EP.31
悟が、唐突に言葉を発した。
「さて、そろそろ私は、お暇しようと思います」
カシスオレンジを思わせた空の色は、漆黒に少しばかりダイヤを散りばめたような空に変わっている。
「すみません! 長居してしまって! もうこんな時間なんですね!」
時間は、午後六時過ぎ。外は、晩ごはんを外食で済ませる人たちで賑わっている。
涼太は、そんな2人に提案した。
「良ければ、晩ごはんを食べて帰りませんか? 良ければ、お作りします」
そんな提案に、悟と叶奈は顔を見合わせた。
「ご迷惑ではありませんか?」
悟が問う。叶奈も、それは申し訳ない気がするというのが表情に出ている。
そんな二人に対して、涼太は明るい声で答えた。
「せっかくなので、もう少しお話したくて」
涼太の言葉に、叶奈と悟は顔を見合わせてから、笑顔で頷いた。
「良ければぜひ」
悟がそう言うと、叶奈も笑顔で言葉を発した。
「私も、もう少しお話したいです」
二人の言葉に、涼太はにっこりと笑った。
「じゃあ、決まりですね。晩ごはん、何が食べたいですか?」
涼太の言葉に、叶奈が答える。
「カレーが食べたいです」
その言葉を聞いた悟は、大きく頷いた。
「いいですね。私もカレーが食べたいです」
二人の返事に、涼太は大きく頷いた。
「では、カレーにしましょう! 甘口と中辛と辛口のどれがいいですか?」
涼太がそう言うと、悟が申し訳なさそうな顔になった。
「すみません。私は辛いのがあまり得意ではなくて……。甘口でもよろしいでしょうか?」
悟のその言葉に、叶奈はにっこり笑った。
「奇遇ですね。私も甘口派です」
叶奈の言葉に、涼太もにっこり笑った。
「では、甘口にしましょう。ご飯は、炊いてあるのがあるので、それを使いますね」
涼太はそう言うと、棚から鍋を取り出した。
次に人参、ジャガイモ、玉ねぎ、茄子を用意する。
「茄子を入れるんですか?」
叶奈が不思議そうな声を出す。
叶奈の言葉に涼太は大きく頷くと、野菜を水道水で軽く洗いながらにこやかに答えた。
「茄子、カレーに入れると美味しいんですよ。ちなみに、シーチキンを入れても、おいしかったりします」
涼太の言葉に、悟がニコニコしながら、大きく頷く。
「茄子もシーチキンもいいですよね。私がシーチキンを使う時は、野菜を鍋で軽く炒める際に、シーチキンの油を少し入れて炒めてます」
「僕もそうしてます! 美味しいですよね!」
そんな二人の会話についていけず、叶奈は二人の顔を交互に見る。
叶奈は、自炊自体はするものの、カレーの具材に茄子やシーチキンを入れたことがなかった。
そんな様子の叶奈を見て、悟が微笑む。
「叶奈さんも、ぜひ試してみてください。美味しいですよ」
「僕もおすすめします。良ければぜひ」
二人の言葉に、叶奈は大きく頷いて、ニコッと笑った。
「はい! 今度試してみます!」
そんな会話をしながら、涼太はささっと野菜を切ると、鍋で野菜を炒め、その中に豚肉のこま切れを入れた。
その後、さらに少し炒めてから、鍋に水を入れた。
そこに、市販のコンソメを入れて、野菜と肉が柔らかくなるまで煮る。
「さて、そろそろルーを入れましょうか」
涼太はそう言って、市販の固形のルーを手で大まかに割って、鍋に入れた。
ルーが溶けると、カレーの良い香りが店内に広がり始めた。
「良い匂い」
「そうですねぇ、良い匂いです」
叶奈の言葉に、悟も同意する。
「あともう少し煮たら、完成です」
涼太は、そう言ってにっこり笑った。
カレーを煮込む間に、涼太は手際よく平皿とスプーンを用意し、新しくグラスを用意して水を注いだ。
「水、グラスごと変えますね」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
涼太の言葉に悟がお礼を伝え、叶奈も悟の言葉に続いて、お礼を伝えた。
グラスの準備を終え、少し談笑した頃合いでカレーが完成し、涼太はそそくさと器にご飯とカレーを盛った。
てきぱきとテーブルにカレーが盛られた器を並べると、涼太はにっこりと笑った。
「お待たせしました! 完成です! どうぞお召し上がりください!」
涼太はそう言って椅子に座ると、手を合わせた。
叶奈と悟も、続けて手を合わせる。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきます」
涼太の言葉に続いて叶奈と悟も言葉を発すると、スプーンを手に取り、それぞれにさっそくカレーを口に運んだ。
「んー! おいしい!」
叶奈はそう言って、顔を綻ばせる。
「これはおいしいですね」
悟も、少し目を見開きながら、もう一口カレーを口に運んだ。
「お口に合ってよかったです」
涼太は照れ臭そうにそう言うと、自身もスプーンを手に取り、カレーを口に運んだ。
各々口にカレーを運びながら、和やかに談笑を続ける。
夜は、穏やかに三人を包み込み、それでいて月と星が三人を柔らかく照らした。
ゆっくりと時間は過ぎていく。まるで三人の談笑に聞き耳を立てているかのように。
ここまでご覧いただきありがとうございました(^ω^)
カレーについて、叶奈と悟は甘口派のようです( 'ω')
ちなみに、私は中辛派です( 'ω')
カレーって美味しいですよね(^ω^)
カレーにシーチキンを入れるというお話は、私の祖母のカレーの作り方からきています( ´∀`)
祖母がお肉を食べられなかったので、祖母がカレーを作る時は、いつもシーチキン入りのカレーでした(*uωu*)
たまに卵も散らしてあったりして、私はそのシーチキン入りのカレーを食べるのが楽しみでした(^ω^)
さて、心穏やかな夜を過ごした三人はこれからどうなるのでしょうか?
ぜひ続きもお楽しみください(^ω^)
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