興奮がいっぱい
(……うわぁあああ。すげぇ……!)
彼は、目の前でパキパキ音を立てながら作られていく植物の駕篭に、興味津々だった。
今日、何回目だろうか。
興奮して、彼は自分のしっぽが激しく振れるのを止めることが出来ないでいた。
いきなり白い獸の姿になり、いきなり超美少女が自分をスカートの中に入れて、窒息するくらい押し当てられて、その後、意識が朦朧としている間に、彼は次に彼女のシャツの中に押し込められた。
背は小さいが、彼女のおっぱいは体の小さな彼を挟んでも制服に少々違和感がある程度ですんでいて、当然、そんなおっぱいに挟まれることになった彼の興奮は、最高潮であった。
『(……やわらかい! 良いにおい! さっきのはちょっと酸っぱいにおいもあったけど、今度のは純粋にいいにおい! 焼きたてのパン!? いや、果物みたいな……桃? みたいな! とにかく、いいにおいが一杯で……おっぱいで……! ふおおおおおおおおおおお!!)』
そんな興奮状態で十数分、ずっと彼女のシャツの中、おっぱいを押しつけられていた彼は、彼女の部屋についてシャツから出ていたとき、興奮でまたしても気を失いかけていた。
それに匹敵する興奮が、今彼の目の前で起こっているのである。
(これって、やっぱりアレだよな!)
彼は、目の前で、美しい少女が起こしている現象の名前を推察する。
(……魔法! だよな!)
それは、憧れの名前。
願望を具現化したときに、人類がつける名称。
魔法のような、とは、まさしく現実で目の前に起きると、人は興奮するものだ。
モノの数分で、完成したのだろう。
駕篭から光が消えていく。
出来た駕篭に、彼女はタオルを数枚敷くと、彼の方を向いた。
「……ほら、出来たわよ。簡単に作ったから質素だけど、アンタには十分でしょう」
そう言いながら、彼女はヒョイと彼の体を持ち上げて、上から彼を駕篭の中に入れる。
(……うわぁ)
簡単に、といったが、彼はその駕篭が簡単なモノだと思えなかった。
しっかりと編み込まれた木々は、それが美術品のような模様を描いていて、まるでモダンなログハウスにいるような気分にさえなる。
内側には一カ所だけ、お皿のようになっている部分があり、そこにタオルが敷かれている。
ここが、ベッドなのだろう。
彼はトコトコと歩いて、ふんふんとベッドに敷かれたタオルのにおいを嗅ぐ。
いいにおいのする彼女が用意したモノだ。
当然。彼女のにおいがする。
(……マジか。ここで寝るの?)
興奮して眠れなさそうだと思いながら、そっと彼はベッドの上で丸くなってみる。
(……うわぁ、柔らかい。すっげぇ良い生地。ふっかふかだぁ)
思わず、彼は目を閉じる。
気持ちよすぎる。
彼は、感動していた。
美術品のような駕篭に。
柔らかくて良いにおいのするベッドに。
そして、なによりも。
(……やっぱり、この子は)
ちらりと、彼は閉じていた目を開けると、こちらをじっと見ていた彼女と目があった。
「……気に入ったようね」
なぜか、ちょっとだけ気まずそうにしていた彼女は、コホンと咳払いをすると、腕を組んだ。
「……さてと。じゃあお風呂に入りましょうか」
(……お風呂!?)
彼女の言った言葉に、彼は耳をピンっと動かす。
(……お風呂……だと……!?ということは、こんな可愛い美少女の湯上がり姿を見られる……のか? パジャマ姿も? いや、もしかしたら下着姿でうろついている姿まで……!!)
脳内で彼女の色々な姿を想像してしまい、彼は頭を押さえた。
もう、何かが爆発してしまいそうである。
(お、落ち着け。自分は今、犬なんだ……犬か知らないけど、たぶん似たような生き物だ。それに、この子はたぶんまだせいぜい中学生くらい……そんな子に興奮してどうするんだ! 俺は元々巨胸好きだろ!? めちゃくちゃ可愛くて美少女だけど。それに、湯上がりの姿を見ただけで……)
なんて脳内で様々な自己答弁を彼がしていると、ひょいっと彼の体が持ち上げられた。
「……はぅ?」
一瞬、何が起きたかわからずに、彼は首を傾げる。
「……ほら、行くわよ。アンタも鼻血出したんだんだから、一緒に洗ってあげる」
(……えぇえええええええええ!?)
彼は、今日一番の悲鳴を脳内で上げた。
「服を脱ぐからアンタはそこで大人しくしていなさい」
彼女はそういうと、彼を床に下ろす。
鏡があり、衣服を入れるタンスがあり、洗濯機があり、明らかにここが脱衣所であるとわかる部屋に。
(はわっ! はわ! はわわわわ!?)
大人しくしていなさい。
と言われた彼は、きっちりお座りをしてその場で固まった。
なぜなら、目の前で美少女がその身にまとった衣服を脱いでいくからだ。
スカートを下ろし、シャツを脱ぎ……
徐々に露わになっていく彼女の肢体に、彼は思考を放棄する。
(うひゃぁあああああああああああああああ!?)
「……本当に大人しくしていたわね」
完全に裸になった彼女が、ひょいと彼を持ち上げる。
(あ、あうぅううううう)
目は開いているが、彼は彼女の裸をほとんどみていなかった。
いや、瞳に映ってはいるのだが、脳内でそれを処理出来ていない。
彼の脳内で彼女の裸を処理するには、彼女の体は美しすぎたのだ。
「……そういえば、この子、犬っぽいけど、犬は水が苦手じゃなかったけ?」
なんて彼女の言葉も、彼の耳には入っていない。
「……うーん」
少しだけ思案した彼女は、置いていた洗面器を手に取ると、ザパリとその中に風呂釜のお湯を入れる。
「……これくらいなら溺れないでしょう。ほら、少しここで大人しくしていなさい」
そういって、彼女は彼を洗面器の中にそっと入れる。
まだ、彼女の裸を見て放心していた彼は、そのまま、そっと洗面器に沈んでいった……
「って、こら! 泳ぎなさい! というか沈むほど深くないでしょう? なんで沈んでいるのよ!!」
(……はっ!?)
大人しく沈んでいく彼を見て、彼女は慌てて彼を引き上げた。
それにつられて、彼も目を覚ます。
いや、目は覚めていたのだが、彼女の美しい裸を見て放心していた状態から覚めた。
(……えっと、体が濡れている? そっか、お風呂に入ろうとしていたんだから……がっ!?)
覚めた、が、彼はまたしても思考を停止していた。
彼を引き上げた彼女のおっぱいが、目の前にあったからだ。
(……白い!? ピンク!? つやつやのテカテカのプルプルで……!?? ああああああああああ!?)
「え? あ、ちょっと!……んもう! お風呂も入れないなんて!」
完全に意識を失った彼を、彼女は寝床に寝かしにいくのだった。
おしゃかしゃままと申します!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
おもしろいなぁ(*^ω^*)
続きが読みたいよ(。・ω・。)
と少しでも思っていただけたらうれしいです!
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さらにうれしさUPですよ.゜+.(´∀`*).+゜.
え? すでにしている!?
やだ……ステキ(*´ω`*)