閑話~お嬢様は………~
リーデル領へ訪れ、縁あってルベール家の使用人となり早1月。
今日もお嬢様のお世話をしています。
最初の1週は様子見で見習いとして働き、現在はお嬢様の専属となっています。
お嬢様は大変可愛らしく、お肌も御髪もとても綺麗です。勿論、お手入れは私が責任を持って行っていますので、其れも当然なのですが……。
しかし、そんなお嬢様の魅力を半減させてしまっているのが、相変わらずの無表情。人間味が薄い、とはこういう事なのでしょうか。声を掛けると反応を示すのですが、それだけです。未だにお嬢様の声を聞いた事もなく、とても心配です。
お嬢様のお世話が私の主な仕事ではあるものの、奥様が心配していた他の使用人についてもそれとなく探ってみました。
害意を持つ者は勿論の事、嫌悪感を持つ者すら居ませんでした。寧ろ心配の声が多く、元夫人への悪態をよく耳にしました。どうやら奥様の思い過ごしだったようです。時間が解決してくれる事でしょう。
ある日の朝、いつも通り起床の時間にお嬢様を起こす為部屋へ訪れます。
ノックをしても返事が無いのはいつも通り。
室内へ入り、ベッドへ近づく。
お嬢様の寝顔が可愛いのもいつも通り。
「お嬢様、朝でございますよ」
軽く声を掛けても反応が無く、起きないのもいつも通り。
いつものように体に手を添え、軽く揺すれば無言で目を―――
「………むぅ」
――!!!!!!!?
僅かではあるものの、間違いなく声が聞こえました。
すると、ぼんやりとしてあどけない表情で起き上がるお嬢様。その際、「ぅん………しょっ」とまた声を出していました。
(お…お、お嬢様が!声を!!出してる!!?)
表情は辛うじて取り繕えているが、私の内心は狂喜乱舞していました。
初めて聞くお嬢様のお声。
小さく力が弱いように聞こえるのは、寝起きだからか。それとも、今迄声を出していなかった弊害か。
(いえ、其れより今は―――)
「おはようございます。朝食の準備ができておりますので、お召し替えしましょう」
(――いつも通りお世話を………)
内心を押し殺し、先ずは職務を優先せねばといつも通りを心掛けます。
しかしその日から、いつもと違う事柄が多くなりました。
お嬢様からは戸惑いの気配がしており、心なしか様子を探っているようにも見えました。
動きはぎこちなく、おっかなびっくりといった様相で、まるで知らない場所に置き去りにされた子供のようでした。
かと思えば、急に本を読みたいと言い始めます。
驚いたものの、止める必要も理由も無いので案内しました。そして私が読み上げようと申し出たのですが、何故かお嬢様は字が読めていた為不要となりました。………本当に何故?
