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星降る夜にひとときの願いを  作者: 黒田真由


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EP.23

 ツナグは満月を見上げる。


「ねぇ、月が綺麗だよ」


 ツナグの言葉に、林太郎が窓から顔を出す。


「ほんとだ。綺麗な満月だね。そう言えば知っているかい? アイラブユーを『月が綺麗ですね』と訳した小説家がいたことを」


 ツナグが林太郎の言葉に反応する前に、剛が言葉を返す。


「有名な小説家だな。俺も、彼の作品は読んだ。あの発想、文章は、さすがとしか言いようがない」


 剛の言葉に、林太郎が頷く。ツナグは、そんな二人を目を細めて、にこにこしながら見つめていた。


「どうしたんだい? ツナグ」


 林太郎の言葉に、ツナグはにこにこしながら答えた。


「いやね、君たちが仲良くしてくれるのが嬉しいんだ」


 ツナグの言葉に、剛が反応する。


「別に、仲が良いわけじゃない。仕方なく一緒にいるだけだ」

「おや、仲良くしてると思ったのは、僕だけなのかい? 残念だなぁ。せっかく輪廻転生の流れに乗るまでの仲間を見つけたと思ったんだけどなぁ」


 林太郎が、子どものように頬を膨らませる。

 剛は、見て見ぬふりをした。


「ふふ、やっぱり仲良しさんだね」

「どこがだよ!」


 剛が反論する中、ツナグがにこにこと二人を見つめる。

 穏やかに時間が流れる。


「さて、そろそろ眠ろうか」


 時計は、夜の十一時を指していた。ツナグが、大きな欠伸をする。


「良い欠伸だな」


 林太郎が、ツナグの欠伸を優しく見つめる。


「じゃあ、俺はこれで」


 剛が、部屋の扉に手を伸ばす。

 ツナグが、少し大きな声で剛に言葉をかけた。


「剛さん! おやすみなさい。ゆっくり休んでね。また明日ね」


 ツナグの言葉に、大きく目を見開く剛。林太郎は、人を慈しむような目で、剛を見つめる。

 慣れない感覚が剛を襲う。どういった言葉を返せば良いのかわからない剛は、ふいっと顔を背けて、部屋を後にした。


「剛さんは、なかなか笑顔を見せてくれないね」


 ツナグが、寂しそうに言葉を吐く。


「仕方ないさ。きっとそれだけ辛い思いをしてきたんだろう」

「どうすれば、剛さんは笑ってくれるかな?」

「そうだねぇ……。ツナグが、今のままでいたら、きっと笑顔になってくれると思うよ」


 林太郎は、ツナグに優しく話しかける。

 ツナグは、大きな欠伸をもう一つしてから、ニコッと笑った。


「そっか。じゃあ、僕は今まで通りいつもと変わらない生活をするよ」

「うん、それが良い。さ、三つ目の欠伸が出ないうちに眠ろうか」


 林太郎が、そっとツナグの背中に手を添える。


「そうだね。ねぇ、林太郎」

「なんだい?」

「今日は、一緒に寝ても良いかい?」


 林太郎は、一瞬目を見開くと、すぐに目を細めて微笑んだ。


「もちろんさ。今宵は、久々に一緒に眠ろうか。聞きたい子守唄はあるかい?」


 林太郎の言葉に嬉しそうに頷くと、ツナグは目を擦りながら返事をした。


「ねんねんころりよって歌ってた歌が聞きたいな」

「わかった」


 林太郎が優しく返事をしながら、ツナグを布団に導く。

 ツナグは、寝ぼけ眼でブーツを脱ぐと、するりと布団に潜り込んだ。


「今日も良い日だった。早くみんなが幸せな道に進めると良いなぁ……」

「そうだな……。ほら、もうおやすみ。ねーんねーん、ころーりーよー。おこーろーりーよー。ぼーやーはぁ、よいーこーだー、ねんーねーしーなー」


 林太郎が、そっと子守唄を歌い出す。


「あぁ、林太郎の歌声は、心地が良いなぁ……。おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」


 ツナグは、そっと目を閉じると、すぐにすーすーと寝息を立て始めた。

 林太郎は微笑みながら、ツナグの背中をトントンと子守唄のリズムに合わせて優しく叩き続けた。ツナグが、楽しい夢を見始めたであろう頃まで。

 満月の灯りは、ほんのり部屋を照らしつつ、夜を繋いでいった。

ここまで読んでいただきありがとうございます(^ω^)

ツナグは、本当にかわいいですよね(*´ω`*)

いい夢を見てほしいものです(*´ω`*)

引き続きお楽しみいただけると幸いです(*uωu*)

感想、評価等いただけると嬉しいです(*´ω`*)

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