まだ見ぬ戦友
ここは城郭都市ネルリゲンの中にあるとある食堂、奥の厨房には誰もおらず、数有るテーブルの上に椅子が逆さまに置かれており今は営業していないようだ。
「なーなービービー、今日新しい奴が来るって中隊長言ってたけどどんな奴だろなー?」
「だろなー?」
その食堂の中央、とある場所で胡座をかいたブロンドを左右に結んだツインテールの少女。
そして背中合わせに体育座りをする同じくブロンドを後ろで結ぶポニーテールで同じ顔の少女が上下に揺られながら同時に、下で上下に動く男へと質問を投げ掛ける。
「さあっな!、っふ、早ければっふ、今日来るってっふ、話だがっふ、もしかしたら明日かも知れっないな!」
少女二人を背に乗せて腕立て伏せをする筋骨隆々の肌の黒いドレッドヘアーの大男が二人の質問に答えるが、少女達はどこか不満そうな表情を浮かべる。
「むー、どうせ来ても私たちより上のかいきゅーだろうからなー」
「だろうからなー」
少女達はエメラルドのような瞳を虚空へと向けそう呟く。
「それはしょうがねーだろう? っふ 俺達はまだ藍級だからな、っふ、したから数えた方がはえーよ」
「むー」
「むー」
少女達は不服そうに頬を膨らませながら眉をひそめる。
すると不意に入り口の木製の扉がノックされ、奥の階段から黒いドレスに白のエプロンを身にまとい頭には白いフリルのカチューシャをつけた女性が腰まで伸ばした紫の髪をなびかせながらパタパタと降りてくる。
「はーい、どなたですかー?」
少女と大男の注目を集めその扉は紫の髪の女性の手によって開けられる。
そこには四人の男女の姿があった。
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