文字の読み書きはもう少し先です。其れに、歴史関係の書物は難しい字や言い回しもあります。でもお嬢様は問題無く読み進めていきました。
そう言えば、お嬢様が初めて奥様と会話―――挨拶だけではあったが―――した時、奥様は感極まって涙を流していました。お嬢様は戸惑いながらも、されるがままになっておりました。此れ迄を思えば、とても微笑ましいですね……。
そして数日経過し、お嬢様がこっそり屋敷の外へ出ていく姿を見掛けます。敷地内とは言っても外なので、危険も考慮しなければなりません。
私は気配を断ち、お嬢様に見つからないよう注意して見守ります。
向かった先は庭の隅、屋敷からも敷地外からも死角となる木の陰、見つかり難い場所でした。
そんな場所で一体何を……という私の疑問は、すぐに解消される事になります。
僅かながらにお嬢様が光を纏う。
私が王都で訓練していた時、何度も見た事があります。魔法を行使する際の発光現象。
熟練した者でなければ、魔法を行使する際に制御が甘く魔力が漏れ、使用者が光るらしいのです。私は使えないので、見聞きした情報ですが。又、熟練者でも薄らと光るようで、近くに寄るとわかるとも聞きました。
今の時点でも、お嬢様は新人よりも制御できているように見えます。年齢からすると、才能が飛び抜けているとしか思えません。
休憩を挟みながらも暫く練習したお嬢様は、最後に両手を上げて喜んでいました。………可愛いです、お嬢様。
其れ以降、魔法の練習は偶に庭で、毎晩部屋で就寝前に行うようになりました。勿論私は見守り続けます。
旦那様が帰宅する日、奥様はお嬢様を捕獲してエントランスへ向かいます。最近の奥様は、お嬢様と話せる事が嬉しいようで、勢いそのままに抱き着く事が増えました。その姿を見る度、使用人一同は微笑ましく見守るようになりました。屋敷の雰囲気は、以前にも増して良くなったように見受けられます。
お嬢様が奥様に抱きしめられたままの状態で迎えられ、旦那様も驚いた様子でした。
しかしすぐに状況を理解し、お2人の世界へと入られました。お嬢様はその様子に若干引き気味で、他の使用人達も通常業務へ戻ります。旦那様の荷物も既に運んでいました。
私は隅で気配を断ちます。邪魔をしてはいけませんので……。
その日の夕食では、奥様が楽しそうに旦那様へと報告しています。
お嬢様が話すようになり、活発になったのは旦那様が王都へ向かった直後の事でしたので、奥様の報告を聞く旦那様も、目を潤ませながら嬉しそうに相槌を打ちます。
数日後、旦那様からお嬢様へ、教育に関してのお話がありました。私や他の使用人からの報告で、旦那様はお嬢様に字の勉強が必要無い事を知っており、その分他に受けたいものが無いかを尋ねます。
其れに対しお嬢様は、予想通りと言うべきか、魔法を学びたいと願い出ました。ただ、何故か現在使えるという事を隠したまま。
お嬢様が魔法を使える事を知っているのは、恐らく私だけでしょう。理由は知りませんが、お嬢様は隠れて練習をしています。私はお嬢様の意思を尊重し、誰にも告げていません。
旦那様との話が終わった後、私はお嬢様に尋ねます。
「何故魔法が使える事を話さなかったのですか?」
「ぇっ………!?」
大変驚いていらっしゃいました。そんな顔もまた可愛らし……失礼、どうやら気付かれていないと思っていた分、私が当然のように聞いたので余計に吃驚したのでしょう。
魔法の重要性、希少性を説明したのですが、お嬢様から黙っていて欲しいとお願いされました。どの道すぐにわかる事ですし、お嬢様が望むのならばと承知しました。
お馴染みとなったお嬢様の魔法の練習時、相変わらず隠れて庭へ出ています。私は陰からこっそりと見守り………ストーカーではありません。見守っているのです。
しかし、お嬢様は何かを発見したのか、いつもの場所へ着くなりしゃがみ込みます。木の根元……よりは少しズレた位置で何かし始めました。
暫くすると、お嬢様の体が発光します。魔法を行使しているようですが、特に此れといった変化が見られません。目に見えない―――風に関する魔法でもなさそうですが、そもそも私は魔法の知識が少ない事もあり、はっきりとはわかりません。
光が収まり、何やら呟いている様子……。
ふと、顔を上げたお嬢様が私の名を呼びました。
(気付かれていた……?)
