ここから始まる異世界の生活
初めましてただのラノベ好きです。今回初投稿のこの小説ですが、最強系やチート系好きの方はあまり好きではないと思います。はっきり言ってこの主人公はモブキャラよりも弱いです。ですが、それでもOKな方は、こんな小説でよければご覧ください。
では、どうぞ!
青い空、白い雲、見渡す限りの大草原。
うん。ここどこ?
ボクの記憶にはこんなところはないのですが。
というか、ボク確か、高校から帰ってる途中に…、あれ?思い出せない。
ボクが困惑していると後ろから、
「あなたが小野時雨さんですね?」
と、可愛らしい声が聞こえたので、振り返ってみると、
えらく可愛い女の子が居た。
年は10歳くらいだろうか、銀髪の、足元まで届くくらいの長い髪に、雪のような白い肌。幼く、可愛 らしい顔に、水色の綺麗な目、そしてなによりも目がいったのは、お伽噺に出てくるような、天使の 服。そんな感じの服をこの子は着ていた。
「え、えっと君は?」
「おっと、忘れていました。私はシエテ。これでも女神をやっています」
「!?ご、ごめんなさいシエテ様!」
ボクはシエテ様に、「君」と言ってしまった事を、慌てて謝る。
「いえいえ、いいのですよ。それより言っておきたい事があります。」
非常に残念ですが、とシエテ様は言って、
「小野時雨さん、あなたは死んでしまいました」
と、衝撃の事実(大方そんな事だと思ってた)をボクに突き付けた。
「マジですか」
「マジです」
「死んじゃいました?」
「死んじゃいました」
おおう、16歳で死んじゃったよ、ボク。
「死因は?」
「覚えてないのですか?」
「覚えてないんです」
「そうですか。ならえっと、死因は、ナイフでこう、グサグサッと」
ひええ、こわ!
「えっと、なんで刺されたんですか?」
「…あなたは、連続殺人鬼に殺されました」
……はい?
「は?ちょ!?え!?ボク何があったの!?ボク普通の男子高校生だったよね?」
「え?あれ?少し失礼ですが、あなたはもしかして男性ですか?」
「ん?はい、そうですけど?」
「ええ!?本当ですか!?すみません、あまりにもお顔が可愛らしいものでつい…」
とボクの女顔を自然と攻めてきた。
それをやめてほしいんだけどなー。今までどんなにいじられたか。
「す、すみません。話がそれちゃいましたね。えっと、何があったか具体的に説明しますと、その殺人鬼は警察から逃げていて、あなたの学校に立てこもり、ある女子生徒を人質にしました。その後に警察が到着し殺人鬼を包囲しましたが、人質を取られていて動けませんでした。そこであなたは殺人鬼の後ろからこっそりと女子生徒を確保しました。しかし、それに怒った殺人鬼はその女子生徒をナイフで刺そうとしました。ですがあなたは女子生徒を庇って代わりにグサグサと刺され、死亡しました。まあ、簡単に言うと、女子生徒をかばって死んだ。こんな感じです」
「お!」
女子生徒を庇ってとか、やるじゃん、ボク。
「それで、あなたには、二つの選択肢があります。一つ目は天国に行って、生まれ変わってもう一度人生をやり直す。そして二つ目は…」
読めた!このパターンはあれだ!
「「異世界に転生する」ひゅえっ!?」
よし!完璧!パーフェクト!
シエテ様のびっくりしている顔を見れてホクホクのボク。
「どうして分かったのですか!?」
「こういうのはもはやお決まりなんですよ!」
「そ、そうですか、では、どちらを選「二つ目で!」はや!?わ、分かりました」
「やった!」
まさか、夢にまでみた異世界転生ができるとは。
「では、どこに行くかですが、あなたに行って欲しい世界は〈ハルカンロード〉という世界です。道とついていますがちがいますよ」
「はい、分かってます」
「そうですか、では話を続けます。そして、その世界には魔物や悪魔などがいる、俗にいうファンタジーの世界です。つまり、魔法や剣にギルドまで、色々面白い事がありますよ。言ってしまえばまんまゲームです」
魔法!剣!!ギルドォォォォォ!!!キタコレ!キタコレ!そう、こういうのだよ、ボクが求めているのはこういうのだよ!
