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自由に生きたい貴族令嬢(♂)の奮闘  作者: φ
旅気分で冒険者編
148/151

閑話~森人の変わり者~

 人には様々な種族が存在しており、その全てが交流している訳では無い。その為、世間一般に知られていない種族も存在する。

 理由は単純明快で、積極的に他種族と関わろうとあちらこちらに現れる種も居れば、反対に交流を断って自分達の生活圏から出ようとしない種も居るからだ。

 その中でも森人は、どちらかと言えば後者に当たる。

 全く交流しない訳でも無いが、自分達から生活圏の外には出ない。つまり、“用事があればお前達が来い”というスタンスだ。その所為で、国と呼べるものは無く、色々な場所に里がある程度。

 ただ、そんな森人の中でも変わり者と呼ばれる存在は一定数現れる。他種族を見てみたいという好奇心を持つ者、不変の生活が嫌になって飛び出す者、何かしらの理由で集団から爪弾きにされる者達だ。


 森人の特徴として、魔素との親和性が高く魔力の回復が早い事が挙げられる。その為、幼い頃から他の種族よりも多くの魔力を使う機会が多く、結果的に成長と共に魔力保有量も多くなる。他にも、親和性が高い影響もあって必然的に適性が多くなる。

 外見的な特徴もあり、只人と比較して耳がやや長く先端が尖っている。しかし、異種族と子を儲けた場合には他の種族寄りとなってしまうので、ハーフやクォーター等の見分けは難しい。

 総じて見目麗しく育つという点と、その見分けの難しさが相まって、過去には利用する為に攫われたり騙されたりといった被害に遭ってきた。他種族と積極的に関わろうとしないのは、その辺の事情も関係がある。


 里から出た者達は、自分自身の力で生き抜かなくてはならない。

 しかし、他所から流れてきた森人が就ける職などたかが知れており、実入りも良くない。その為、冒険者となり生計を立てる者が大半となる。





「……割の良い仕事はもう残ってないか」


 私が冒険者となって早5年。

 最初こそ苦労はしたものの、精霊の助けを借りる事で何とか熟し、今では依頼を吟味できる程に成長した。

 今日も、日課となった貼り出されている依頼の確認をし、内容に対して報酬が微妙な事に落胆する。

 解っていた事だが、普段から残っている依頼(もの)に良い報酬(もの)は無い。

 この分だと、ダンジョンで稼ぐ方がまだ実入りが良い。


(でもなぁ……)


 ダンジョン内部では精霊を見ない。理由は諸説あるが、世間で一番有力なのはダンジョンの性質を精霊が嫌うというもの。しかし私は、そうは思わない。

 私の戦闘スタイルは、その場に漂う下級精霊と仮契約を行って力を借りるというもの。当然ながら、精霊にも個性があるので状況に合わせて選ばなくてはならない。

 けれど、ダンジョン内部には精霊が居ないので、先に仮契約を行ってから入る事となる訳だが、そうなると状況に合わせる事ができなくなってしまう。攻略済みの範囲ならば問題は無いが、未攻略に足を踏み入れるとなると話が変わってくる。無難に稼ぐのも良いが、折角ダンジョンに入るのなら攻略も進めたい。

