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強求

「主と言う者はですねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ケルちゃんが張り切りだしてから、良い主になるための帝王学が語られていた。

「強く、ブルジョア、面白くですわよ」

なにその基準?

全然関係ないような気が・・・・・・・・・・・・・

「まずは強さですわね、お嬢様は亡者ですから地獄一と言うわけには行きませんが、亡者の中ではナンバーワンくらいになってもらわないと」

「無理無理無理、私はか弱い女の子なのよ力なんて無いもん」

「大丈夫、私が付いてますわっ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん、あれからなんだかケルちゃんのペースで進んでいる気がする・・・・・・・・・・

悪い方向に進まなければ良いけど・・・・・・・・・・・・・・

しかし、この予想は悲しくも当たってしまう。


「おい姉ちゃん」

いきなり目の前にがっちりした体格の男が立ちふさがった。

「痛い目を見たくなかったら、ポイントをよこしな」

しょえ――――――――また絡まれちゃったよ

出発したときもそうだったけど、またごつい亡者に・・・・・・・・・・・・・・・・・・

って同じ亡者じゃん

げっ・・・・・・また後ろにも居るよ・・・・・・・・・

どうも出発したときと同じ亡者が、知らずに絡んできたようだ。

向こうも明日香の顔を見ると、そのことに気付いた様子を見せる。

「おっ・・・・・・・お前は・・・・・・・・・閻魔の愛人・・・・・・・・・・・・・」

そういえばこの亡者、ペンダントを見て勘違いしているんだった

愛人じゃないっ!!っと突っ込みたい所だけど、ここは勘違いさせておこう

「そうよ私は・・・・・・・・・・・・・・」

「待て――――――――いッ

明日香お嬢さんは閻魔さんの愛人なんかでは無いわ!!」

や・・・・・・・やめて・・・・・・私の作戦が・・・・・・・・・・

私が止める間も無く、ケルちゃんはまくし立てる。

「失礼な事を言うんじゃないわよ、この下民ども!!

このお嬢様はそんな後ろ盾が無くても立派に生きていける

ただの亡者ですわよ――――――――ッ」

そこまで言うと後はよろしくといった感じで引き下がるケルちゃん。

「なんだとッ騙しやがったな!!」

「い・・・・いや・・・・騙したというか・・・・・勝手に勘違いしたというか・・・・・」

目の前の男がすごい形相で睨んでいる。 

ど・・ど・・ど・・どうしよう・・・・・・・・・・・・・

こんなのに勝てるわけ無いよ・・・・・・・

そんなに睨むんだったら睨めっこで勝負だ!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんて言える雰囲気じゃないよね・・・・・

私はギブアップの意味を込めて、ケルちゃんに助けての目線を送った。

ケルちゃんはそれを察してくれたようで、また間に割って入ってくれた。

「情けないわね、あなた達は弱いものいじめしか出来ないの?

弱いものにたかるなんて自分たちが弱い証拠よ

私はそんなあなた達を絶対に許さないわ!!」

そうだそうだ・・・・・頑張れケルちゃん

「そんな弱いあなた達なんかね、この明日香お嬢様が一発で倒してあげますわ!!」

そうだそうだ・・・・・・・・・・・・・・・・・

え!?

そこまで焚き付けといてそれは無いでしょ――――――――ッ

「さっお嬢様、合図したとおりに戦闘の準備をしておきましたわよ」

激しく違う――――――――――――――――ッ

シクシク・・・・・・・・これは単なるいじめです・・・・・・・・・・・・・・

ケルちゃんが言ったとおり、ごつい男は戦闘準備万端の様子で顔を真っ赤にして明日香を睨んでいる。

「このやろう、言わせておけばいい気になりやがって・・・・・・・・・・・・・・・・」

後ろの相方からガラの悪い応援が入る。

「リキちゃんやっちまいなっ!!

ボコボコにした後に死ぬまで愉しんでやりましょうぜ」

負けじとケルちゃんも応援する。

「お嬢様、頑張れ―――――

明日香パンチよ

いや明日香キックよ

いや明日香ビームよ―――――」

「いやビームなんて出ないし・・・・・・・」

「とどめはカミカゼアタックよ―――――――」

「ケルちゃんそれ自爆攻撃・・・・・・・・・・・・・」

二人のやり取りを余裕と取ったごつい男は、さらに顔を真っ赤にさせ、頭から湯気を発している。

「ふざけやがって・・・・・・・・・絶対にぶっ殺してやる!!」

来た――――――――――――――――ッ

来ちゃったよ、かの有名な死の宣告・・・・・・・・・

頭の上の数字がどんどん減っていって、ゼロになると死んじゃうのよ・・・・・・・

なんて冗談を考えてる場合じゃないよね

こうなったらやるしかないわ

やばくなったらスーちゃん呼んで、飛んで逃げた後に怪我を治してもらおう

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