだこの女……気づいてた……だと)

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