 そういった事情ではあるものの、見方を変えればダンジョンに精霊を“連れて入る事は可能”な訳だ。

 精霊がダンジョンを嫌っているのならば、連れて入る事もできない筈だ。

 そも、私が仮契約しかしないのには理由がある。

 状況に合わせるには、その分対応可能な能力を持った精霊が必要な訳だが、1匹で済む事は殆ど無い。そうなると、契約時に持っていかれる魔力量も相応に多くなる。

 私は森人なので、他の種族よりは優位に立てるという自負がある。しかし其れでも、いざという時に備えて常に魔力は残しておきたい。

 其れに、中級以上の精霊との契約が上手くいった試しが無いのだ。まあ、上級以上には遭遇した事も無いのだが……。

 当然だが、下級精霊よりも中級精霊の方ができる事も多いしより強い。具体的に言うと、下級精霊が4~5匹で協力して行う事を、中級精霊は1匹でも行える。


 暫く依頼を眺めていた私は、目ぼしい依頼(もの)が無いと判断し、数日はダンジョンで稼ごうと決めた。今日はその準備に当てよう。

 そうと決まれば、先ずは何処のダンジョンに潜るかだ。

 この町には幸いにも、近くに3つのダンジョンがあり、何処の素材も重宝されている。


「竜宮は……論外ね。水棲は……雑魚の素材が持ち帰り辛い。毒沼は……地形が面倒だけどその分競争相手も少ないし、毒沼ダンジョンにしよう」


 毒沼ダンジョンに潜ると決めた私は、市場で食糧や消耗品の調達を行ってギルドへ戻る。

 何か最新の情報は無いかと、近くの冒険者達の会話に聞き耳を立てる。


「よお、最近の調子はどうだ?」

「割と良いぜ。昨日は8階層迄潜ったからな」

「何だ、未攻略階層には行ってねぇのか」

「アホか、そんな自殺行為できるかよ。自分の実力くらいは知ってん―――」


(違う……)


「お前、その怪我はどうしたよ」

「ああ、腕か?ちと油断しちまってな」

「水棲ダンジョンに潜ってたんでしょ?」

「そうだ。まさか―――」


(違う……)


「最近、変な魔物が出始めてよー」

「あん?変なって、どんな奴だよ」

「毒沼ダンジョンなんだがな…カエル系の魔物が居ただろー?」

「ああ、居るな」

「より気持ち悪い見た目の奴を発見してさー、ひょっとして未発見の魔物(やつ)じゃねぇかと思ってさー、ドロップ品を持ち帰る為に斃そうとしたんだけどー……」

「けど何だ?失敗したのか?」

「失敗は失敗だったけどよー……何か、剣で斬れねぇしさー、魔術も弾かれたんだよなー」

「魔術もか?……使った魔具は何だ?」

「火系を2つと土系を1つだよー」

「お前、そんな持ってたのか……。つーか、火も土も弾いたとなると厄介だな」

「だろー?だからさー、誰か手伝って欲しくてさー。……臨時のパーティー、どおー?」

「そういう魂胆か…まあ良い、興味も出てきたしな。今回だけ協力してやるよ」

「おー!助かるぅ~」

「んで、そいつは何階層で出てきたんだ?」

「確か—…10階層だったなー」

「結構奥だな」

「へへへ~、頑張ったんだぜー」

「おう、スゴイスゴイ」


(ふむ……)


 興味深い話を聞いた。

 その恐らくは新種と見られる魔物は、魔法耐性が高いのだろう。

 魔術の利点は、魔法が使える使えないに関係無く、魔力さえあれば誰でも決まった威力の魔法を放てる点にある。しかし、裏を返せば出力を上げる事ができないという事だ。

 剣で斬れないというのはよく解らないが、カエル系という事は体表を特殊な粘膜で覆っているタイプなのかもしれない。

 さて、どういった精霊に頼もうかと考えていると、ギルド内が一瞬静かになった。


(ん?)


 何事かと思い、周囲を見遣る。

 すると、全員がある一点を見つめていた。


(何処を見て……――っ!!?)


 思わず立ち上がる。

 視線の先には、中級……いや、中級を超える精霊を伴う少女が居た。

 その精霊からは、一切の魔力を感じられない。しかし、見れば解るその存在感。普通、精霊は少なからず魔力による存在感を周囲に放っている。

 私は普段、その存在感を頼りに精霊を探している。なので、私が感じ取れないのではなく、その精霊が魔力を完全に制御して(・・・・・・・)隠している事になる。

 上級以上の精霊を見た事が無いので、其れが普通なのか訓練されたものなのかの判断が付かない。

 もし後者であれば、私では想像も付かない程に強い筈。敵対した場合、どうあがいても抵抗する術は無い。


(――お願いだから刺激しないで!!)


