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夕焼けの記憶

作者: from A to B

自分語りを書いてしまったorz

でも、せっかく書いたのでご笑覧ください。  

※けっこう暗い話になるので苦手な方はご注意ください。



















いつからか、惰性的(だせいてき)な毎日をどこか虚しく感じるようになっていました。


 別段人生に絶望をしたということではないけれど、

 日常生活のふとした瞬間、ささいな空白に空虚さを感じることがあります。そしてそんな時には、いろいろなことが面倒くさく、鬱陶(うっとう)しいものに感じられるのです。


 学校に行くのはめんどくさかった。めんどくさいけど行かないといけなかった。

 行かないという選択もできたが、「めんどくさい」では行くことをやめる理由にはならなかった。


 生きるのはめんどくさかった。めんどくさいけど生きないといけなかった。

 死ぬという選択もできたが、「めんどくさい」では生きることをやめる理由にはならなかった。



 そんな感じで今日までだらだらたらたらと生きてきました。



 そんな怠惰(たいだ)な人生の中でも忘れることのできない光景があります。


 とある付属高校に入っていた時、対人恐怖症気味だった(今もですが)私は友達0人、クラスにも馴染(なじ)めず、生きがいも見いだせず、毎日鬱々(うつうつ)とした気持ちで学校と寮を往復していました。

 ある夏の夕方のことでした。私はいつものように苦痛でしかない授業を終えて、寮の自分の部屋に逃げ帰り、ケータイをいじっておりました。


 ふと目を部屋の窓にやり、息が一瞬止まりました。

 夕焼けの光が散れ散れに浮かぶ雲に()し、赤とも、ピンクとも、オレンジとも、黄とも言えない、名もない無数の色彩のグラデーション模様に立ち上る雲が輝いていました。「空が燃えている」という形容がふさわしい、この世のものとは思えない光景でした。筆力不足(ゆえ)、上手く書くことができませんが、思わず身が震えるほど素晴らしいものでした。


あの時。

 その幻想的な光景を前にして驚きや畏怖(いふ)、感動がまぜこぜとなったモノが、私に容赦(ようしゃ)なく揺さぶりをかけて狼狽(ろうばい)させた時、ある本の一節が、降ってきたように自然と頭に浮かんできたことを覚えています。




わたしたちは数分間、言葉もなく心を奪われていたが、だれかが言った。

「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」




 その時から今まで、あの景色のような圧倒的な力で人に衝撃を与え、どうしようもなく心に揺さぶるものにまた出会いたい、という期待を持ち続けています。たぶん死ぬまで持つでしょう。



だから、私は今日も新しい本を開き、聴いたことのない音楽を聴くのです。

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