対吸血鬼戦
あれ……?おかしいな、無双して終わらせるつもりだったんだけど……どこで狂ったんだろ?(´・ω・`)
あれから3日経った。
はぁ……何で私がリーダーなんかに……。
そう、私は何故かわからないけど、校長からの推薦という事でリーダー認定されてしまった。
まあ、学園組のリーダーな訳だけど、うるさい子にはチョップを喰らわせる。
そろそろあの馬鹿吸血鬼が侵攻してくる時間だろう……っと、噂をすればかな?
『警告だ、潔くこの国を手渡せば俺の眷属にしてやる。それでも歯向かうと言うのならば、容赦はしない』
いや、おかしいよね?何で勝てる試合でわざわざ眷属になりにいく馬鹿が居ると思ってんの?
はぁ……じゃあやりますかね。
「総員、3人以上でグループを作り迎撃せよ!」
この前、異論がある人には大人しくするまで戦ってあげた。
だからみんな私を信じくれているのだ、しかも実力もかなりある事を知っているのでお友達が増えた。
端っこになぜか怯えているひとたちが居るけど、私がチラッと見ると背をシャキッとさせた。
うんうん、やる気があるのは良い事だよ。
ちゃんとグループを作り、吸血鬼や他の魔物を倒している。
それを見た私は、一応『持続回復』を仲間のみを対象にし、広範囲にかける。
「私はあの馬鹿吸血鬼を倒しに行こうかな」
有言実行、直ぐさま敵中に突っ込み近づいて来た、又は邪魔になった敵を容赦なく風で斬り刻む。
味方はまだここまで達していないので心配はないはずだ。
「また会ったね?」
「……またお前か。だが此方には切り札がある、降参すれば幹部にしてやるが?」
「嫌だよ、なんで勝てる戦で降参しなきゃいけないの?」
「……そうか、残念だよ。『魔力霧散結界』」
……なにこれ、さっき言ってた切り札がこれなら、飛んだ勘違いだ。
私が接近戦は出来ないとでも思っているのか?
「血祭りにあげてやる」
獰猛な笑みを浮かべ、吸血鬼に殴り掛かる。
「なっ!お前魔法職じゃないのか!?」
「魔法使いだけど、接近戦が出来ないとは言ってないよ?」
「クソッ、グレイ、フィズ!コイツを潰すぞ!」
仲間を呼んだのか、執事とメイド姿の吸血鬼が出てきた。
3人で仕留めるつもりなのだろうが、遅い、遅すぎる……丸でゴブリンを相手にしているみたいだ。
右は単純に私の心臓を、左は私の機動力を削ごうと足狙い、吸血鬼は私の注意を引こうと顔狙い。
足は変則のステップで相手の読みを撹乱し、顔は左腕で受け、心臓は流石に再生するの見られたら気持ち悪いだろうし、右腕で攻撃を逸らしながらちょいちょい反撃する。
「遅い」
「なっ!」
私が高速で動くだけで、吸血鬼達は私を見失う。
「戦闘で余所見するなんて……殺してくださいって言ってるようなものだよ?」
「うるさい!」
3対1なのに、こちらは一向に傷を負わない、逆にあちらの再生が追いつかないようだ。
自分で張った結界に自分が不利にされてる様じゃ、私は倒せない。
正面の馬鹿以外は躱しながら反撃をする。
ただ煽って動きを単調にするだけだ、あの馬鹿吸血鬼はすごくイラついているようだが。
「弱い、遅い、極め付けに大振りで当たらない。そんな攻撃で私に勝てるとでも?」
「黙れ!当たりさえすればお前なんて倒せるんだよ!」
果たして本当にそうなのかな?念の為【金剛化】を使い、立ち止まってわざと攻撃を受ける。
ーガキンッ!ー
「なっ!嘘だろ……」
この馬鹿吸血鬼はかなり驚いていた、だが攻撃を止めようとはしない。
さて、そろそろ終らせようかな。
私は他二人の攻撃を無視し、アイテムボックスから出した銀の短剣を心臓部に突き刺す。
いやあ、綺麗だからって買っておいた甲斐があったね。
「ぐっ……」
「かっ……」
そのまましゃがみ、足で馬鹿吸血鬼を蹴り飛ばし、執事とメイドの心臓にもう一度深々と突き刺す。
後はアイツだけだ、私は忠告はした。それを無視して突っ込んで来たのはアイツだ、私は正当防衛ってやつだよ。
「あのまま自分の家に引きこもっていればよかったものを」
「うるさい!よくもグレイとファズを!」
はぁ……自分達は奪う側で、私達は何も出来ず奪われる側だとでも?
そんな訳あるか、馬鹿じゃないの?本当、そういうちゃんと計画を立てずに、相手の戦力も知らずに攻撃仕掛けるからいけないんだ。
「つまんない。最後にもう一度言うね、さっさと手を引け、さもなくば私はお前達を殲滅する」
イライラがちょっと表に出ちゃった、でも仕方ないんだよ?コイツら意味わかんない考えで戦争吹っかけて来たんだからイラつかない方が無理ってものだよ。
「ふざけるな!今更引けるか!」
「……そう、残念。じゃあバイバイ」
私はさっき使った銀の短剣をすれ違い様に心臓に刺す。
さっきのメイド達とは違って、刺さりながらも最後の悪足掻きと滅茶苦茶に攻撃をしている。
魔力弾の機動はとにかく放っている感じで、私には少ししか当たらない。
その場で暴れまわっているだけなので、手も届かない。
「グブッ……お"お"お"お"お"……」
「はあ、みっともないね、こんな最期」
私がみんなの元へ戻ろうとした時、それは突然姿を変えた。
「ggyaaaaaaaaaaaa!」
もう言語か何かもわからない言葉を発し、吸血鬼だった面影も無く、無様な肉塊へと変わって行く。
これはマズイ、と感じた私は急いで最大限の魔力を練り上げ、私が最初に開発した魔法、『覇天雷撃』を放つ。
ードッガァァァァァァァァァァァァァァン!!ー
鼓膜が破れそうだ、それ程までに大きな音を轟かせ、自然の雷よりも数十倍も大きい雷が盛り上がった肉塊を焼く。
「ggguuuugyaaaaaaaaaaaa!?」
顔はどこにあるのかさえわからないが、苦しんでいるようだ。
焼かれた肉塊は、その場に倒れ動かなくなった。
「ちょっと……これは……ヤバかったね……」
魔力の使い過ぎで、立っているのもままならない。
「うっ……」
フラつき、その場に倒れる私。
誰かが私を抱き上げた気がしたが、朦朧とした意識のなかでは誰かを見分けることはできなかった。
最後雑っ!
って思った人、それは間違っていない。
いや、間違ってるけど、時間がなかったんです許してください