 周囲の冒険者の視線を警戒したのか、その精霊の雰囲気が不穏な感じに変わる。

 精霊の契約者―――と思われる少女―――は、さり気なくその精霊を手で制して落ち着かせている。


(手慣れてる……)


 余りにも自然なその動きに、周囲の精霊が見えない冒険者達も違和感を抱いていない。

 当たり前の様に動けるという事は、其れだけ共に居る時間が長い証だ。

 と、そう思った時に漸く気付く。


(やばいやばいやばいやばいヤバいヤヴァイ………)


 少女は膨大な魔力を宿していた。其れも、傍に居る精霊が可愛く見えるほどに。

 考えてみれば当然だ。

 上級精霊と契約しているという事は、其れだけ魔力保有量も多いという事。

 普通の少女である筈が無い。


 その少女は、受付で話し始めたと思えば、声は聞こえないものの何やら揉めている雰囲気にも見える。

 不穏な空気が漂い、受付嬢の見下すような表情が見える。確かあの受付嬢は、相手によって露骨に態度を変えるから評判が良くない。


(よりにもよって……)


 何もその受付嬢に当たらなくても良いじゃないか……。

 そう思うも、私は上級精霊が怖くて近付けない。

 何度か上級精霊が唸っているように見えるが、その度に少女がさり気なく宥めている。少女が理性的でなければ、あの受付嬢は今頃……。考えたくもない。


 私が身震いしているうちに会話は終わったようで、少女はギルドを出て行く。チラッと見えたその表情は“無”で、底知れない圧を感じる。


「――はっ…そうだ、確認しないと……」


 何を話していたのか、確かめなければならない。

 あの雰囲気から、少女が不快に思っていたのは間違い無い筈。

 そうなると、私も他人事では済まない可能性もある。

 受付の方へと近付くと、受付嬢の会話が聞こえてきた。


「ちょっと、大丈夫なの?」

「え?…大丈夫に決まってるでしょ。あんなガキが何かできると思ってんの?」

「其れは…でも……」

「其れに、ダンジョンは入口に見張りが居るじゃない。どうせ見張りに止められて終わりよ。冒険者でなくとも入れるとは言え、あんなのを通す程バカな奴が見張りをやってる訳が無いでしょ」

「……まあ、そっか」


(――納得するんじゃない!!)


 問題の受付嬢の言葉に、もう1人の受付嬢が言い負かされていた。

 私はそんな甘い相手な訳が無いだろうと、内心で憤りながらも冷静を心掛けて問いかける。


「ねえ、さっきの少女と何を揉めていたの?」

「はい?――ああ、ユニスさん。貴女の様な方が気にする程の事ではありませんよ」


 少女への対応と違い、今は爽やかな笑顔で返事をしてくる受付嬢。

 こんなあからさまだと、誰かが注意していても可笑しくは無いのだが……。


(いや、今はそんな事よりも―――)

「良いから、教えて」


 何よりも先ず、先程の会話内容を知りたい。

 私の剣幕に戸惑ったのか、受付嬢は困惑した様子を見せながらも少女とのやり取りを話し出す。

 その信じられない内容に、私は自分の顔色が悪くなっていくのを自覚する。

 すると、そんな私を心配したのか、受付嬢が不安気に問う。


「ど、どうなさいました?」

「この…バカ者ッ!!」

「――ピャッ!?」


 珍しく大声を出してしまった。

 周囲に居て、聞き耳を立てている他の冒険者達も吃驚しているのがわかる。

 私は、自分で言うのも何だが普段は物静かな人物で通っている。

 しかし、今はそんな事はどうでも良い。

 其れよりも―――


「さっきの少女の傍らには、明らかに強大な精霊が付き従っていたんだぞ!私でも見た事が無い程強大な!!…あれは、中級どころか上級精霊の筈だ。そんな存在を従えている者が、弱い訳が無いだろう!?下手をすれば、この町の冒険者全員で戦っても勝てないぞ!!?」


