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第207甲殻魔導小隊  作者: 光 寿寿
第二章  強襲 七死夜天
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B.Bとダリル



 ゴーレムを撃破した綱一達五人は急ぎB.B達と合流するため荒野を駆けていた。

 

「隊長……前の方からラバットが……」


 真弓が目を向けた先には確かにこちらへ向かってくる何かが確認できる。

 

「206の……マックスちゃんです」


「マックスが? 分かった、すぐに合流しよう」


 マイケルはマックスが手紙を言付かっているはずと考え脚を速めるがマックスは彼等の姿を確認するや否や反転し来た方向へ進路を変更する。


「隊長! なんか急いで戻るように言ってる気がするんですけどもしかしてB.Bさん達に何かあったんじゃ……!」


 綱一はマックスの行動にどこか胸騒ぎを覚える。

 

(まさかサンドワームみたいなのがまたでてきたのかも……!)


 



 そしてB.Bとダリルはヤギ頭の魔族と交戦していた。

 彼等の砲撃はことごとく地に落とされ傷はおろか当てることすら叶わないでいた。


「クソ! なんなんだあいつは! 何か魔法を使ってやがるのか?!」


「B.B! このままじゃジリ貧だよ! どうにかしないと!」


「分かっている! とにかく時間を稼ぐんだ! もうすぐ207の連中が来る! そしたらあの二人を連れていってもらう! それまでコイツをここに留めるんだ!」


「……B.B……あんた……」


「すまねぇなダリル、付き合ってくれ」


「言わなくてもいいよ、あの二人は私の妹みたいなものだからね」


「あぁ、せめてこっちでぐらい大きくなって恋をしたり、時には恋人と喧嘩なんかしてさ、それで仲直りして……で、結婚なんかもしてさ、普通の人生を楽しんで欲しいもんだ」


「どこの馬の骨か分からない男にはあげられないけどね!」


「ハッ! 違いねぇ!」


 そう言うとB.Bとダリルはヤギ頭の魔族めがけ真っ直ぐ突っ込んでいく。


「砲撃が当たらないなら!」


「直接ぶつけてやるよ!」



 B.Bとダリルは生前、米国某州の片田舎に住んでいた。

 その地域では差別的な思想が残っており二人は迫害とまではいかないもののどこか除け者のような扱いを受けていた。


 その村にカーミゴーリー夫妻が越してくるまでは。


 カーミゴーリー夫妻は他の村人と平等に接し、それだけではなく新参者にも関わらず村人一人一人に対し、彼等二人を平等に接するよう説得して回っていった。


 その介あってか徐々に二人に対する差別意識は薄れていった。


 そして夫妻が越してきて幾度かのクリスマスの夜、悲劇は唐突に訪れる。


 カーミゴーリー家のクリスマスパーティに突如銃を持った男が乱入、パーティに招待されていた黒人男性とアジア系女性は夫妻の双子の娘を庇い射殺されてしまう。


 しかし夫妻の娘も銃弾をうけ二人とも死亡。


 そして夫妻もまた銃弾を受けるが致命傷には至らず辛うじて一命を取り留めた。


 



「ビービー! ダリルー!」

「私たちはいいから二人だけでもにげろー!」


「恩人の娘を二度も死なせてたまるかよー!」

「あいつら来るまでそこから出るなよー!」


「アワワワワ、さすがにゼロ距離でそれをウケるとタダではすまないよー……ナンテネ」


 ヤギ頭の魔族はうろたえた素振りを見せるがすぐに不適に笑い両手を広げ天を仰ぐ。


 次の瞬間B.Bとダリルの甲殻機はまるで押し潰されるような衝撃を受けたその場に突っ伏してしまう。


「ぐぅぅぅ!」

「あぁぁぁ!」


「弱いなぁ、ヨワイヨワイ」


 ヤギ頭の魔族はそう言いながら二人に近付くとB.Bの甲殻機の魔導砲をもぎ取りそれで機体を殴り始める。

 

 辺りにはガンガンと金属音だけが木霊する。



読んでいただきありがとうございます、もし面白いと思っていただけましたら高評価、ブックマークなどしていただけるととても嬉しく思います。


御指摘、訂正箇所等ありましたら言っていただけると嬉しいです

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