EP.35
ある晴れた日。涼太は、開店準備を進めていた。
「やぁ」
そこにいたのは、ツナグだった。
「どうしてここに……? 君は君の世界に戻ったんじゃ……」
涼太は、戸惑いの声を上げる。
「また飲みたくなったんだよ。君が作るレモネードを」
ツナグはそう言うと、カウンター席にちょこんと座った。
そして、嬉しそうに涼太を見つめた。
「あの時君が作ったレモネードは、本当に美味しかった。だから、また飲みたくなったんだ。君が夢を実現したことも嬉しい」
ツナグは、にこりと笑った。
ツナグの言葉に、涼太は慌てて言葉を返した。
「君のおかげで、僕は自分のやりたいことを進める決意ができたよ。そして、現実世界で叶奈さんや悟さんとも出会えた。本当にありがとう」
涼太の言葉に、ツナグは満面の笑みを浮かべた。
「叶奈と悟に会ったんだね! 二人は元気そうにしていた? 僕もまた会いたいよ。みんなで、また集まりたいねぇ……」
ツナグは遠くを見つめながら、微笑む。
「そうだね。彼らも元気にしているよ。定期的に彼らと会うつもりだから、ツナグたちもおいで」
涼太の言葉に、ツナグは大きく目を見開く。
「いいのかい?」
涼太は、微笑む。
「もちろん! 君たちとは、また会いたいと思っていたし、こっちの世界の三人でもまた会いたいと話をしていたんだ」
ツナグは、また大きく目を見開くと、嬉しそうに笑った。
「君たちに出会えて、本当に良かった。僕とまた会いたいと思ってくれる人が、林太郎や剛さん以外にもいてくれて良かった。ありがとう」
うっすら涙を浮かべるツナグに、涼太はレモネードの入ったグラスを差し出した。
「さ、レモネードだよ。氷で薄まらないうちにどうぞ」
「ありがとう。いただきます」
ツナグは、涙を引っ込めて、にこりと笑みを浮かべると、ストローに口をつけた。
「うん! やっぱりとっても美味しい! この味が恋しかったんだ」
ツナグの言葉に、涼太は嬉しそうに微笑んだ。
そして、カウンターテーブルに陳列しているケーキを勧めた。
「ケーキも食べる? 今あるのは、木の実のタルトと、ベリーのタルト、後はミルクレープとショートケーキ。ケーキ屋さんのケーキだから、本当に美味しいよ」
涼太の言葉に、ツナグは目を輝かせた。
「ケーキ! 僕はケーキが大好き! どれがいいかなぁ……。どれも本当においしそうだねぇ……。あ、でも、普段はキャロットケーキや、木の実やベリーのケーキが多いから、ミルクレープにしようかなぁ……」
ツナグの言葉に、涼太は皿を準備しながら声をかける。
「このミルクレープは絶品だよ。甘すぎず、でもほんのり甘くて柔らかい。オススメの一つだよ」
「じゃあそれで!」
「わかった」
ミルクレープとフォークを皿に載せると、ツナグの前に置いた。
「召し上がれ」
ツナグは目を輝かせながら、そっとケーキフィルムを剥がした。
そして、そっとフォークで、ミルクレープを切った。ほんのり弾力がありつつも、スッとフォークは入っていった。
そのフォークで、切ったケーキを刺して、そっと口に運んだツナグは、左前足を左頬にピッタリと当てて、おいしさを表現した。
「美味しい。とっても美味しい。これがミルクレープというケーキなんだね。ほんのり甘くて、ふわふわしてて。でもちょっぴり弾力もあって。すごく美味しい。涼太、本当にありがとう」
「どういたしまして」
ツナグは、ケーキを満喫しながら、今の林太郎と剛との生活の話や、時折やってくるルイについての話をした。
みんなが元気にしていること、昨晩カレーを食べたことを。
「奇遇だね。僕たちも、昨晩カレーを食べたんだ」
「そうなのかい? やっぱり縁が深くなると、そういうことが起こるんだなぁ……」
涼太の言葉に、ツナグは感慨深げに言葉を溢した。
そして、残っていたレモネードを飲み干した。
「さて! 僕はそろそろ行かなくちゃ! 涼太、今日は美味しいレモネードとケーキをごちそうさま! 本当に美味しかったよ」
「それは良かった。良かったら、またみんなとおいで」
「もちろん! またくるよ! またね!」
ツナグはそう言うと、足早に扉を開けて去って行った。
外から、ほんのり雑踏の音が聞こえ始めた。
いつも読んでいただき、ありがとうございます(^ω^)
さて、ツナグが涼太のお店にやってきましたヽ(´ー`)ノ
レモネードもミルクレープも美味しいですよねぇ(´ω`)
私の好きなケーキの上位にミルクレープがあります(^ω^)
まぁ、そんな情報はさて置き、ツナグと涼太のこの再会は、どんな物語を呼ぶのでしょうか(^ω^三^ω^)
続きも、ぜひお楽しみいただければ幸いです(^ω^)




