冒険者の初依頼!
今回ルナがテンプレに引っかかって面白い仕打ちをします……?
「よし!ナナ、冒険者ギルドに行こう!」
私はナナに提案してみた、今は一銭も持ってない……訳ではないが、精々金貨2枚と銅貨20枚だ、なので懐が少し心許ない。
「ええ?ギルドで何をするんですか?」
そんなの決まっている、
「冒険者登録しに行くのよ!」
「ええっ!?」
私は困惑するナナを引っ張って冒険者ギルドに来た。
ーギギィ……ー
今にも取れそうな音がするな、直さないの?お金が無いのかな?
受付っぽい場所まで行き、声を掛けようとしたが、並んでいたのでちゃんと最後尾に向かった。
ナナはキョロキョロしておっかなびっくりと言った感じだ、手もいつもよりギュッと握ってくるし。
すると、私の前にデカイ男(と言っても私がまだ小さいからなのだろう)が割り込んで来た。
「ちょっと、抜かさないでよね?」
私は男の足を突いた。
「あぁん?お前みたいなチビ、小さ過ぎて見えなかったぜ、ゲハハハハ!」
むっかつくなー、ハゲだし、それに汚いし装備もショボい。
「あなた、装備から見るに低級の冒険者でしょ?汚いからこっち向かないで下さる?」
わざと口調も変えて煽ってみる、え?勝てるのかって?勿論、こんなチンピラはステータスなんて見なくても大丈夫でしょ。
「んだと!?このチビ調子に乗りやがって、泣いて謝ったって許してやらねぇからな!」
ナナはもうビビりまくりである。
「ふん、それはこっちのセリフよ」
私は紫雷を手に纏い、男に接触した。
紫雷も立派な雷な訳だし、当然電流が流れるわけだから、死なない程度に調整して、気絶させる程度の電流を長した。
勿論、私には害はないし、わざと全身の筋肉が緩む様にした。
くっふっふ、察しのいい人ならこの後どうなるか分かるだろう。
「はい、タッチ」
「なん……アババババババ」
男は白目を剥いて全身ビクンビクンしながら涎等、出すもの全部出していた。
私は広がる液体を踏まない様にしながらハンカチで鼻周辺を覆った。
「まあ汚い!この低級冒険者は最低ね」
フッ、私をイラつかせた罪、生き恥で許してやろう。
え?可愛そうだって?まあ、あっちが悪いんだしいいんじゃない?
「「「ブッハッハッハッハ」」」
突然周りにいた冒険者達が笑い出した。
「今日からアイツはチビリのスキンだぜ!」
「「「ブワッハッハッハッハ!」」」
楽しそうな人達だ、私は早速さと受付に行き、受付嬢じゃなくて、受付の男の人に話しかけた。
「冒険者登録をしたいのだけれど?」
「ああ、君はこの騒ぎを起こした人かい?」
「だったら何かしら?」
魔力を解放し、独学で学んだ魔力威圧を使う。
「ご、ごめんよ、とやかく言うつもりは無いんだ、ただね、あいつ……名前なんだっけ?まあいいや、スキンヘッドはちょっと問題を起こしすぎだったらんだ。だから、あんな仕打ちをしてくれて、少しは懲りただろう」
おおい、職員ぐらい名前覚えておこうよ、スキンヘッドが悲しむよ?まあ、恥ずかしさの方が上回るだろうけど……
「で、冒険者登録するにはどうすればいいの?」
「ぷぷっ、ああ、この用紙に職業と戦闘スタイル、筆頭スキルを書いてくれ、職業以外は無くてもいいけど、パーティが組みにくくなるからね」
思い出し笑いかな?スキンヘッド、強く生きろよ……。
「わかったわ」
特にパーティが組みたい訳でもないので、職業だけを書く。
「はい、終わったわ」
「はいはい……職業は、魔法拳士?なんだい?これ、初めて見るよ……」
ふぅん?どうでも良いから、早く済ませたいんだけどね。
「はい、Eランクの冒険者カードだよ、一回までなら無くしても無料で再発行できるけど、三回目からは料金を取るからね」
「ええ、分かったわ」
「それと、ランクはG、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSSだ、Sは7人で、それより上は居ない。僕はなんでSより上を作ったのか気になるけどね」
ほうほう、まあ何でも良いのだが……。
概ね、あのスキンヘッドを倒したからだろう。
「早速依頼を受けるかい?受けるなら、君にはこのウルフ討伐依頼をオススメするよ」
「なら、それを受けるわ」
「はい……受注完了、後は部位を剥ぎ取って来るか、丸ごと持って来てお金を稼ぐかだ、行ってらっしゃい」
私はウルフの居る森に来ていた。
「さって、一狩りしますか」
少し歩くと、灰色のウルフが五匹と、少し大きめの赤毛の混じった色違いが出てきた。
一匹だけでやって来たウルフの脳天目掛けて蹴りを見舞う。
すると、ウルフの頭は蹴った場所が凹んだ。
顔の半分くらい凹んでるし、もう死んで居るだろう。
勝てないと悟ったのか、赤毛が短く鳴くと、撤退を始めた。
こっちだって依頼で来てるんだ!放って居られるか!