そんな筈……と思いつつも、呼ばれた事には違いありませんので、近寄って声を掛けます。
「――何かご用でしょうか?お嬢様」
「!!?あっ、うん」
驚いたその様子に、居場所迄は特定できていないのだと気付きました。
兎も角、先ずはお嬢様の用件を伺わなければ……。
お嬢様には精霊が見えていました。驚きです。珍しいでは済ませられません。
今現在、確認できているだけでも3人だけ、其れも皆王都に居を構えています。
しかも、お嬢様の話を聞くに、随分と精霊に懐かれている様子。私は精霊が見える3人と知己ですが、いずれも懐いて側にいる精霊はいませんでした。
念の為、精霊に関しても私の知る限りをお教えしました。やはり見えない人からすると、精霊と戯れる姿は不自然に映ります。
お嬢様も、年齢とは不釣り合いな程に賢い方なので、察したのか他の人が居る場では一切精霊に話し掛ける事は無くなりました。偶に、精霊の居るであろう場所へ向けて微笑む姿はとても尊いです。
ユリアお嬢様の成長は著しく、とても女性的になりました。教育面でも知識の吸収が早く、予定よりも随分と短く終わりました。
そして私にも、変化がありました。
先ず、ユリアお嬢様の専属から、ミリアお嬢様の専属へと変更になりました。
次いで、ユリアお嬢様が拾って来た孤児の2人―――ケンとリン―――を使用人として鍛え、今はリンという少女がユリアお嬢様の専属となっています。
ミリアお嬢様も母親である奥様に似ており、ユリアお嬢様程ではありませんがとても可愛らしいです。
しかし時折、不思議な発言をして、混乱する事も……。
「あ!おねーさまがくる!」
「おねーさまは、いちばん、きれーなの!」
「せしりあ、すこしくらいけど、きれーになってるよ!」
ミリアお嬢様は、何故かユリアお嬢様のみ近付くとわかるようです。最初は、もう気配を感じ取れるのかと思ったのですが、どうやら違うみたいで他の人には気付きません。
ユリアお嬢様が綺麗な事には同意しますが、私にとっては可愛い寄りです。其れから、私が暗いとは?そして綺麗になってる………?
考えてもわかりませんので、気にしない事にしました。良いのです。姉妹仲が良好なのですから、何も問題はありません。
ユリアお嬢様は、妹であるミリアお嬢様の事を大変可愛がっておられます。時間が空けば、必ずミリアお嬢様のお相手をされていました。
ミリアお嬢様は甘えたい盛りなのでしょう、良くユリアお嬢様へ抱き着いていらっしゃいます。可愛らしい姉妹の触れ合い……………尊いです。
ユリアお嬢様が、お披露目の為に王都へ向かいました。私はミリアお嬢様が残るので待機です。ドレスで着飾った姿のユリアお嬢様を見てみたかっただけに少々残念です。
ミリアお嬢様は、ユリアお嬢様が居なくて寂しいのでしょう、偶にユリアお嬢様の部屋へ行ってはベッドに潜り込んでいます。連れ出すのは専ら私の仕事に。
予定より早く戻れそうといった内容の手紙が、旦那様から送られてきたようです。奥様は、最初は嬉しそうに手紙を読んでおりましたが、途中から段々と表情が硬くなっていきました。
「………奥様?」
「…………………」
そっと、読んでいた手紙を渡されます。傍にセバスサンが控えているのにも関わらず、何故か私に。
視線で確認すると、セバスサンが頷いたので手紙を読みます。
特に問題は………と思っていると、後半にユリアお嬢様の事が書かれていました。教会へ赴いた際に、髪の色が変わり目を付けられたそうです。悪い意味では無いようですが、ユリアお嬢様が望んでいない為関係無く迷惑なようです。
私には心当たりがありました。
――聖女。
以前王妃が、世間話的な感じで私に漏らしたのです。………まあ、各長は必要があれば教えられてきたそうなのですが。そう、必要があれば。
その時の私には必要無かった筈ですが、今になって役に立つとは……わからないものです。
嫌な予感が私を襲いました。
