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出国2

王の言葉が木霊した部屋に異質な声が響き渡る。

『異能「常識lv.1」を開放しました。続けてロックされていた「富国強兵lv.1」も開放します。』

俺は驚き、あたりを見渡した。しかし、誰も言葉を発した様子はない。どうやら、今のが「神の声」というものらしい。

今の今まで得ることができなかった、そして今回の国を出ようと思ったきっかけともいえることが国を出ることが決まってから得ることができたらしい。しかも、二つも。自分の運のなさに笑いがこみ上げてくる。

この笑いが声に出る前に早くのこの場を立ち去らなければ。

「ありがたき幸せ。では、このクレル・ソリティエ国を出るための準備に早急に取りかからせていただきます。」


「まて。お前が国を出て望むものはなんだ?」

王は俺にそう問いかけた。


「俺の望むものは俺の国でございます。それは、父上からのお古や情けでもらった小さな土地の王ではなく、おれ自身の手でつかみとったものでございます。」


あたりが再びざわめきだす。様々な声が聞こえてくる。「世迷い言を」「動物以下が作る国の住民は動物以下だ」などと大抵はバカにし嘲笑する声だ。

こうして、皆が俺を見下しバカにするのはいつものことだ。もう、怒りが沸くことなどはないが、やはり先程の笑いが消えていくほどにはいらつく。


「静まれ!ほう。自分で国を一から作る、か。やってみろ、お前なら出来るだろう?」

王はそういって、俺に微笑んで見せた。



「シズカ~!国を出てもいいことになったから準備しよう。」

俺はとりあえず王に断られても二人で出ようと決めていたシズカのもとにむかう。偶然王が一緒にいけと言ってくれたおかげで面倒事が省けたが…。

「本当ですか??クレル様。では、早急に準備いたします。おいで蝶々(ちよちよ)!」


彼女の胸元についたひし形の魂球が光だす。そして現れたのは無数の黒い蝶。これが彼女の第一の契約の魔物である。


この魔物の名は月蝶。世界的にみても多くはいないAランク上位の契約の魔物である。昼間は今のように無数の蝶なのだが、夜になると一匹の大きな蝶になる。


魔物のランクランクはG~SSSまで存在し人が契約できる魔物はAランクまでとされているが鍛え方次第ではSランクにも匹敵する実力をもつらしい。また、進化によっては契約当初はBランクでもSランクにもなる個体もいるらしい。


おっと、また語ってしまうところだった。

とにかくわかってほしいのは彼女は抜けているがとてつもない実力者で俺にはもったいないほどの素晴らしい許嫁だ。


いつまでも、語れそうなので俺は取り敢えず国を出るための準備をすることにした。





あれから2日たち俺たちはそれぞれ準備を終え、集まった。俺は母親の形見である二本の刀を腰に携え、シズカは彼女の収納袋にテントやら何やらをしまい手ぶらで出発した。

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