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第207甲殻魔導小隊  作者: 光 寿寿
第一章 ヘルズヘイム召喚
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すべてのはじまりのお話





 三ヶ月前


「ふぁ~、もうすぐ高校生活も終わりかぁ」


 あくびをしながら通学している彼の名前は明石綱一あかしこういち、短く整えられた黒髪に切れ長の目そこそこ整った普通の顔立ちで、自身の通う高校の制服を多少着崩し目的地へと向かっている町工場を経営する父を持つ、多少手先が器用な他はいたって普通の高校生。


「皆は受験だ進学だなんて言ってるけど、俺には関係ないもんなぁ」


 彼はすでに父のあとを継ぐため父の経営する工場に就職を決めているため進学とは無縁となっている。

 そうこう言っていると交差点にに差し掛かる。

すでに二人、他の学校の女生徒が信号待ちをしているようだ。

 少しタレ目の、眼鏡をかけた腰まで伸ばした黒髪が特徴のいたって真面目そうな女の子。

 隣には全く対照的な、少しつり目の日焼けをし綺麗な金色の髪を肩の下辺りまで伸ばした女の子。

二人は楽しそうに談笑している。


(この子達たまに時間帯かぶるけど、いつも仲良さそうだな)


 綱一とは通学時間が重なることが多いようで顔を覚えるぐらいには面識があった。しかし積極的に話しかけようとは思わないため直接的な接触はないようだ。

 すると右側から、けたたましい排気音とスリップ音が聞こえてくる。


「あれヤバくね?」


 金髪の女の子が思わず声を漏らす。

音のした方からはスポーツカーが猛スピードで交差点に向かってくる。

反対側からはトラックが交差点に向かってくる。

するとスポーツカーはスリップしトラックめがけ突っ込んできた。


「!!」


 トラックドライバーは反射的にハンドルを右にきってしまった。

もしこの時ハンドルを右にきらなければ今後起こる出来事を回避出来ていたかもしれない。

すると助手席側にスポーツカーが突っ込む、その衝撃と右にきったことによる重心移動が重なりトラックはバランスを崩す、横転しながら信号待ちをする三人の元に突っ込んでいった。


「やばい!」


 そう、綱一が口に出した瞬間にはもう何もかもが手遅れだった。

下半身をトラックの箱に潰され数メートル引きずられる。

幸い下敷きになったのは下半身だけで済み命はまだある。


(あぁ……これは……ダメ……だ……痛みも感じない……声もでない…あの子達は……無事だろうか……?)


「おい!男の子と女の子が事故に巻き込まれたぞ!」

「早く救急車を!」

「女の子はもうダメだ!」

「うえぇぇぇぇ」

「男のこはまだ息があるぞ!」

「運転手は!」

「ダメだ!頭がない!」


(あぁ……ここで終わりかな……意識が……)


 必死に助けようとするもの、嘔吐するもの、ただ泣き叫ぶもの、まさに阿鼻叫喚とはこの事だった……。

綱一の意識はここで途切れ何も感じない無へと至る。

投稿は初めてで何かとつたないところもあるかと思いますが読んでいただけると幸いです

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