聖女について、私の口から伝える事はできません。しかし、王家が放っておく筈もなく……。
旦那様とユリアお嬢様が戻ってきました。奥様は少し哀しそうでしたが、その後ユリアお嬢様と2人で会話したらすっきりとした顔になっていました。
案の定と言うべきか、王妃が此処へ訪れるとの知らせが……。
相変わらずの行動の迅速さです。しかし、私は会う気がありません。めんど……やっか………騒がしくなる恐れがあります。旦那様へお願いして、当日は顔を出さないように仕事内容を変更して頂きました。
ユリアお嬢様が主にお相手し、王妃は満足して帰ったようです。ユリアお嬢様は疲労困憊となっておりました。
王妃が帰ってから、ユリアお嬢様は本格的に動き始めました。王都へ行った際に、商会を設立していたそうです。他にも、ケンとリンのような孤児達を集め、育成院なる場所で生きる術を身に付けさせるのだとか……。
旦那様からいくつか土地を預かり、色々と画策しているご様子。何にせよ、ユリアお嬢様が楽しそうで何よりです。
ユリアお嬢様が学院へ行く年齢となりました。
弟であり、ルベール家の跡継ぎとなられるミールお坊ちゃまが産まれてからのユリアお嬢様は、より活発に行動されている気がします。
ミリアお嬢様は、とても寂しそうにしておられます。……が、ほぼ毎週戻って来られるのは、いかがなものでしょうか。いえ、ミリアお嬢様は嬉しそうなので構いませんが、偶に商会や育成院の方だけ行った時には、会っていなくともミリアお嬢様が気付いて機嫌を損ねてしまいます。なので、短時間だけでも会っていただけると助かります。
ユリアお嬢様の移動方法や、別の空間に物を仕舞える事は、この家では公然の秘密となっております。知った時の皆様の反応は、普段見られない驚愕した表情で、とてもおもし……ゆか………貴重な体験でした。
学院が夏季休暇となり、ユリアお嬢様は御友人を連れて帰省されました。
ただ、正体不明の怪我人を道中で見つけたようで、リンが応援を呼びに来ていました。
私も同行し、手伝ったものの不審な点が多く、怪我人を本当に連れ帰るのか確認します。
「ユリアお嬢様」
「何かしら?」
「素性の知れぬ者ですが、本当に宜しいのですか?」
身元不明、近辺に移動した痕跡無し、状況の可笑しさ―――意識が無いにも関わらず、止めを刺されていない―――等、私が危惧した事を伝えましたが、其れでもユリアお嬢様は連れ帰る事を選びました。
――その夜、物音と悲鳴を聞いた私は、すぐさまその場へ向かいました。すると其処には、血を流しながら倒れている奥様と、凶器らしき破片を手にして返り血を浴びた男が立っていました。
男は錯乱しているのか、意味のわからない言葉が多く、私にも襲い掛かってきます。
右手に持つ破片を腰に構えて突進してくるのを躱し、その勢いのままに横腹に回し蹴りをお見舞いします。床に転がった所を、すかさず背に膝を当てて押さえ、頭と右肩を押さえて動きを封じました。素人のようでしたが、以外にも凶器を手放さず、私から逃れようと暴れます。
漸く他の同僚が集まり、惨状を見て、奥様を見た瞬間に愕然とし、駆け寄って声を掛け始めました。しかし反応は無く、恐らくもう………。
そんな時、ユリアお嬢様が来てしまいました。
ユリアお嬢様は奥様に駆け寄り、状態を確認した後、傷を治して奥様の胸元付近を繰り返し押し始めました。何をしているのかはわかりませんでしたが、私は近くに居た同僚へ男の拘束を手伝ってもらい、そのまま連れ出してもらいました。
気付けば、旦那様がユリアお嬢様を抱きしめ、慰めている所でした。母親が亡くなってしまい、悲しみに涙するのは当然でしょう……。状況は違えど、同じ経験をした私にも気持ちはわかります。
ユリアお嬢様は、立ち直れるのでしょうか?―――――とても心配です。
しかしその直後、私は信じられないものを見る事となりました。
