魔王倒すどころじゃない!
二話目です。
事前に作っておいた小説です。
だからこんなに早いんです。
言い訳はともかく、
どうぞ!
と、序章の最後で格好付けてみたけど、まず街に行かないと何も始まらないね。
というか途中で魔物とかでないよね?
今のボクじゃ多分簡単に殺されると思うし。
そんな感じでビクビクと警戒しながら歩いていたら、すぐに街に着いた。
よかった。魔物とかが出なくてホントよかった。
そして、街の門まで来て思った事は、
「で、でかい…」
街の形は円状で、大きさ直径1kmは軽く超えていた。
「と、とりあえず、入ろう」
ボクは街に入った時に気付いた。
あ、あれ?【ギルド】どこ?
そう思い、少し焦っていたら、
「どうした坊主、道にでも迷ったか?」
と、声をかけられたので、振り返ると、ムキムキの男の人がいた。
「あ、すみません。あの、ギルドってどこにありますか?」
せっかくなのでその男の人に聞いてみた。
「ん?ああ、ギルドならあそこを曲がるとすぐだ。坊主、冒険者になりに来たのか?」
「はい。あ、もしかしてあなた、『冒険者』ですか?」
「いや、俺は違うよ。俺は『鍛冶屋』だ。おっと、忘れてた、俺はダンベル。よろしくな」
この人、『鍛冶屋』なのか。体がムキムキだから、『冒険者』だと思った。
「はい。よろしくお願いします、ダンベルさん。あ、ボクは小野時雨…シグレです。『冒険者』になったら、ダンベルさんの店に行っていいですか?」
「おう!歓迎するぜ!じゃあこの街の地図をやるよ」
ホレッ、と地図を投げ渡してきたので慌ててキャッチした。
「ありがとうございます!…あっ、そうだ。この街の名前はなんですか?」
「ん?シグレお前この街の名前知らないのか?この街の名前は【フリームの街】だ。見ての通り、『冒険者』の街だぜ」
じゃあな、とダンベルさんはお店がいっぱいある所に去っていった。
「さよなら~。さてと、じゃ、早速【ギルド】へ向かいますかっと」
地図を、いや地図だけを頼りに、【ギルド】の方向へ向かい、途中で迷いながらも(地図あるのに迷うってドユコト?なんでこんなに方向音痴なの?ボク) なんとか着いた。
着いたけど……、ナニコレ?
地図に載っている【ギルド】の位置にあるのはどう見てもお城にしか見えない建造物だった。
うん。何でこんなにデカイの?意味がわからないよ。
結構複雑な心境だけど、入ってみることにした。
うわ、中も広いな~。
と、当たり前の事を思いながらとりあえず受付みたいなところを探した。
そこでボクのスキルとも言うべき(言っちゃダメだけど)、方向音痴発動!受付にいくまでになんと十五分はかかったのだ!
もうなんなの?ボクの方向音痴さんボクに恨みでもあるの?いくら広いとはいえ、十五分はないわー。
しかも受付入口の横にあったし。後ろ向かなかったら、絶対辿り着けてないような気がするよ。
というか、十五分間後ろを一切見なかったボクって一体…。
ともあれ、なんとか受付に辿り着いたボクは受付のお姉さんに、
「すみません。ギルドに入りに来たんですけど」
「はい。では、お名前を教えてください」
「小野時雨です」
「えーでは、シグレさん。あなたは冒険者では無いようなので、まず冒険者登録をしましょう。」
これに手を置いてください、と受付のお姉さんは五芒星の魔法陣っぽいものが書かれた紙を取り出し、カウンターに置いた。
ボクは結構緊張しながら恐る恐るそれに手を置いた。
すると受付のお姉さんが、
「いあいあ!」
と、言った。え!?
いあいあって神話じゃん。
すると魔法陣が赤く光り、その光がボクの体を覆って、ボクの体に滲みこむ様に消えた。
「はい、登録完了です。では冒険者の説明をします。冒険者とは、モンスター退治やダンジョン攻略などの依頼をこなす人たちの事を言います。そして、大体の冒険者はギルドに入って、便利な特典を得ることができます。そして次に〈ステータス〉の説明をします。〈ステータス〉とは、自分の強さなどを数値化したものです。シグレさん、心の中で〈ステータス〉と呟いてみてください」
ボクは言われた通りに、〈ステータス〉と呟いた。…もちろん心の中で。
すると目の前にRPGのようなウインドウみたいなのが出てきた。
「あ、出た」
「ウインドウ、出ましたか?そこに書いてある文字や数字が〈ステータス〉です。読んでみてください。黙読で構いませんよ」
ここでボクの隠された能力とかが判明するのか…。
ボクはかなり期待しながら〈ステータス〉を読んだ。もちろん黙って。
個人情報
オノ シグレ
性別 男
年齢 十六歳
身長 152cm
体重 38kg
戦闘ステータス
レベル 1
HP 28
MP 24
攻撃 29
防御 40
魔力 36
俊敏 3798
固有スキル
気配感知…動くものの気配を感知する
脱出…ダンジョンから脱出する
気配遮断…気配を感知されにくくする
テレポート…登録した街や村へワープする
盗む…対象から物を盗む
盗賊の勘…近くの宝の数や位置を把握する
逃げ足…敵から逃げるときに俊敏が三倍になる
道具の知識…道具をうまく使える
隠れる…物陰にワープする
スニーク…自分の足音などを消す
投げナイフ術…ナイフをまっすぐに投げられる
トラップマスター…罠を生成し、設置する
バインド…縄を生成し、相手を縛る。縄の強度は使用者の魔力によって変わる
その他生活に便利なスキル70個
…多!?スキル多!全部で83個だよ!?しかも俊敏3798ってドユコト!?他のステータス二桁なのに俊敏四桁ってドユコト!?
