おいたが過ぎると怒っちゃうゾ☆
「」←の中にまた「」があるのは、他の人が喋ってる途中で割り込んで話している時です、今回それが出るので事前に書きました。
しかし……どうするか、このまま帰るのもアレだし、ちょっとボコってから行こうかな?【擬似不死】だけど不死は不死なんだろうし、殺しても問題ないでしょ、殺さないけど。
何でか?だって、それじゃ校長が援軍の要請送ったのにパーじゃん?だからある程度進軍を遅らせる事が出来れば良いかなって思った訳。
「やあやあ、こんにちは」
「っ!誰だ!」
さっきまで誰も居なかった部屋に、扉も開かずに入ってきた私。
そりゃ驚くなって方が無理でしょ。
「グリムくん、魔王でもアレはちょっとおいたが過ぎるよ?」
「黙れ!勝手に入ってきておいて、何で説教なんてされなきゃいけないんだ!」
はっはっは、私からしたらあの程度度が過ぎた悪戯程度にしか思わないのだよ。
ってかさ、何で急に魔法撃ってくるん?頭おかしいの?お花畑なの?バトルジャンキーなの?
「あのさぁ、こんなに弾幕張ってさ、私が死んだらどうするの?」
「知るか!お前が悪いんだろ!」
不法侵入?いやいや、煽ってきたのそっちじゃん。
「えぇ……やっぱりちょっと痛い事しないとダメ?」
魔法を形成させる前に霧散させ、新人魔王の目の前に唇に人差し指を当てながら首をかしげて聞く。
「うわっ!な、何で魔法が……」
入り口付近に転移しまた近くに来た魔法を霧散させるという作業を開始する。
「はぁ、私は侵攻をやめて欲しいだけなんだけど……」
「うるさいうるさい!何なんだよお前!何で当たらないんだよ!俺は魔王だぞ!こんな兎人如きに負けるはずがない!」
……その目の前の兎人も若干違うけど魔王なんだよなぁ、まあそれを確認する事は出来なあんだろうけど……現に今わかってないし。
それから魔王になったからって言っても最強になった訳じゃないからね、増長しちゃったんだろうね。
「うわぁぁぁぁ……」
やけくそで色んな魔法を撃ちまくる新人魔王、そんな君にはこれをプレゼント。
「『停止』」
世界の時間が止まった、その内に魔力弾を連射する。
ードゴゴゴゴゴゴゴゴ!ー
時間が止まっているので今は何ともない、私が解除した瞬間に停止していた衝撃が一気に襲って来るだろう。
「解除」
「ぁぁ……ゴフッ、ガァァァァァ!?」
何が起こったのかわからなかったのだろう、驚愕に目を見開いている。
「まだわかんないかな、貴方は私に従うしかないんだよ?」
「ゴハッ……な、なぜ俺が……」
「じゃあ教えるけど、私も魔王なんだよね」
「何……?」
「だからさ、私よりレベルが低い貴方に勝ち目はない、私は特化型で、貴方はオールラウンダー、遠近中距離は両方得意分野、ならどちらが極めているか、実力が高いかで勝負は決まる。貴方は長年生きた経験があるけど、私は高い能力がある」
「な……ならばなぜ俺の邪魔をする!同じ魔王なら野望も同じはずだ!」
「ふぅん?なら貴方の野望っていうの、聞かせてよ」
「俺は、俺はな!全種族が仲良く手を取って暮らすのにはウンザリなんだ!なぜ強者である俺たちが追放され、弱者と同じ仕事をしなければいけない!世界は強い者が支配するべきなんだ!お前は不満ではないのか!?この世界が!」
「貴方さ、自分がどれだけの規模の事をしようとしてるのかわかってる?下手をしたら世界全部を敵に回すんだよ?」
「だから何だ!俺が好きな事をして何が悪い!」
いやいや、だからさ、好きな事はして良いけど、他人を巻き込むなってことよ……。
「ハァ……じゃあ仕方ない【風神雷神】【身体強化・超級】【加速】【金剛化】【魔王】【循環】」
私は身体強化系のスキルを全て掛ける。
そして発動するのは、ちょっと前に思いついた魔法……なのかな?
「『千手観音』」
次元を超える千に届く白い手が現れる。
その間私は無防備になるが、守れば良いだけ。
これは物理、魔法の融合なので、攻撃と精神力の両方が加算される。
不死だからあるあるな吸血鬼の弱点、日光や銀の武器、聖属性攻撃以外なら死なないよね。
「な……なんだよそれ……」
動けなくなるので、喋る事も出来ない。
私は何も伝えずに新人魔王を潰す。
いくつも、いくつも手で握り、一気に圧力を加えて押しつぶす。
ーグッチャァァァー
まあこれで懲りてくれれば万々歳なんだけど、そうはいかないだろう。
ビチャビチャ……と肉片や血が落ちる。
当然あの手には何も付いていない。
肉片になった吸血鬼が再生するのを見るのは少しグロい。
だってさ、ちっちゃい肉がピクピクと動きながら同じ場所に向かってるんだよ?
動きは滅茶滅茶遅いし、遠くに飛び散っているからしばらくはかかるだろう。
スキルの【超再生】が効果を出していないのは私が魔力が集まるのを妨害しているため。
「はぁ、脅し……じゃなかった、視察じゃ無くなっちゃったけど良いよね、皆んなのためだもん……うん、私は悪くない」
自己暗示をかけつつ、魔力の収束を妨害する魔法の残滓を部屋中に撒き散らしつつ、『次元転移』で島へ戻る。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
優雅なお辞儀をしつつ出迎えてくれたのはミスティさんだ。
「って、何でそんな格好してるんですか?」
そう、ミスティさんが来ていたのはメイド服だ、何気なく髪を結びカチューシャを付けている。
「やってみたかった、後悔はしていない。達成感ならお裾分けできる」
お裾分けなんてしなくて良いよ……たまにこう言う事があるからこの人……神は……。
「それは置いておいて、「置いておかれると悲しい」置・い・て・お・い・て、あの魔王は何であんなにこっちへ侵攻しようとしてくるんですか?」
「ん〜?多分本当に自分がやりたいからやってる」
……マジか、他の理由が何かしらあると思ってたのに……まさか本当にそれだけだとは、まあ今の生活は満足してるから壊されたくない、よってアイツは私魔法で蜂の巣になるのだ。
フッ、腕がなるぜ。
良ければブクマ、評価、感想などよろしくお願いします。
(´・Д・)」
明日で冬休みは終わりか……トホホ。




