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碧落に竜の舞う  作者: みのる
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01



 今は昔のお話。

 傾きかけた小さな国へ、竜の加護を導いたひとりの魔術師がいた。

 彼の名はゴドフレード・イノセンツィ、『親愛なる竜の盟友』とも呼ばれる偉大なる賢者である。

 ゴドフレードは宮廷に迎え入れられ、湖畔に建てられた城を与えられた竜の後見人として、権勢を思いのままにした。竜の加護を得た王国は国力をみるみるうちに取り戻し、やがては大陸の大半を支配する大国へと変貌を遂げる。地上の王たる竜の加護は武力のみならず天候にまで及び、災害知らずの大国は平和な時代を築いていった。

 ところが、である。

 ゴドフレードの死後百年余り経った頃、竜は時の王女と恋に落ちる。

 異類婚を忌避した当時の王はそれを認めようとせず、王女の隣国への嫁入りを決めてしまった。王女が隣国へ旅立つまさにその日、見送る民衆の中へ突如として現れた巨大な竜は、王女を背中に乗せ東の空へ飛び去った。その後国中くまなく捜索が行われたが、ついぞ竜と王女が見つかることはなかったという。

 以来――百年の長きにわたり、この国には竜の不在が続いている。


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