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嫌な予感
「ねぇ……おーい!智花ー?」
「え……?あ、都さん……?」
「大丈夫?なんかボーっとしてたけど」
朝食の席で、いつの間にか都さんがアタシの席の前に腰掛けていた。
「あ、いえ……この半年間のことを振り返ってて。なんか色々あったなと思って……」
自傷気味に言いながら、淹れてきたコーヒーをすする。淹れてから時間が経ったからか、少し冷めている。
「確かにね……初めて会った時はびっくりしたわよ。まぁ今は慣れたけど」
都さんはお皿に乗っていたウインナーをフォークで刺し、口に運ぶ。
「でもこの半年間、特に問題もなかったし、あと2年くらい大丈夫でしょ。私もいるし、なんだったら由美先生っていう最強の味方もいるし」
「……」
アタシはその名前を聞いて、余計に不安が増したような気がした。
確かに最強ではあるけど、その分、厄介というか……むしろ、厄介なことしかない気がする。
一抹の不安を抱えながら、アタシは朝食を食べていった。