白き獣の転生者
(……な、なんだ?)
彼は、まばゆい光の中、落ちていた意識を取り戻していく。
(えっと、確か、俺は……)
自分がなんでこんな状況になったのか。ゆっくりとだが思い出してきた。
(確か、21連勤中で、飯(厳選したコンビニスイーツ)を食べながら最高に『尊い』漫画を読んでいたんだよな。それで、『尊い』画像フォルダーに保存していた画像たちで作者様を賞賛しようとして……)
倒れた。
そこまで思い出して、彼は慌てて体を起こす。
(……寝ている場合じゃない! 出勤まで4時間しかないんだ! 急いで画像フォルダーの画像たちを使い、あの『尊さ』を皆に伝えなくては!!)
立ち上がり、パソコンに向かおうとして、彼は自分の体の異常に、そして周りの異常に気付く。
(……ん? あれ? なんか……小さい? いや、小さいっていうか動きにくいっていうか……それに、どこだ、ここ?)
どうやら、周りは遺跡のような、石造りの部屋になっている。
床にはなにやら文字が書いてあるし、それに何より、頭上には何か浮いている。
(なんだ、これ? なんか儀式でもやっていたのか? 厳かな雰囲気というか、神秘的というか……いやいや、落ち着け、俺。もう一度よく見ろ、こんな場所に起きたらいるなんておかしいだろ)
そう思い、彼は目をこする。
(よし、これで……あれ、なんか俺の腕、もふもふしている。確かシャツを着たままだったよな? なんでこんなに)
彼は、自分の腕をみた。
見て、そして固まる。
なぜなら、それは腕、というか、それは足だったからだ。
白い、やや銀色のような毛の生えた足。
手のひらには、かわいらしいぷよぷよとした、肉球。
(……へ? どういうこと? え、なんで俺の腕、こんな犬みたいになっているの? え?)
なんで、と彼は言おうとした。
だが、出た言葉は違った。
「……ぽふ」
と、それは紛れもなく、人ではない動物の声。
(……お、おれ動物になっているの? どうして? なんで? どういうこと?)
キョロキョロと、彼は自分の体を見てみる。
しかし、見えるのは白っぽい体毛に、それに覆われた足、おなか、そして、ぽふぽふとしたしっぽだけ。
自分の体が動物である、という情報しか得ることができない。
「……ぽふん」
彼は、その場でぺたりと地に伏せた。
自分の体が動物に変わっていたのだ。
困惑で、理解が追いつかない。
「……ぽふ(ど、どうしよう、これ)」
もう、何がなにやら分からない。
「……ふぁう(うそだろ)」
「……うそでしょう?」
と、彼が自身の困惑を一言で表した時だ。
同じような困惑が聞こえてきた。
(……誰かいるのか?)
彼は、声が聞こえた方をみる。
(……っ!?)
そして、息をのんだ。
そこにいたのは、とてつもない美少女だったからだ。
長く艶やか黒色の髪を、ゆるく二つにまとめている。金色に輝く目や鼻筋は通っていて、肌が磨かれた陶器のようにツヤツヤとしてる。
少し気の強そうな顔が、今は困ったような顔をしているが、それでも彼女の美しさを誤魔化せるモノではない。
(……学生服? 中学生……いや、小学生くらいかな?)
