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キャンベルにて

「すごい!こんなに人がいる…」


街には様々な格好をしている人々が行き交っている。

今まで城から出してもらえなかった俺は今回初めて街というものを目にし、自然と言葉が漏れた。


「クレル様。王都はもっとすごかったですよ!王都に比べればこんな街全然です。」


「そ、そうなのか?」


これで全然とは…。街というものを知っておいてよかった。俺が目指す王国の目安にもなる。

俺は、今人々が楽しそうに行き交うこの街を目に焼き付けた。

ただ、ここには人間しかいない。俺が望む街は沢山の人種の人々が行き交う国だ。



その第一歩を始めるべく俺達は奴隷商の館へむかった。




「いらっしゃいませ。旦那様。本日はどのような奴隷をお求めでございますか?」


ブクブクと太った男が話しかけてきた。


「基本的にドワーフとエルフ。そして獣人だ。人数は全部で50人程度。ただ、他にもどんなものがいるのか知りたい。すべて見せてもらいたい。」


住むための家や武器など、物を作るのが得意な人々が多いドワーフ。

植物を育てることが得意なエルフ。

狩りが得意な獣人。

この三種類の人々が存在すること大きな力になるはずだ。


俺は異能『常識』を用いて自分が異能『鑑定』を使えることを常識にし、奴隷たちを一人一人視してまわることにした。


「あの人。あまりみたことのない姿をしてますが、なんという人種なのでしょう?」


シズカがそういう方向をみると、頭に2本の角を生やした人がいた。


「少し視るか。」


俺は、『鑑定』を用いステータスを確認した。



名前 キリヤ

種族 鬼人(おに)

体力 S

攻撃 A

防御 C

魔力 F

異能 切断lv8 超回復lv2 毛質量操作lv5 ???

魂球 6


以上のようなステータスだ。正直他に基準がないから分かりにくいが、恐らくかなりぶっ壊れだ。

???は恐らくまだ、開放されていない能力のことだ。そんなことを考えていると、


「さすが、お嬢様。ただ、あいつはやめた方がよろしいかと。あいつは、暗黒大陸で倒れている所を拾ってきた鬼人。いわゆる魔人でございます。ただ、奴隷術にも逆らおうとするため買い取り手もおらずお安くしてはおりますが…。」


魔人というのは暗黒大陸のみに存在する種族の事を指す。要は総称である。因みに俺としては現地人がほしかったため正直欲しかったりする。ただ、逆らわれては困るので直接口説くか…。


「なぁ、鬼人よ。俺は、暗黒大陸をこれから目指すものだ。俺と一緒に来る気はないか?」


ありきたりの台詞だが、変に嘘もついてもしょうがない。


「汝、匂うな?それにその刀…。おもしろい。汝、暗黒大陸にて何を目指す?」


風呂は入ってきたはずだが…。

それに、目指すものか…。この奴隷商がいるところで言いたくはないが…。仕方がない。


「俺が目指すのは王だ。まだ、なにもなし得てないが、これから俺はすべてを手にいれる。」


「ふふ、ふふふ、ふはははは。魔王(・・)か。面白い…。もうじき近いしな…。いいだろう。我が力を貸してやろうではないか。」


魔王はないのだが…。まぁ、いい。こんな仲間ができたのは正直嬉しい誤算だ。ただ、近いとは、なんのことだ?そう思っていると、


「ただし…汝が魔王の器ではないと、我が判断したとき、その国を我に差し出せ。それが我が汝に仕える条件だ。」


「…。」


俺は、魔王になるきもないし、まして器なんてあるはずもないんだが…。

まぁ、いい。魔王も王も似たようなものだ。


「いいだろう。その条件飲んだ。」


「契約成立だ。という訳で、我には奴隷紋は必要ない。いいな。奴隷商!」


「は、はい…。」


それ、いいのか。買い取り手の俺でなく奴隷が決めて…。


「いいのですか?クレル様?」


シズカがそう俺に聞いてきて、俺は安心した。世の中の奴隷全てこんな感じかと思いかけてたから…。

ただ、奴隷商の泣きそうな目をみているとここでわざわざかけさせるのも可哀想だ。


「仕方がない。それに国民第一号が奴隷ではな。」


俺はそういってキリヤを買うことを決めた。


あとは、ドワーフとエルフと獣人たちも15人、15人、30人購入した。キリヤの一見や、大量購入のお陰でオプションで購入しなければならない、奴隷たちの契約魔物の購入はただにしてくれた。

本当はそれぞれ10人ずつの予定だったが、家族だ。親族だ。ここまで買えば一人無料だ。などとのせられてここまでの大所帯になってしまった。


まぁ、実家(おうこく)からたくさんもってきたため、お金には困っていなかったので良かったのだが…。


ただ、お陰で魔物商へいく手間も省けたし、よかった。

奴隷たちと魔物たちは後々紹介していくとして…。

大所帯になりすぎたので、これはもう大型の船を買うしかない…。ただ、残金で船まではさすがに…と思っていると、


「クレル様。お父様に頼んでおきました。」


そういって、シズカは俺の前に400メートル程の戦艦を用意してきた。


「これは約400年ほど前に私の先祖の国で建設されたというヤマトという船をもとに作成していただきました。とはいっても、もう昔の情報はほとんど伝承されておらず、ほぼオリジナルの船ですけどね。暗黒大陸でも戦えるだけの装備はしてありますのでご安心を。」


忘れてた。シズカの家系はもともと海を支配する一族だった。


「本当は、クレル様の今年の誕生日にプレゼントする予定だったのですが、必要だと思ったので、少し早めてもらいました。」


許嫁とはいえ、たかが誕生日にここまでの規模のプレゼントを用意できるミナモト家って…。

もしかして、国王より財力上なんじゃ…。


「来年も、再来年もすでに準備に取りかかってますから期待しといてくださいね?」


最後の方、俺新しい王国とかプレゼントされるのかな…?

なんでこんな落ちこぼれ王子の俺の許嫁なんだ。




そうして、俺達は船に乗り暗黒大陸に向かった。

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