ウルフ達と私のスピードは、私が少し早い程度。
先に走って行った事もあって、中々追いつけない。
すると、急にウルフ達が止まった。
こっちを見てかなり警戒している。
30秒もしない内に、赤毛ウルフの部隊が四つやって来て、更に赤毛ウルフよりも大きな漆黒の毛を生やしたウルフもいた。
おお?黒毛なんて片目が傷付いてるぞ?結構強そうだな……お?まずはウルフ8匹で様子見ですか?
だが、ウルフ程度ならば左脚を軸にした回転で当たった瞬間吹っ飛んだいくよ、あ、これ風魔法と合わせたら自分を中心に竜巻を発生させる事も出来そう。
次はウルフ11匹全員と、赤毛三匹で体力を削りに来た。
ウルフ達を相手にしているところに、赤毛が隙を突いて噛み付いて来た。
金剛化しておいて良かった、良くも悪くも腕が使い物にならなくなって居たであろう。
「今度はこっちから行くわよ!」
ああ、女口調がもう完全に染み付いた……まあ、心の中ではまだ男だし、大丈夫……なはず?
ウルフは蹴りで蹴散らし、赤毛は三方向から挟み撃ちにして来たので、後ろに避けてから頭を雷で撃ち抜いた。
後は黒毛と赤毛二匹……ってあれ?黒毛が……
ーゾクッー
私は咄嗟に屈んだ。
さっきまで私の頭があった場所には、ブゥンという音を残して黒毛の前足が通過していた。
あっぶな!危機感知能力がもっと無かったらとっくに死んでたな……いや、死んではいないか。
屈んだ姿勢で手に紫雷を纏い、黒毛を思いっきり殴った。
ギリギリで後ろに飛び退いたらしく、ダメージは薄い。
くそう、何とかして……と言うか、さっきから赤毛が何もしないな……後ろを向くと、ナイフを二刀流に持ったナナと、血だらけになった赤毛が二匹倒れていた。
え!ナナ強い!?
近衛がやられてポカンとしている黒毛に、でっかい雷を見舞う。
少し焦げた程度だったが、体力が0になっていた。
「ナナ、凄いね!どうやったの?」
「えっと、隠れていたら、隠密と、暗殺術って言うスキルが手に入ったので、勇気を出してみたら出来ました!」
凄いな……ナナは絶対しないと思うが、敵にいたらとっても厄介だ。
「ナナ、このウルフどうしよっか……」
「あ、それなら私が『インベントリー』というスキルを持っているので大丈夫です」
流石ナナ、頼りになる〜。
帰る途中で、お腹辺りが金色で、それ以外は青という可愛いくてちっちゃいフクロウがいたので、ペットにする事にした。
今は私の頭に乗っている。
ギルドに戻って来た私は、受付のお兄さんにウルフのことを話した。
「ええ!?それって、赤毛はキラーウルフ、黒毛はデスウルフだよ!?逃げて来たんだね、良かった……」
「え?倒して来ましたけど?」
「え?」
ナナに視線を移す。
「ちょっと解体場所まで案内してくれませんか?」
私の言いたいことはお見通しかな?
「あ、ああ」
解体場所に行き、ナナが全部出し終えると、受付のお兄さんは開いた口が塞がらないといった様子だった。
「あ、こ、これは夢かな?君、解体は明日になったら出来ていると思うから、また来てくれるかな?依頼は2回分のクリアになるから、銀貨2枚だ、受付に来てくれるかな」
ということで、ギルドで銀貨2枚を貰って、Cランクに昇格して、学園に帰ってきた。
「おお、ルナ、結果が出たぞ、お主は文句なしの合格じゃ、明日からはSクラスに行くんじゃぞ、それと、ワシの権限で特別生として入学する事になったから、そこよろしくの」
ほうほう、わかった。
でも、特別生って何ぞ?
ルナ達の現ステータスです。(*^ω^*)
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ルナ・アートステント 4歳 レベル47
種族・兔人(人狼 龍人 鬼人 エルフ)
職業・魔法拳士
ステータス
体力 3070\3070
魔力 6370/6370
攻撃力 1370
防御力 1310
精神力 1470
素早さ 1550
運 250
スキル
【風魔法・上級】【雷魔法・上級】【治療魔法・中級】
【隠蔽・中級】【鑑定・中級】【魔法拳・中級】
【身体強化・中級】【暗視】【魔力感知】【気配察知】
【魔力操作・中級】
ユニークスキル
【紫雷】【疾風迅雷】【加速】【風切流体術】
【金剛化】【ステータス上昇・極】
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ナナ 6歳 レベル10
種族・人族
職業・メイド
ステータス
体力 600/600
魔力 400/400
攻撃力 300
防御力 140
精神力 200
素早さ 400
運 100
スキル
【メイド術・上級】【家事術・上級】【水魔法・中級】
【火魔法・中級】【治療魔術・低級】【ナイフ術・中級】
【隠密・中級】【暗殺術・低級】
ユニークスキル
【二刀流】
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