ステータス貰ったどー
途中からルナの一人称が私になっているのは、期間を経て慣れたからです、女口調もあの方のせいです。
俺は、始めて庭に出た。
その時は、かなり雲っていたので、雷魔法を使ってみた。
イメージ……イメージ……
ーバッガァァァン!!ー
雷は俺の頭上に発生し、俺に直撃したがダメージはなく、風纏いと同じように雷を纏っている。
ただし、雷の色は紫だ、つまり紫雷だ。
ーバチバチバチー
家族やメイドは私……の異常に気がついたらしく、私……を見ると顔を真っ青にして駆け寄って来た。
雷を纏った私……は、触られると無差別で紫雷が攻撃してしまうらしく、大丈夫かと何度も問いかけて来た。
「大丈夫だよ、母様、父様」
私……の声を聞くと、安堵したが、本当に大丈夫なのかわからないらしく、まだ慌てていた。
そんなに慌てなくても、魔法だし死ぬ訳じゃないのに……でも心配してしまうのは、やはり親だからであろう。
その後、紫雷を維持したまま部屋に戻って鏡を見ると、髪が紫に変わっていた。
「おぉ……」
紫雷もバチバチと音を立てている。
中二病ではないが、カッコいいと思った。
その日を境に、庭で魔法を練習するようになった。
もちろん、誰にも見られない様にだ。
そんな事を二ヶ月程繰り返していた、ある日の事……。
私は、風と紫雷を同時に纏う事が出来るのかが気になり、いつものように周囲を警戒する事を忘れ、熱中していた。
ーバチバチバチー
風は音を遮断する効果もあるため、音がない。
紫雷の音も、聞こえるのは私だけだし、警戒しているつもりになっていた。
「お嬢様?」
ギギギ…と、まるでロボットのように首を動かし、振り返ると、そこにはナナが立っていた。
洗濯カゴを持っている所を見ると、洗濯をしに行く途中のようだが、この時間帯は洗濯はしないはずだ、何故ここに……っと、それはどうでもいい、問題なのは、ナナに魔法の練習を見られた事だ。
「あー……ナナ、この事は内緒にしてくれない?」
ナナの方が背が高いので、見上げる様な形になってしまう。
すると、ナナは突然鼻血を吹き出した。
それはもう盛大に、人間ってこんなに鼻血でるのか?ってレベルで。
「ナっ、ナナ!大丈夫!?」
流石にこの量は心配になるぞ!?ナナの手が真っ赤に染まり、滴って、コップいっぱいの水を溢したした時並みの血の溜まり場が出来ている。
「グハッ……私は……お嬢様のメイドで……幸せでした……」
ガクッ
ナナは突然前のめりに倒れてきたので、支えた私の服にも鼻血が付く。
「ナナぁーー!?」
あの後ナナは、医務室で色々とあったらしいが、突然鼻血を出した事は何故かわからない。
それと、ナナは魔法の事を誰にも話さなかった。
それだけが私にとっての救いだ。
これ以上隠していても、いずれバレる事が分かったので、潔く両親に話す事にした。
私の魔法を見た両親は、しばらくポカーンとしていて、復活した後で私を褒めまくった。
「この子は将来大魔導士になるわ!」とか、「ルナはまだ常識や、世間を知らない。学園に入れるのが良いだろう」
あ、私学園に入るのね……学園!?う〜ん、それはちょっと……言おうとしても、両親の雰囲気がそうはさせてくれない。
『学園に入りますか?イエスかハイで答えなさい』と言われている気分になった。
そこまで嫌なわけでもないんだけどね……。
「となったら、アメリア!早速ステータスを頂きに行こう!早く才能を開花させてあげるのも親としての役目だ!」
「そうねセリオス!でも、準備もあるから明後日になるわね」
おおう?私の知らない所でどんどん話が進んで行くぞ?ねぇ、本人の意見を聞かないの?ねぇねぇ、聞かないの?
あ、聞かないんですか、そうですか……。
はい、今私は馬車の中で母様の膝の上でちょこんと座っています。
今は隣の王国へ向かっている様です。
教会は、国の首都にしかないらしく、今はそこは向かっているらしい。
ついでに兄も連れてこられているが、めっちゃ不機嫌そう。
「そろそろ着くぞ〜、ルナ、ソラ」
「は〜い」
「チッ」
兄よ、私は君の将来が心配だよ、不良になっても知らんぷりするよ?両親泣くよ?ついでに私はブチのめすよ?
ほ〜、教会ってマジもんなザ・教会って感じなんだな〜。
「おやおや、こんにちは。祝福をお受けになるのはそのお子さん達ですかな?……でしたら少し早いのでは?」
「いや、大丈夫だうちの子達は賢いからな」
父様よ、親バカ加減が全開だぞ……ホラ、あの人も顔が引き攣っているぞ。
そんな事は御構い無しに、両親は教会の人に早くやれとばかりに目線を送っている。
「で、では貴方達に祝福を」
女性の石像の前で教会の人が祈ると……石像が光った。
「はっ!」
「ああ、起きた?」
「石像が喋った!?」
「石像じゃない!本物だボケ!」
「痛い!」
さっきの石像と同じ人に頭を叩かれた。
「誰?」
「私は、才能の女神で、メアと言うのよ」
「へー」
「へーって、反応薄くない?祝福の量減らすわよ?」
「そんな事出来んの?」
「出来ない」
出来ないのかよ!?
「何のために呼んだの?」
「そりゃ、祝福を直接与える為に決まってるじゃない」
呆れ顔で言われた。
美人ってどんな顔しても見とれそう。
「ふ、ふん!そんな事言っても何もないんだからね!」
ん?ツンデレさんかな?まあ良いや。
「祝福はよ」
「……現金な奴ねー……仕方ない……はい、終わったわよ、じゃあね。また会うかも知れないけど」
「え?」
っは!あれ?女神は?
「大丈夫か?ルナ、女神像が光ったかと思ったら、急にお前が倒れるもんだから、心配したぞ?」
「大丈夫よ、父様」
あれ?私って女口調だったっけ?……精神は身体に引っ張られるってやつか?
「ルナ、ステータスって言ってみて?」
母様が言ってきたので、ステータスと言う。
「ステータス」
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ルナ・アートステント 2歳 レベル1
種族・兎人(人狼 龍人 鬼人 エルフ)
職業・魔法拳士
ステータス
体力 300/300
魔力 500/500
攻撃力 120
防御力 100
精神力 220
素早さ 300
運 250
スキル
【風魔法・上級】【雷魔法・上級】【治療魔法・中級】
【隠蔽・低級】【鑑定・低級】【魔法拳・中級】
ユニークスキル
【紫雷】【疾風迅雷】【加速】【風切流体術】
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へぇ、凄いのかすごくないのかわかんないや。
「ルナ、ステータス観覧と言って私達の名前を読んでみて?」
「うん。ステータス観覧、アメリア・アートステント、セリオス・アートステント」
「「……」」
やっぱり低かったのかな……。
「凄いわ!ルナ!あなたやっぱり天才だったのよ!」
と、また両親の親バカが全開になった。
でも、悪い気はしない。
一般人のレベル1のステータスは、大体100前後です。
あの方は、お察しお通り女神様です。