間違った決意
この学校は今年開校したばかりで、生徒数も少なく、尚且つ両親が経営しているからまぁ早い話がコネで編入させてやる。ということだった。
だが、条件が一つ。
それは女子生徒として通うことだった。
今まで放任してきたから、我々にも責任があるが、それでもなんの代償もなく、無条件で通うなんて虫が良すぎる。とのことだった。
それにいずれは、跡を継がせる予定なのに一般教養すらわかっていないロクデナシに継がせるわけにもいかん。とも言われた。
両親の言うことは最もだった。
オレがやってこなかった結果がこれだ。
何かの漫画で読んだ、これが等価交換というやつだ。何かを得るためには何かを犠牲にしなければいけない。
だから、オレはその条件を飲んだ。
今、思えば上手く乗せられた気もするが、あながちその予想は間違ってなかったと思い知らされるハメになる……
しかし高校に進学できず、この数ヶ月、ただ、自堕落に生活していただけで希望なんてなかった。
不幸中の幸いというか、オレは女顔であったため、格好を変えて化粧でもすれば女性だと言ってもおかしいことではなかった。
かくして、去年の10月1日から、オレは河野智花としてこの学校、青藍高等学校に通うことなった。