「せ、説明を続けてください!」
ボクは興奮気味に言った。
「は、はい。えー、今言った通りゲームみたいな世界ですので、当然魔王が居ます。あなたにはその魔王を倒していただきたいのです。ですが、普通の人では、魔王には到底敵いません。そこで「特典ですね、そうなんですね!?」は、はいそうです、特典です。どんなものでも構いません。ひとつだけ特典をお選びください!…と、言いたいところなのですが…」
「え?」
ボクは思わず聞き返した。
「はい、実は死ぬ前に他人の生死にかかわると、その行いによって特典を増減するという制約がありまして、死ぬ前に、もしくは死因が人を助けたという場合なら、特典が増えます。ちなみにあなたの場合は特典の数は二つになります」
やった!特典二つだ!
「と、まあそれよりも、特典をお選びください。特典の数は二つ。二つだけ、どんな物でも持っていけます。所謂、チートというやつです」
「チート…ああ、なんて、いい響きなんだろう」
といっても特典の数は二つ。慎重に選ばなければ。
あ、そうだ。いい特典思いついた。
「じゃあ必ず成功する盗賊とかのスキルを全部で!」
「わかりましたけど……いいのですか?折角ですしもっと強い特典にすればいいのに」
「いやいや、これでも十分に強いですよ。あと、二つ目は、使いやすくて、攻撃力もかなり高い短剣を二つで」
「短剣ですか…。はい、分かりました。デザインや特殊効果はどうします?」
んー、デザインと特殊効果かー。
「じゃあ、こう、刃が太くて、全体的に緑色で、特殊効果はすばやさを二倍にする効果で」
「分かりました。では、こういうのですか?」
と、シエテ様が言うと、ポフっという間抜けな音がして、二つの短剣が出てきた。それはボクがイメージしていたのと同じ短剣だった。すげー。
「はい。こういうのです」
「では特典も決まったことですし、そろそろ…」
「そうですね。そろそろ異世界に行きたいです!」
「はい。では、目を瞑ってください」
ボクは言われるままに目を瞑った。
すると何だかフオンフオンと聞こえてきた。
なんか嫌な効果音だなー。
「はい、もういいですよ。目を開けてください」
ボクは目を開けた。
そこには、白い雲と青い空があった。あれ?なにも変わって無いじゃん。
いや、あれ?
「あ!さっきはなかった森がある!でかい岩とかも!」
「えー、まず、あっちに町があります」
と、言ってシエテ様は僕から見て右を指差した。あ、確かに街が見える。
「言葉と文字は分かるようにサービスしました。お金の単位はGです。あと、活動資金と
して5000Gを財布にいれておきました。あ、短剣は腰にホルダーを作っておいたので
そこにいれてあります」
ボクは財布を取り出し、中身を見て、いつの間にか着けていた(着けられていた)短剣を確認し、
「ありがとうございます!頑張って魔王を倒します!」
「おねがいします。あなたに祝福を。それではさようなら!」
と、言ってシエテ様は蝶になって消えた。
かなりロマンチックな消え方だなあ。
そう思いながらボクは歩き出した。
こうして、元男子高校生のボク、小野時雨(16)の異世界ライフが始まる
えー。ここまで読んでくださってありがとうございます。どうでしたか?
と言っても今始まったばかりですが。
前書きでも書きましたが、この主人公は弱いです。
厳密にいうと、一般人以上モブの冒険者以下です。
かなり無様な戦い方をします。
関係ないですが、たまにここの文法おかしくね?と思うところもあるかもしれません。
それでも良ければこの小説をお読み下さい。
それではまた!