陣狸の幼子 ポン君
ファミリア・モンスター
それは、十年以上前(彼の世界の、彼の人生における認識である)に一世を風靡したモンスター育成RPGだ。
そのRPGゲームのキャラクターに転生していることを彼ことポンが知ったのは昨日、クラムが図書室に行っているときに、お風呂場で見つけた鏡で自分の姿を見たときだった。
白いモフモフとした体。
モチモチと伸びる皮膚。
目つきが悪くてちょっとマヌケな顔。
そして、ポンポンと鳴るおなか。
どれもが、彼の記憶にあるファミリア・モンスターで最強の一体に選出される激レアモンスターを示していた。
(まぁ、最強の一体。激レアの一体といってもだ)
彼は、鑑定で判明した彼のステータスを見ているクラムとモナに目を向ける。
驚きで固まった目をしていたが、内容を吟味していくごとに、その目は落胆の色に変わっていく。
「こ、これは」
「その……そうね」
二人は、彼のステータスから目をそらしながら言った。
「よ、弱い……」
-------------------------------------------------------
白く弱い陣狸の幼子 ポン君のステータス
ランク☆☆☆☆☆
HP G
MP G
力 G
かしこさ G
素早さ G
-------------------------------------------------------
(まぁ、そうだろうな)
二人の反応に、彼は特に驚きを感じていなかった。
ファミリア・モンスターというゲームは
ガチャで育成するキャラクターを引き当てるという点については、通常のソーシャルゲームと一緒である。
(ただ、一部のファミモン……特に、最強クラスのファミモンは完璧に育てないと強くならない。それこそ、『白く弱い陣狸の幼子 ポン君』は、ファミリア・モンスターで最強の一体だ。でも、それは完璧に最終進化まで育てた時だけ。初心者おすすめリセマラランキングでは、圏外になるからな。だって、初期状態はめちゃくちゃ弱いし)
「ステータスの値が全部G評価? Gってあるんですか? Fは見たことがあるんですけど」
「たまに……体が弱い子で、苦手な内容がG評価のときもありますけど……全部がGは、ちょっと……」
二人とも、しばらく黙る。
「えっと、そうだ。そういえば、ファミモンは進化するんですよね? 進化すればなんとか……」
「……そうですね。それに賭けるしか……よく見ると、レア度は最高クラスだし」
「レア度は高いんですか?」
「はい。今いる生徒で☆が5つ以上のファミモンを使役しているのは、全学年でも5人もいないはず」
また沈黙が続くと、モナが急に頬をぺちぺちと叩き出した。
「……先生?」
「ダメですね。先生がこんなんじゃ。この子を育てるの、あきらめそうになっていた」
モナはすくりと立ち上がる。
「いきましょう。クラムちゃん。大丈夫です。先生は先生になった以上、かならずこの子を立派な強いファミモンにしてみせます」
「そこは、最強のファミモンとかじゃないんですね」
くすりと笑いながらクラムも立ち上がる。
「そ、それは……」
「いえ、いいんです。私としては……そうですね。一緒に魔物退治が出来るくらいに強くなってくれたら、それでいいですから。」
クラムは優しくポンを抱き抱える。
「……ね?」
ふふふと、クラムは笑う。
クラムの笑顔に、自然とポンのしっぽもふりふりと揺れた。
「ぽふっ」
「良いお返事。それで、これからどこへ行くんです?」
「訓練所です。今は休暇中で誰も使用していませんからね」
モナの返答に、心配になったのはポンだ。
(訓練所、ねぇ。大丈夫かな? 『ポン君』の育成は……マジで難しいぞ? 鑑定で表示されていなかった二つの項目。アレを知らないと……知っている俺だって、ポン君は数回殺しているからな)
そんな彼の心配をよそに、クラムとモナの二人は、意気揚々と訓練所に向かうのだった。
おしゃかしゃままと申します!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
おもしろいなぁ(*^ω^*)
続きが読みたいよ(。・ω・。)
と少しでも思っていただけたらうれしいです!
ブックマークと「☆☆☆☆☆」で応援してくれると、
さらにうれしさUPですよ.゜+.(´∀`*).+゜.
え? すでにしている!?
やだ……ステキ(*´ω`*)