ま、まあRPGとかではレベル1でこれって強い方でしょ?
「読み終えたら今度はこの魔法陣に手を乗せてください」
と受付のお姉さんは六芒星の魔法陣の書かれた紙をカウンターに置いた。
ボクがそれに手を乗せるとまた受付のお姉さんが、
「くぁwせdrftgyふじこlp」
え!ちょっと待って、今何て言ったの!?
すると今度は青い光が魔法陣から出てきて、その光がボクの体を覆って5秒ぐらい経つと、その光は魔法陣の中に戻っていった。
その紙に受付のお姉さんが何かのスキル(?) を使うと何もない空間からもう一枚紙が出てきた。
その紙には何か文字が書かれていて、それを受付のお姉さんは読み、そして驚愕した。
「え!?ちょ、ええええええ!?な、なんですかこの〈ステータス〉は!?数値が異常ですよ!俊敏以外低すぎます!それに反して俊敏が高すぎます!それになんですかこのスキルの数は!?今までの最高でも6個ですよ!?それを軽く超えた83個って【王都】の人たちもびっくりですよ!?」
え、今なんと?何が低いって?
「いやいやそんなはずないで「ちなみにこれが平均の〈ステータス〉です」ぶっ!?」
また違う紙を貰ったのでそれを見た。途端に吹いた。
書いてあったのは、
HP 1078
MP 598
攻撃 794
防御 689
魔力 749
俊敏 698
ちょっ!?たっか!?え!?ナニコレ!?
「平均でこれとか!?うわ、ボクの〈ステータス〉低すぎ!?」
「低いも何も今までの冒険者の中でぶっちぎりで最下位ですよ!俊敏以外の数値は今まで見た事ない数値ですし。というかなんで俊敏だけこんなに高いんですか!?レベル1ではこんな数値見たことないですよ!ですが総合的にはやはり低く過ぎます。この〈ステータス〉では生き残れるかどうか…。正直冒険者はやめておいたほうがいいとおもいますよ」
いきなり冒険者はやめとけって言われたよ!
ていうかボク魔王倒すどころかまず生き残れるかが難しいの!?どんだけボクの〈ステータス〉弱いんだよ!?
でもここで諦める訳にはいかないよね。
「いやでも、やっぱりこの〈ギルド〉に入ります!じゃないとなんか進まないような気がしますし!」
「え、ほ、本当によろしいのですか?」
「はい!」
「わ、分かりました。では」
コホン、と咳払いを一つして
「オノ・シグレさん、ようこそ我がギルド、〈フリームギルド〉へ!この〈フリームギルド〉はあなたを歓迎します!」
と、受付のお姉さんはニッコリと笑った。
ここからボクの冒険者ライフが始まるのか。
なんか感激だなあ。
「とりあえず、この後どうします?」
と受付のお姉さんは聞いてきた。
「とりあえず、早速依頼を…」
「はい。では今ある依頼は…、〈薬草採取の依頼〉と〈ゴブリン退治の依頼〉ですね。どちらにしますか?ゴブリン退治は正直やめておいたほうがいいですけど」
「ゴブリン退治で!」
「はい、ゴブリン退治ですね…って、え!?ご、ゴブリン退治ですか!?な、難易度的には薬草採取の方がいいと思いますよ!?本当にいいんですか!?」
「はい!」
やっぱり異世界といったらモンスター退治でしょ。
「わ、分かりました。では、いってらっしゃいませ」
「行ってきます!」
ボクはドキドキを胸にギルドを飛び出した。
はい。どうもただのラノベ好きです。
今回はいかがだったでしょうか。
ちなみに僕的には自信がありません。
これでも見てくれるならどうかお願いします。
あと、次からはすごく更新が遅くなります。
いないと思いますが、もしこの小説が気に入ってくれたりしてる人(いないと思いますが)、ごめんなさい。
それではまた。
さよなら~。