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吸血鬼視点 異界の刺客

すぅみませんでしたぁ!更新遅れたのは私のせいです、遊んでました。

 〜フィラー(魔王)視点〜



 なんなんだよ!あのクソ親父は!

 俺が何かを言えば間違っている、そうではないなどと、ふざけるな!……だったら俺が示してやるよ、この俺、吸血鬼こそが全種族の頂点であることを!

 久し振りに実家に帰ってみれば喧嘩、喧嘩、喧嘩……もううんざりだ!何で吸血鬼が下等種族なんぞと手を取り合わなければいけないのだ、俺は吸血鬼の中で一番強いんだぞ!神は信じちゃいないが、この魔物の王という職業は神が俺に革命を起こせと命じているに違いない、やってやるよ、魔物の王となった俺の力の前に怯えるがいい!


『やあ、愚かな人族共。僕はこの全種族が手を取り合うなんてバカな協定には飽き飽きした。全種族の頂点に立つのは僕等吸血鬼だって事を教えてあげるよ。この僕、魔王が君らの世界を支配してあげるよ、そうだね……先ずは色々と進んでいる王国から侵略してあげるよ。精々震えて自分たちが(やぶ)れるのを待っているんだね』

 はっはっは!精々震えて待つがいい!力無き種族など要らぬ、この世は弱肉強食だ、その理に背き続けるなど愚の骨頂(ぐのこっちょう)

 吸血鬼が頂点に立ち、恐れられる時代の再来だ。

 嗚呼(ああ)、俺が王になるのが待ち遠しい、家族など俺を理解しようとも思わない者は要らない、精々隠居(いんきょ)でもしていろ!

「クソっ、イライラする、イライラする、イライラする……!」

 頭を掻き毟り、収まらない怒りを見なかったことにし、頬杖をつく。

「先ずは王国、あそこはここ100年は平和というふざけた国だ、その平和を潰し、どこかの国に加担し、加担した国が頂点に立った所で俺が占領する、そして俺の意見に賛成してくれた吸血鬼を呼び、本来あるべき姿の時代が始まる……」

 ブツブツと、自分でも聞こえ難い声で呟く。

「やあやあ、こんにちは」

「っ!誰だ!」

 部屋には今まで誰も居なかった筈だ、しかも俺の気配察知をすり抜けて来た、だがそれは隠密系のスキルが育っているからだろう、こっちの世界には兎人はいない、向こうの世界からやって来たのだろう、何かしらの情報を持っていかれると面倒だ、それに地下室の魔方陣を展開している仲間たちに被害が及んでもダメだ、始末しよう。

「グリムくん、魔王でもアレはちょっとおいたが過ぎるよ?」

 チッ、なんだよコイツ……ウザい、早く消えろよ!

「黙れ!勝手に入ってきておいて、何で説教なんてされなきゃいけないんだ!」

 俺は自分の使える魔法の弾で実力を見る。

「あのさぁ、こんなに弾幕張ってさ、私が死んだらどうするの?」

 ……さっきから一向ににあたらない!なんでだよ!

「知るか!お前が悪いんだろ!」

 死んだ方がいいんだ、致死性のある攻撃が当たり前だろうが!

「えぇ……やっぱりちょっと痛い事しないとダメ?」

 魔法が消え去り、兎人が目の前に居た。

「うわっ!な、何で魔法が……」

 俺の魔法は聖級だぞ!何で戦闘の弱い兎人如きに……そうか、少ししか使えないユニークスキルか!さっさと潰すに限る、ちょこまか逃げんなよ!

「はぁ、私は侵攻をやめて欲しいだけなんだけど……」

「うるさいうるさい!何なんだよお前!何で当たらないんだよ!俺は魔王だぞ!こんな兎人如きに負けるはずがない!」

 俺は魔王なんだよ、なんでお前如きに負けなきゃいけないんだ!さっさと終わらせて俺も魔方陣の手伝いをしなければいけないのに……!

 さっさと死ねよ!なんで避けるんだよ!

「うわぁぁぁぁ……」

「『停止(ストップ)』」

「ぁぁ……ゴフッ、ガァァァァァ!?」

 何が起こったのかわからない、何で俺が吹っ飛んだ?あいつは何をした?何故おれがダメージを受けている……!ああ、もうイライラする、イライラする、イライラする!

「まだわかんないかな、貴方は私に従うしかないんだよ?」

「ゴハッ……な、なぜ俺が……」

 立ち上がると吐血した、再生のお陰でなんともないが、何でおまえ如きが俺と同等なんだよ!

「じゃあ教えるけど、私も魔王なんだよね」

「何……?」

 そんな訳がない!魔王は俺にこそ相応しいものなんだ!お前如きが名乗っていいものじゃない!

「だからさ、私よりレベルが低い貴方に勝ち目はない、私は特化型で、貴方はオールラウンダー、遠近中距離は両方得意分野、ならどちらが極めているか、実力が高いかで勝負は決まる。貴方は長年生きた経験があるけど、私は高い能力がある」

「な……ならばなぜ俺の邪魔をする!同じ魔王なら野望も同じはずだ!」

 そうだ!何でだよ!お前はこの世界が間違ってると思ったから魔王になったんだろ!なんで俺の邪魔をするんだよ!

「ふぅん?なら貴方の野望っていうの、聞かせてよ」

「俺は、俺はな!全種族が仲良く手を取って暮らすのにはウンザリなんだ!なぜ強者である俺たちが追放され、弱者と同じ仕事をしなければいけない!世界は強い者が支配するべきなんだ!お前は不満ではないのか!?この世界が!」

「貴方さ、自分がどれだけの規模の事をしようとしてるのかわかってる?下手をしたら世界全部を敵に回すんだよ?」

「だから何だ!俺が好きな事をして何が悪い!」

 早くしろよよ!俺が本当の魔王だってこ事を証明してやる!

「ハァ……じゃあ仕方ない【風神雷神】【身体強化・超級】【加速】【金剛化】【魔王】【循環】」

 あいつは身体強化系のスキルを掛け、俺を見つめる。

「『千手観音』」

 あいつから数えきれない程の量の手が出てくる、俺は呆気にとられ、身体が恐怖で動かない、なんでだよ!俺はこんなクズよりも強いんだぞ!

 吸血鬼の弱点を知らないのか、あいつは銀でも聖属性でもないもので攻撃してくるようだ。

「な……なんだよそれ……」

 必死に身体を動かそうとしたが、動いたのは口で自分も気づいていない事を言っていた。

 俺には何も言わずにあいつは俺を握り潰した。

 いくつも、いくつも手で圧縮され、一気に押しつぶされた。

 ーグッチャァァァー


 意識はある、やはりあいつは吸血鬼の弱点を知らなかったようだ。

 バカめ!おれは地の果てまでお前を追いかけ回し、殺すよりも残酷な事をしてやるぞ!


 新人魔王はその感情の昂り故に再生が途轍もなく遅いことに気づかない。

さて……この哀れな吸血鬼はどうなるのか?(大体わかるような気もするけど)お楽しみに!

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