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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

桃太郎(冒頭)

作者: 魔法少女♂

友人とリレー小説をしたら出来上がったものです。

なので多々唐突な展開があります。

ご注意ください。

 




 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいそうな家がありました。

 しかし、今そこには全く別のモノが棲んでいます。

 彼らは一週間前、鬼たちによって家を乗っ取られてしまったのです。

 今はそのとなりの空き家に隠れ住んでいます。



 ある日おじいさんは山へシバかれに、おばあさんは川へ行水に行きました。

 川へ向かう途中、道の向こうから

 人間の手足が生えた桃が踊りながら歩いてきました。


「どんぶらこ~どんぶらこ~」

 と口ずさんでいます。いったいどこに口があるのでしょうか。




 おばあさんは最初驚きましたが、関わらない方がいいと思い、

 何も見なかった振りをしてそのまま川へ向かって速足で歩いて行きました。

 後ろから自分を追いかけてくる足音がします。

 おばあさんはさらに速足になりました。



「待ってくれ、話を聞いてくれ!」



 かっこいい声がしたので後ろを振り返ると、

 桃がこちらに向かって走ってきています。

 桃から生えている手足は毛むくじゃらで、おばあさんは身の危険を感じました。

 とっさに普段から持ち歩いている出刃包丁を構えて威嚇します。

 行水のついでに一狩りするつもりだったのでしょう。



 刃物とはいえ、たかが包丁。桃は恐れずにおばあさんに向かってきます。

 気味の悪いナニカに追われ続けていたおばあさんは発狂し、

 秘伝技「いあいぎり」を使いました。

(※「いあいぎり」は行く手を阻む枝木を一刀両断する技)

 普通の人間がこの技を受けたら腕の一本や二本は吹っ飛びます。

 が、どうやら桃には効かなかったようでどんどんおばあさんに向かってきます。




「きゃ、来ないで!」


 おばあさん(八七)は大きな声で若々しい悲鳴をあげました。

 さっきまで殺気をもって攻撃してきたおばあさんの急激な変化に

 桃はひるみました。しかし、今が好機だと考え直した桃は


「おばあさん、私と結婚してください!」


 と叫びました。おばあさんはそれを聞いて頭に血が上りました。


「ことわる!」


 私にはじいさんがいるんだ。

 両腕を縛ったり、頭を踏んだりすると喜ぶ変なやつだけど、優しい人が。

 二人の生活を壊そうとするやつらは敵だ。

 怒りのままに、おばあさんは桃に包丁を刺しました。

 結構な深手をくらったことに驚いた桃は、

 とっさにバク転をして一旦距離をおこうとします。

 しかし桃の体には包丁が刺さったままだったので、桃は真っ二つになりました。







 桃の中には、なんと赤ん坊がいました。

 おばあさんは赤ん坊の存在に気付かず、そのまま歩いて行ってしまいました。








「桃の神たる我に逆らうとはなんという不届き者よ」



 赤ん坊は二本足ですくっと立ち上がると、

 ゆっくりと周りの地形を破壊しながらおばあさんの後を追いました。


 手足の生えた桃は、神の化身だったようです。

 道ですれ違ったおばあさんに求婚する神。赤ん坊なので威厳を感じません。


 ちなみに、今は鬼たちが棲んでいる、もとはおじいさんたちのものだった家も

 破壊され、中にいた鬼たちは空の彼方へと飛ばされて行きました。





「待て、老婆よ」



 さっき真っ二つになったばかりの桃の声が聞こえて、

 もっと切り刻んでおけばよかったかと思いながら

 おばあさんが後ろを振り返ると、そこには元気な赤ん坊がいました。






「我に歯向かう愚か者よ、死んで詫びるがいい」


 そう言うと、赤ん坊は手から黒い球を次々と発射し、地形を破壊します。

 強大な力をもつ赤ん坊におびえたおばあさんは、

 その破壊神と化した赤ん坊を

 先程真っ二つにした桃に閉じ込め、川に流しました。






 記憶を無くした神が親切な老夫婦に育てられ、

 獣を引き連れてとある島に棲みつく鬼を退治することとなるのですが、

 それはまた別のお話。


五人でリレー小説したら、うち二人の悪ふざけでこうなりました。

読みやすさのために多少描写を書き加えています。


山にシバかれに、とかバク転とか桃の神とかはそのままだけども。


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