旦那様の腕の中から出たユリアお嬢様は、奥様に向き直り目を閉じます。ほんの僅か、ユリアお嬢様が仄かに光り始めたと思えば、少し遅れて奥様の体も光りました。
暫く経ってユリアお嬢様が目を開き、奥様に向かい何かを呟きます。光が収まり、ユリアお嬢様が今度は旦那様に何か呟きました。そして奥様を渡します。すると、旦那様が安堵して奥様を受け取り抱きしめました。
血色が戻った奥様の様子から、息を吹き返したものと推察されます。
――奇跡が起きた。
其れ以外の表現を思いつきません。
翌日、奥様は記憶を失っていました。不幸中の幸いか、全てを忘れた訳では無いようです。
ユリアお嬢様を始め、皆様複雑な表情をされていました。しかし、最悪を免れただけでも良いのだそうです。「無事に生きててくれてるだけでも嬉しいもの」とは、ユリアお嬢様の言葉です。
奥様は体調が宜しいようで、元気にユリアお嬢様を捕まえ、構い倒しています。
さて、では私は私でお仕事をしましょうか……。
犯罪者であるあの男は、すんなりと尋問に答えたそうです。錯乱し、正常な判断ができなかったと言っているそうですが、犯した罪に対しては素直に認めているのだとか。
ただ、不明な点も増え、調査が必要となったそうですが………。
――非常事態です。
何処で知ったのか、ユリアお嬢様が私の以前の名前を呟きました。この領地周辺には、私を知る人は居らず、名前に関しては奥様にも伝えていません。この周辺に潜む元同僚が接触でもしたのでしょうか?
……いえ、知られた原因は既に意味がありません。
私は、ユリアお嬢様に聞かれた事を全て話しました。話し終わった時、どう思われるのかが怖くもありましたが、包み隠さずに。
「セシリアは、セシリアよね?」
「ッ!!……はい」
「なら私は気にしないわ」
「………ありがとう……ございます」
過去は気にしない―――――そう言われた気がします。
忌避感や嫌悪感ではなく、かと言って同情でもない。其れは私の予想と違い、嬉しくもあります。
そしてその後、私の古傷も治していただきました。疲労もそれなりでしたが、通常ではありえない治癒に感動していると、他にも異常を治してくださったそうです。
曰く、私の心臓に魔力の栓の様なものがあり、その所為で体に魔力が巡っていなかったのだそうです。
………私は魔力が無かったのではなく、循環が妨げられていただけだった?
理解ができません。……できませんが、考えてもわからない事は考えません。
全てはユリアお嬢様の御陰であり、ユリアお嬢様だからこそなのでしょう。きっとユリアお嬢様は、神が遣わした神使で……ああ、聖女でした。成程、ならば何も不思議ではありません。何が起きようとも、ユリアお嬢様の前では些事なのでしょうね。
この御恩を返す為にも、使用人としてだけではなく、個人的にもお仕えさせていただきます―――――
ユリアお嬢様の周辺は、騒がしくなりました。
商会にちょっかいを出す者、鉱山に棲む精霊、神殿への訪問者、そして他国から来た者を含む教会の不穏な動き。
少しでもユリアお嬢様に安心して過ごしていただく為にも、私は頑張ります。賊は捕らえ、必要とあらば監視も行います。
アンドロマリウスと名乗る男は、思いの外ユリアお嬢様の為に働いています。いつの間にか2人増えていましたが、今は未だ協力者という関係なのでユリアお嬢様の事は話していないとの事。………秘密を守れるのであれば良しとしましょう。
そんな彼から連絡が……。
何やら王都では、教会の者が民衆を扇動しているらしい。ユリアお嬢様の事を悪魔と呼び、滅ぼすべきだと………。
「…………………………ほぅ」
ユリアお嬢様が積極的に排除しなかったので放っておきましたが、此れ以上は私が我慢なりません。
今迄避けていましたが、利用できるものは全て利用し、迅速に事を成しましょう。
「王妃に借りを作ってしまいますね………」
私は準備を整え、王都へ向かいました―――――
ブクマと評価、ありがとうございます。