 ――そう…どうあがこうが、あの少女の傍らに居た上級精霊がその力を振るえば、この町に居る冒険者達では歯が立たない。どころか、相手にその気があれば何の抵抗も無く葬り去られる事だろう。


「えっ…そ、そんなバカな……。そ、そうです!なら、何故私は無事なんですか!?」


 受付嬢は、漸く事の重大さに気付いたようだ。

 確かに初見で相手の実力を見抜くのは難しい。其れも、精霊が関わっていれば見えない人には予想する事も不可能だと言える。

 しかしだ……そも、人によって態度を変えるというのが先ず問題なのである。更に、受付は内心がどうであれ、丁寧な態度を心掛けるものなんじゃないのか……。


「あの少女が抑えていたからだ!威嚇している姿は見えていたが、あの少女がさり気なく手で制していたんだよ」


 実際、何度か危なかった。

 少女が止めていなければ、殺されはしなくとも無事だったとも思えない。


「っ…そんな」

「はあ、もう良い。私はすぐに他の町へ拠点を移す事にするよ、巻き込まれるのはごめんだからね」

「――おいおい!今の話は本当かよ!?」


 私達の会話を聞いていた冒険者が、聞き捨てならない内容だったからか混ざってくる。


「嘘じゃ無いさ。……ああ其れと、君も覚悟しておきなよ」


 私は問題の受付嬢へ向け、警告しておく。


「……へ?」

「言質は取ったと言われたんだろう?絶対に何らかの形で報復されるよ」

「そ、そんな…バカな事が……」


 わなわなと震え始める受付嬢。今更遅い。

 とその時、ギルドの外が騒がしくなり、ほどなくして扉が乱暴にバンッと開かれる。


「た、大変だ!水棲ダンジョンが崩壊を始めた!誰かが攻略したばかりか、ダンジョンコアも破壊しやがったんだ!!」

「「「何だとっ!!?」」」


 突然の報せに、周りの冒険者達が一斉に反応する。其れだけ大事件だという事だ。

 徐々に喧騒が広がっていき、最早何を言っているのか解らなくなってきた時、またしても扉が乱暴に開かれる。


「やべぇぞ野郎共!!毒沼ダンジョンが崩壊しやがった!」

「「「はあ!?」」」


 更にダンジョンが崩壊したとの報せが届く。

 二度あることは三度あると聞く。

 もしや……と、私が思ったその時―――


「おい!お前ら!!竜宮ダンジョンが崩壊したそうだ!暗黙のルールを破った奴が出やがったぞ!!」

「「「……………」」」


 ――私が予想した通り、3つ目…最後のダンジョンが崩壊したとの報せが届いた。が、連続して齎された報告にキャパオーバーした冒険者達は皆、言葉を失う。


「お、おい!何黙ってんだよ?暗黙のルールが破られたんだぞ!?大事なんだぞ!!?」


 そんな事を知らない報せを持って来た冒険者は、周囲の反応に戸惑い慌てる。

 気持ちは解る。しかし、構っている暇など無い。

 報せに来た冒険者達以外……元からこのギルドに居た冒険者達は、一斉にその原因の一旦を担った受付嬢へと視線を向けた。


「――っ!!」


 冒険者達の視線を一身に浴び、受付嬢は身を竦ませる。非難するような視線も含まれていたのだから、其れも当然かもしれない。

 受付嬢は段々と涙目になり、口をパクパクと開くが何も声を発しない。


「まさか、こんなに早いとは………」


 受付嬢の話を聞いて、ある程度予想はしていた。

 ダンジョンを攻略すると断言して出て行ったのだから、先ず攻略はするのだろうと……。

 竜宮ダンジョンだけは、文字通り竜種が確認されているので難しい筈だが、他の2つは余裕で攻略してしまうのだろうと思っていた。

 そう…思っていたのだが……。


(早過ぎる!!)


