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Dream World Online  作者: 藤見 紅桜
第1話 Start a new game
3/30

再会

「久々だなッ!蓮っ!」


彼の名は齊藤翔汰(さいとうしょうた)、かつて練とバッテリーを組んだ天才ピッチャーだ。

熱くて明るいが良くも悪くも子供っぽい。

運動神経は天性のものと言えるほど高いが野球に打ち込みすぎて学業は絶望的。

練とは相棒かつライバルのような存在だ。


「やっと……会えたね……」


緑色の髪が美しく耀く。

彼の名は小鳥遊楓(たかなしかえで)、女性と勘違いされるほどの端正な顔が特徴。

優しく繊細だが、気が弱く人をなかなか信じることができない。

学業優秀でクラスでは毎回成績上位。

練には過去の出来事により恩を感じている。


「会いに来たよっ!レンレン!」


彼女の名は有栖川陽花(ありすがわはるか)、明るく真面目だが何か隠し事をしているような素振りをする。

長めのボブヘアーが特徴。

芸術分野の才能があり、特に絵の上手さは本業のイラストレーターにも匹敵するほどのうまさ。

蓮のことはこの中では一番最初に知り合い、それ故に彼のことをよく知っている。


「あー……ゲームとかあるから遊んでってよ……」

「僕には気にせず……」


友達と会ったのに関わらずやや素っ気ない態度で対応する。

やはり他人と話すつもりはない、出来る限り話さないで時間を潰してもらい返そうとした。

しかし、その目論見は外れる事となる。


「いや、遊びはついでだ」


翔汰が先陣を切って話し始める。

地面を手に叩きつけ力強く宣言する。


「お前と話したいからここに来たんだッ!」


そう、そもそもの目的が遊びではなく、蓮と話したい事であった。

また4人で一緒にいたいからそのために蓮と何か話をしたかったのだろう、その言葉を聞いて蓮はうつむいた表情で言い放った。


「忘れてよ……僕のことは……」


言葉を言い放つと3人は固まってしまった。

あまりにも彼らのイメージの蓮とは異なるような発言だったからだ。

虚ろな表情で暗い言葉を言い放つ。

そのような人間ではなかったからだ。

彼らの中では蓮は輝くような人間だった。


「ぼくは……蓮くんと……向き合い……たくて……余計なお世話……だった……?」


「いや……大丈夫だよ、わたしだって同じ気持ちだから……!」


陽花がそっとフォローする。

家に訪問するのは楓の発案だった。

学校でも会話の輪に入らず昼休みもずっと一人で勉強をし暗い顔をする蓮をなんとか元気にしたい。

本当は楓も怖かった、それでも一歩踏み出さなくてはならなかった。

楓はあの時の恩を何も返せていない、少なくとも彼はそう思っている。

恩返しをしたい一心で家に向かったのだ。


「……オレから聞いていいか?」


重い雰囲気の中翔汰が口を開く、この雰囲気で口を開けるのは彼ぐらいだろう。

どうやら質問したいことがあるようだ。

話に来ている以上質問は用意していてもおかしくはない。


「もっかい……オレと夢を追いかけないか?」

「スポーツじゃなくてもいい、蓮が一番夢中になれるモンでまた夢を見に行こうぜっ!」


かつて天才バッテリーと称され、共に夢を追い続けた二人。

翔汰自身も夢をもう一回追いかけたい。

しかし、それは蓮とでなければ意味がない。

そのために高校で野球をやるつもりはない、ライバルがいなければ張り合いがないからだ。



「無理だよ……」


低く暗い声で呟くように返答した、目を閉じそこからは虚ろな目は見えない。

翔汰は間髪入れずに返事を送る。


「な、なんで……!」


蓮が理由を答える、そしてその答えは彼らにとってあまりにも残酷で暗く辛い答えだった。

目を見開き虚ろな目で3人を見つめ重々しく口を開く。


「気付いたんだよ、夢は叶わない、それは僕に才能がないから……つまり僕は普通の人間だ……天才のお前と違ってな!」


最初は小さな声で喋っていくが段々と声が大きくなっていく。

声のトーンからして怒りのボルテージが上がっていっているのがわかる


「それにどんなに頑張ったって頑張ったって最後には壊される……だからもう……」


言葉を言いかけ溜めるように歯を食いしばり吐き出すように叫ぶ。


「引っ込んでろよ、天才が!」


拳を握りしめ地面をドンと叩くと場の空気が更に重くなる。人にほとんど怒鳴った事がない彼が人に向けて怒りを露わにしたのだからだ。

それでも、翔汰は勢いに押されながらもそれでも引き下がらない。

その目からは強い意志を感じる。


「夢叶う叶わないも絶対じゃねぇ、やる前に決めつけんな……それとな……オレはお前じゃなきゃダメだっ!」


力強く多少強引に蓮を説得し始める、彼は友のために本気になっている。


「お前に才能があろうがなかろうが関係ねぇっ! 今じゃなくていい……! だけどな、いつか絶対立ち上がってくれっ!」


当たり前のように言い放ち拳を握り前に突き出し笑顔で笑って見せる。

蓮は思わず黙り込み、瞬きをする。

少しばかりだが心が揺らいでいるような気がする。

しかし、今の彼は夢を追う人生を諦めている。

そんな彼の心を動かすのは簡単ではない。

希望を持とうとしてもすぐに絶望がやってくる。

名前 齊藤 翔汰

身長 164cm

血液型 A型

誕生日 8月21日

好きな事 スポーツッ!

好きな食べ物 肉!

嫌いな食べ物 野菜っ!

されたら嫌なこと 身長をイジられる 身長低いやつだってすげぇやついるからっ!

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