死線&エンカウント
「あーーこれ、詰んでるわ。」
はい、絶賛囲まれ中俺です。さすがにこの状態での戦闘、逃走・・・無理!!
「ギャッ、ギャッ、ギーグゥー。」
「ギャギャー、ギュギー、ギャギャ。」
「ギャギー、グゥー、ギャギャギー。」
「何言ってるか分かんねぇんだよ。」
ま、分かった所でどうしようもないんだけど。
奴等、動けない俺に向かって突っ込んでくる。
四方八方から来る攻撃に対し、頭への攻撃のみ防御に集中。木を背にしているから、背後からの攻撃がないのが救い。それでも腕や脇腹、肩に直撃をもらちダメージが積み重なる。
蹴り飛ばし、距離を取ろうとするも対して力が入らず、奴等の態勢を崩すのがやっと。
「う、ぐぅ、かはぁ。まじぃ、頭がボーっとしてきた。意識を切らしたら死ぬ。」
奴等、俺の限界が近い事が分かってるのかニヤニヤしてやがる!
どのくらいの時間が過ぎたのか分からない。数分のような何時間もたった様な、もうよく分からなくなってきている。
そしてついに・・・
「あ・・・もう腕が上がらない?」
限界がやってきた。
「ここ、まで、かぁ。頑張った、よな、俺。」
意識が薄れていく。奴等が向かってくるのをボーっと見ている事しか出来ない。
死に際の最後に見たのは
「赤い・・・線・・・」
空中に舞う奴らの首3つ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
意識が戻ってくる。目を開けると、
「ん?天井がある?確か森の中にいたはず。」
どうやらベッドで寝ているらしく身体を起こそうとすると激痛。そのままベッドに倒れる。
「痛っっ。そういえばボコボコにされたんだ。」
痛みに耐えながら辺りを見渡すと、テーブルや椅子、ドアが見える。テーブルの上には木製のコップ等が見える。
「誰かの家にいるのか? その誰かが俺を助けてくれた?」
そんな事を呟いていたら、どこからか声が聞こえる。
『おーい。ここだよ、ここ。』
どこから聞こえるか周りを探すと、どうやらテーブルの上に置いてある俺のスマホかららしい。
死ぬほどの激痛に耐え、這いずってテーブルに向かう。
スマホを手に取り確認すると、画面には理解できないモノが映っていた。
『おーっす。おいら、悪魔。名前はまだ無い。悪い悪魔じゃないよ。』
どっかのゲームで聞いた事のあるセリフを放ち、
ぬいぐるみみたいな子犬の姿。二本足で立ち、片手を挙げてる赤い毛をした自称悪魔。
「へ?」
ゴブリンの次は悪魔とエンカウント!!