彼女があまりに整った造形をしているため、年齢の判別が非常に難しいのだが、肌の艶や着ている服が学生服のようなデザインのため、まだ10代の学生だろうと彼は思う。
ただ、とにかく。
10代の学生だろうと彼が彼女に思うことは一つ。
(……美しい)
それだけだった。
そんな彼女が彼を見つめながら、ふらふらと歩いてくる。
今にも倒れそうなほどに、弱々しく。
「ぽ、ぽふ?(だいじょうぶか?)」
思わず、シャキと体を起こしてお座りの状態になった彼は、でもどうしていいかわからずにその場で待機する。
そして、すぐに彼女は彼の前にやってきた。
ただ立ったまま、彼の事をじっと見つめてる。
「……ぽふう」
(……うぅ。こんなに綺麗な子に見つめられると、ちょっと照れる)
彼は恥ずかしくなって彼女から目をそらした。
すると、ふぅ……っと彼女は、艶めかしいほどに何か感情がこもった息をはく。
そして、すっとしゃがみ込み、彼の体に手を当てた。
今の彼の体は、彼女が両手でおおえるほどに、小さい。
しゃがんだまま、簡単に彼を持ち上げて、彼女は目をじっと見つめる。
「……ねぇ、アナタが私のファミモン?」
「……ぽふぅ?(ファミモン? 何だっけ、それ?)」
さすがに体を持ち上げられると、彼も彼女を見ない訳にはいかない。
恐ろしいまでに整った彼女の顔が困惑しているのを見ながら、しかしどこか聞いたことがあるような彼女の質問の答えを思い出せず、彼は首を傾げる。
そんな彼を見て、彼女は困ったようにまた息を吐く。
「……ここに別の生き物が現れるわけないし、やっぱりこの子が私のファミモンよね。でも困ったな。私がこんな子を召喚したって分かったら……」
そういって、彼女が持ち上げた彼を下ろそうとした、そのときだ。
「大丈夫ですか? 儀式は終わったようですけど……」
カチャリと彼女の後方から扉が開く音がした。
「……うぇっ!?」
扉を開いたと思われる女性の声を聞いて、少女が飛び上がるように体をビクッとさせる。
「え、あ……もう!」
そして、美しい少女は辺りをキョロキョロと見回したあと、彼の事をキッと睨みつけた。
「……ぽふぅ?」
なんだろうかと彼が首を傾げると同時に、彼女は自分のスカートをめくり上げた。
バサッとひるがえったスカートから見えるのは、光沢のある空のような色の下着。
おパンツ。
(……へ?)
パンツさえも、彼女の容姿のように美しく、その絶景に彼は唖然とする。
だが、さらに驚愕の事態が彼を襲う。
「……ぱぅう!?」
なんと、スカートをひるがえした彼女が、そのままスカートの中に彼を押し込んだのだ。
(え……なに、……え? うわっ! うわわ!?)
ふとももの上に乗せられ、彼の鼻が、しっかりと彼女のパンツに押し当てられる。
突然の出来事にもがこうとするが、体はスカートごしに彼女に押さえられてしまう。
(や、やわらかい! 上も、下も! ふとももも! 手も! なにこれ!? なにこれ! て、いうか鼻! 鼻! すっごい気持ちいいのが当たっているんだけど! なにこれ!?)
「…………!!」
彼女が何かを言っているが、彼は困惑し、さらにスカートごしに押さえつけられているため、彼女が何を言っているのか分からない。
ただ、息苦しい。
口は完全に押さえられている。
彼は本能的に鼻で息を吸った。
彼女の美しいパンツごしに。
(……ふぉおおおお!? なにこれ!! 甘い匂いが! 甘い匂いが!? それに、なにかちょっと酸っぱい感じも……はぁああああああああああ!!??)
彼はもう、完全にパニックである。
思考はまともに動かない。
だから、体の反応がもろに出るようになってしまった。
獸の体の反応だ。
鼻での呼吸は荒くなり、そしてもふもふとしたしっぽがふりふりと動く。
「……ひゃん!?」
彼のしっぽが彼女の太股をなぞり、ビクリと彼女がその身をふるわせたが、彼はそれに気付かなかった。
いや、気付けなかった。
(……死ぬ! 柔らかくて良いにおいで……気持ちよくて死んでしまうっ!!)
それどころではなかったからだ。
窒息と興奮で、彼の命は尽きようとしていた。
「…………!」
「…………」
それから、数分後。
かちゃりと扉を閉める音が部屋に響く。
「……ふぅ。もうっ! 暴れちゃダメじゃない!」
そんなことを言いながら、彼女は、自分の衣服の中に隠した彼を持ち上げる。
「……え? ちょっと! 大丈夫!?」
彼は、完全に気を失っていた。
おしゃかしゃままと申します!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
おもしろいなぁ(*^ω^*)
続きが読みたいよ(。・ω・。)
と少しでも思っていただけたらうれしいです!
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え? すでにしている!?
やだ……ステキ(*´ω`*)




