スタートライン
オレが学校に通うことが決まってから数日で両親はまた海外へと旅立っていった。
しかし、旅立つまでの数日でやたら、女物の服とか着せられて最悪だったが……
これも慣れるためだとか言われたから仕方なく来たけど、果たして必要だったのか、あれは。
青藍高等学校は9割近くが女子生徒で構成されており、尚且つ全寮制。教師もほとんどが女性というほとんど女子校みたいなところだ。
そのため、男子からすれば夢のようなところだが、この青藍高等学校は偏差値がかなり高く、そこに通う男子となれば下心などまるでないに等しいものだった。
そんな学校に通う唯一といってもいい、バカなオレ。テストでは毎回苦労させられ、死にものぐるいで勉強することでなんとか赤点は免れている状況だ。
ちなみに都さんは生徒の中でオレの秘密を唯一知っている人物だ。
もちろん、初めから知っているわけではない。都さんとは中学時代の同級生であるが、別段仲が良かったわけでもなかった。
それがここに来てまさかの再会。そして見知った名前と顔にピンと来た都さんに問い詰められ、全てを白状。内容を聞いて半端呆れ返っていたが、変な気を起こさないようにと監視も含めて協力してくれることになった。
しかし、今では当初の頃より、かなり態度が軟化してきており、一緒にいることが当たり前になってきている。
元々、都さんはこの学校に進学の予定はなかったが、開校の際、近隣の各学校から模範生徒として何人か選ばれ、その中の一人が都さんであり、そのためここに通っているわけである。また授業料免除などの高待遇であり、かつ都さんは学年トップクラスの成績を誇っている。そのため、勉強でお世話になることも少なくない。