 呆然自失となった受付嬢を放置し、私は隣に居た他の受付嬢へと話し掛ける。


「拠点の移動をする。今すぐ手続きをしてくれ」

「え?で、ですが……」


 同僚を心配しているのか、横目で見つつ口籠る。

 優しさは大事だが、その受付嬢は自業自得な面もある。と言うよりも、今回に限って言えば完全にその通りだ。


「早くしてくれないかな」

「は、はい!只今!!」


 急かすのにも理由はある。

 あの少女がダンジョンを攻略したのは間違い無い―――他に考えられない―――として、余りにも早過ぎる。

 と言うのも、単純にこの町からダンジョン迄の距離、ダンジョン同士の距離を考えると移動だけでも結構時間が掛かる。にも拘らず、ただ移動するだけの時間よりも明らかに早く報せが来た。

 勿論、何かあった際の報告が円滑且つ迅速に行えるよう、何通りか秘密の手段はあるらしい。けれど、少なくともその報告時点でダンジョンが攻略されているのも事実。

 じゃあ移動に掛かる時間は……?

 そういう事だ。

 下手をすれば、既にこの町に帰ってきているかもしれない。


 手続きを済ませた私は、その足で町から出る。

 普段から荷物は少なく、身軽な状態を維持していたので問題は無い。強いて言うなら、ダンジョンに潜るつもりで準備した食糧や消耗品が余ってしまうくらい。

 其れも道中で消費するだろうから、大きな問題にはならない。

 あの町から近い場所は嫌だ。

 何かの拍子に、また遭遇してしまうかもしれない。

 そう思った私は、次から次へと村や町を通り過ぎて行った―――――





 ――のに……。


「ど、どうして……」


 とある街へ辿り着き、そろそろ次の拠点にしても良いかと思った矢先の事だ。


 その街は、私が到着する前日に大規模な討伐作戦が決行されていたらしい。巻き込まれなくて済んだと思う反面、報酬を逃したという少々残念な気持ちを抱く。しかし、大規模と聞いた割にはたった1日で粗方終わったらしい。普通、大規模と呼ばれる作戦の場合は、早くて数日、遅くて1月程掛かる事も珍しくない。

 更に詳しく聞くと、超有望な新人が加入し大活躍だったらしい。

 良い事なのだが、何故かその活躍の詳細を知っている人は居なかった。

 不思議に思いつつも、私はその街を拠点にするかどうかを決める為に見て廻る事にした。


 街をある程度見て廻り、治安の心配も無さそうだと判断した私は冒険家ギルドへ向かっていた。

 その道中、私が避けていた筈のあの(・・)少女が居た。


(わ、私は空気…空気なのよ……)


 幸いにも、向こうは未だ此方に気付いていない。

 可能な限り気配を消し、顔を逸らし、視線が合わないように歩く。

 前を見ていない所為で、何度か人や物に当たってしまった。


(そろそろ、すれ違った…かな……?)


 そ~っと、少女が通り過ぎたかどうかを確認する為に振り向く。

 すると―――


「――ヒィッ!?」


 ――視線が合い、思わず悲鳴を洩らす。


(何で!?どうして!?何故私を見ているの!??)


 頭の中がパニック状態となり、冷静な判断ができなくなる。

 何故この街に?

 何故私を見てるの?

 もしかして、あの場に居た全員を逃がす気が無い?

 色々と考え、思考が纏まらない。

 ぐるぐると巡る思考の所為か、視界も歪み始める。


(あれ?…地面の…位置……変………??)


 そのまま私は、意識を失って倒れた。


ブクマと評価、ありがとうございます。


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