夢の始まりへ
一通り説明すると立ち上がり4人に話しかける。
「それじゃ、俺はもう起動してくるからな……!三人に説明頼むぜ、楓ちゃんっ!まっ、そんなに複雑じゃないから安心しろよ……」
そこからカッコつけた声で最後に言葉を送る。
「待ってるぜ……仮想空間で……あっ、ちなみにソフトはゲーム機にダウンロードしてあるから初期設定さえ終わらせればすぐ遊べるぜ〜」
そう言い残すと部屋の扉を開け部屋をあとにする。
しかし、楓は一つの違和感を覚える。
とはいえ、あまりこの場に関係ないことではあるが。
「もしかして……僕……勘違い……されてる?」
楓が静かに呟くと周りも反応する。
あまり接点がないのか分からないが大樹は楓の性別を間違っているようにも見える。
「かもね、楓は顔も声もかわいいから……!」
蓮が何気なく楓を褒める、当然ながらお世辞ではなく自然に褒め言葉が出る。
「えっー……蓮くんの方がかわいいと……思うけどな……髪長くして……より……可愛くなってるし……」
楓がすぐ言葉を返す、特に何の裏もなく蓮を褒め返す。
するとどうだろうか、蓮が露骨に動揺し始める。
「えっ……えっ……かわ……えっ……ぼ、僕が……い、いやそんな……言い過ぎだよぉ……」
何気ない褒め言葉なのだが彼にとってはそうではないようだ。
言葉がたどたどしくなり顔を赤くする。
そして、思わず顔を手で覆ってしまう。
「へ、変なこと言った……?ごめん!普通に褒めたつもり!」
楓が慌てて早口で謝る、その様子を見ていた陽花がどういうわけか笑顔になる。
陽花の行動を疑問に思った翔汰が質問を試みる。
「なんであんな反応するんだ?」
そう言うと陽花は口になる手を近づくシッーというジェスチャーを作るとウィンクしながら回答する。
「ひみつっ!」
「うーん、そう言われると気になるなぁ……!」
翔汰が反応に興味を示す、この会話をした直後、こっそり会話を聞いていた蓮が翔汰を視線で牽制していく、そしてただひたすらじっーと翔汰を睨む。
翔汰は無言で頷くしかなかった、どうやら触れられたくない話題のようだ。
「じゃあ、早速説明するよ……!」
三人を見ながら説明を始める。
聞き取りやすい声で順序を一つずつ丁寧に説明していく。
特に機械に弱く苦戦している翔汰には楓がしっかりアドバイスしていた。
そして楓の活躍もあり、特にトラブルもなく無事に終わった。
「ありがとう、すごくわかりやすかったよ!」
「悪ぃな、色々手伝わせて……! おかげでなんとかなった!」
「カエデくんのかわいさのおかけで上手く行っちゃった!」
三人に褒め言葉や感謝の言葉を送る。
一人褒め言葉のベクトルが違う気もするがそこは気にせず進む。
「えへへ……みんなの……役に……立てた?」
楓は照れながら恥ずかしそうにそれでも嬉しそうに喋る。
誰かの役に立てた、その喜びで思わず跳ね上がりそうだ、しかし、そんな気分は堪え説明を続ける。
「それじゃ……僕らは一旦家に帰ろう……充電とかしなくちゃ……ならないし……結構時間使うから家に帰る時間なくなるかも……二人は……大丈夫?」
楓が言うと二人が名残惜しそうな顔をする。
自分より他人を気遣う所に彼の優しさが出ている。
楓の言うことに納得した3人は三人はそれぞれの家に帰る事になった。
「……そうだ、ゲーム内では駅に出るはずだからそこから練くんの家に行くような感じで行けばいいかも……」
最後に一言付け加え荷物をまとめる。
彼は既に持っているのでVRを持って変える必要はない。
「それじゃあ、またっ!」
陽花が挨拶の先陣を切ると3人でタイミングを合わせ声を出す。
「仮想空間で!」
三人がうまくタイミングを合わせ一斉に声を合わせると部屋をあとにした。
(さてと、起動しますか……!)
三人が帰ると自分のベットに転がりVRヘッドをつける。
説明を受けていただけあってスムーズに装着できた。
(あとは……レバーを引けば……)
迷わず人差し指でレバーを動かすと、遂にゲームが起動した。
起動した瞬間に心の意識が遠くに向かうのを感じる。
短い起動時間をすごすと、ホーム画面にたどり着く。
(どんなことが待っているのか……楽しみだ!)
ホーム画面にたどり着くと、様々なツールとDream World Onlineと表示された画面が映る。
もちろん、Dream World Onlineをすぐに選択する。
選択した瞬間、意識がVR機器に吸い込まれるような感覚に会う。
今までの人生で味わった事がないような感覚だ。
その新鮮な気持ちをただひたすら噛み締めている。
(もう一度……夢を見るんだ!)
名前 紅咲 大樹
身長 181cm
血液型 AB型
誕生日 6月29日(姉ちゃんと一緒)
好きな事 スポーツ分析 特に夜更かししながら海外サッカー見るのが好き 背徳感あるんだよ、夜更かしするね
音楽鑑賞 邦楽ならロックバンド 基本は洋楽多め
好きな食べ物 魚全般 魚を食べたから頭が良くなった
嫌いな食べ物 納豆 ネバネバより匂いがきつい
自慢したいこと 小学校時代にプログラミング全国大会で優勝したこと
Q&Aのコーナー!(飛ばしても大丈夫です)
Q 岩手県はわかるけど赤代島市ってどこよ?
A 赤代島市は架空の市町村です。
陸前高田市あたりのの沖に位置する離島です。
面積は沖縄島とよりちょっと大きいぐらいです。
地理が変わって現実じゃありえなくなっちゃってるけどそこは許してください
架空の市を作りたくなっただけなので……。
人口は10万人ほどで人口密度が非常に高いです。
お店は結構充実しててゲームショップとかアニメショップとかも出店していたりします。
街全体は結構盛り上がっています、店が多いので若者がよく出かけるので。
欠点は新幹線がないので交通の便が悪いのと深刻な土地不足に悩まされています。
そのため一軒家が少なかったりします。
その代わりアパートとかマンションが多いです。
アパートやマンションはかなり立派な建物が多いです。
まあ、家賃に関してはお察しください。
アパートやマンションの一部屋を借りるのではなく購入するというパターンも結構多いです。
元ネタは盛岡市と釜石市を混ぜたような感じです。
駅近くは盛岡市、郊外の方は釜石市の景色を想像していただければ……
えっ、景色がわからん?調べてください!
余談ですが駅前はめっちゃ都会です、他県にはなりますが仙台駅近郊をイメージしてもらえたらわかると思います。
えっと……まあ……色々ツッコミどころはあると思いますが……
ちなみに岩手県を舞台にしたのは単に作者が岩手県出身だからです