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第207甲殻魔導小隊  作者: 光 寿寿
第一章 ヘルズヘイム召喚
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模擬戦②


「取り敢えず山影の多い北側から迂回して拠点を目指そう、俺が先行するから姫路さんは周囲の魔力反応警戒しながら着いてきて」


「ん、りょーかーい、いやはややっぱり攻める側は緊張しますなぁー」


 二人は小山の梺や岩影を利用しながらゆっくりだが少しずつ拠点へと近付いて行く。


 道中では幾度か見付かり、その度に真弓による砲撃が飛んできている。


 しかし綱一と華からは反撃は難しい、まず高低差が開きすぎているためどうしても低い位置にいる二人では命中はおろか殆ど牽制にもなり得なかった。


 そしてもう一つ、それは魔導防壁の弱点にある、魔導防壁は魔導砲を使用して甲殻機の周囲に展開するためどうしても攻撃と防御の同時使用ができないのだ。

 

 そのため反撃しようものなら地の利、命中精度両方で劣る二人ではカウンターをくらいすぐに勝負が着いてしまう。


「あああぁぁぁ! まゆみは味方の時は頼もしいけどいざ敵にまわすとホント厄介!」


「近付ければまだ勝機はある! たぶん……」


 二人は光弾が降り注ぐなか防壁を展開しながら更に歩みを進めていく。


 しかしそんな中、綱一の視界の端に一瞬光が反射した。


 おそらく太陽光、周囲は岩山に囲まれ自身もその影に覆われ太陽光の当たらぬ位置にいる。


 つまりそこには太陽光を反射する何かがある。


「姫路さん! 此方はダメだ!」


 綱一は直ぐ様その場を飛び退くと上部より無数の光弾が雨のように降り注ぐ、恐らくは回転式六連装砲ガトリングによる攻撃。


 二人は岩場の影に身を潜め様子を伺う。


「たぶん西脇さんだ……」


「完全に魔力反応消してたね、待ち伏せかあ」


 いくら華といえども甲殻機の機能を停止させていれば降り注ぐ光弾の中から武の魔力反応を捉えることは出来ない。


「どうする?」


「このままじゃジリ貧だなあ、二人がかりなら西脇さんの風船は割れるけど少し位置が悪い、西脇さんの相手してる間に東条さんにやられちゃうね」


 武の潜む位置は少し拓けており尚且つ拠点からもほぼ丸見えというこの上無い不利な条件だった。


「よし! たけしゃんはうちが引き受ける! こうくんは先に行って」


「え?」


「接近戦なら大丈夫、まゆみと撃ち合いなったら敵わないもん、こうくんならわんちゃんあるでしょ? 適材適所、負けるのは悔しいじゃん?」


「分かった、勝ちにいこう」




 二人は一斉に岩影から左右へ飛び出し綱一は山肌を高速で駆け華は地を這い武の潜む地へ駆ける。


 当然先行した綱一は真弓に狙われる事になるが上下減速を駆使し砲撃を紙一重でかわし進んでいく。


(動きを予測されるな! 動き続けろ!)




 

 華は武の潜む位置に砲身を向けるがそこには既に武の姿はなかった。


「上!」


 微かに武の魔力を感じ取り砲身をそちらへ向け光弾を二発、三発と放つが武は防壁を展開し防がれてしまう。


 そして華の後ろへと着地した武はそのまま回転式六連装砲ガトリングを放つ。


 しかし華は左へ跳躍しそれを回避、そのまま砲身を回転させ魔導砲を武へとお見舞いするが、またしても防壁に阻まれる。


「たけしゃんは容赦ないな~」


「いつ本番が来るか分からないからな……努力は怠れん」


「此方も容赦しないんだから!」


 そして互いに撃ち合いその音だけが周囲に木霊していく……。

読んでいただきありがとうございます。


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